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中国ネット通販で日本ブランド引く手あまた 甘い誘いに潜むリスクとは…
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150710-00000518-biz_san-nb&ref=rank
SankeiBiz 2015/7/10 20:29
中国人観光客によるメード・イン・ジャパンの「爆買い」が話題を呼んでいるが、そのニーズに目をつけた中国のインターネット通販大手が、ブランド力のある日本企業の出店勧誘に動き出している。日中外交関係の悪化から、現地での店舗展開に躊躇していた日本企業にとっては、まさに「渡りに船」とも映る。ただ、中国のネット通販業界は、契約やアフターサービスなどの苦情件数が急増しており、日本と同じような感覚で出店すると思わぬヤケドを負いかねないとの指摘も出ている。
■“爆買”日本ブランドに注目
中国のネット通販大手の日本企業への勧誘活動は前のめりだ。中国のネット通販大手、京東集団は6月1日、日本製品専門サイト「東京館」を開設した。同社はネット通販サイト「京東商城(JD.com)」を運営しており、2014年の日本製品の販売総額は80億元(約1590億円)に上る。東京館には、日本企業約300社が出店しており、ほとんどがブランド品だ。海外進出の経験がない日本企業のために出店・運営の代行サービスも行うなど、至れり尽くせりだ。
また、アジア最大の電子商取引(EC)企業、アリババグループは5月29日、同じソフトバンクグループの一員であるヤフーと連携し、通販サイト「天猫国際」への出店で、日本企業の中国市場進出を好条件で支援すると発表した。
天猫国際は、中国法人がなくとも日本法人での出店が可能なほか、日本の商標で販売ができる。有力メーカーや国内のECで実績のある企業などを対象に100社を出店させる方針という。
中国の通販サイトが日本企業に注目しているのは、日本製品の品質の高さにある。おむつなどのベビー用品や家電などのデジタル製品などのブランド品が売れ筋だ。国際間の取り引きサイトを持つネット通販業者は中国国内に約5000社あり、中国人のインターネットの普及を考慮すれば成長市場としての伸びしろもある。
■お寒い中国ネット通販事情
とはいえ、中国のネット通販業界や国の通関業務は健全な状態からほど遠いとの指摘は根強い。
消費者保護などを管轄する中国国家工商行政管理総局の発表によると、2014年に受理したネット通販に関する苦情は、前年比3倍以上増え、7万7800件に上ったという。中国内陸部などでは物流網が整備されておらず、発送してから数カ月経ってようやく消費者の手元に届くケースも散見されるという。
■誇大な宣伝、偽物商品…
京華時報によると、中国国家工商行政管理総局の張茅局長はネット通販の問題点として、誇大な宣伝、偽物商品が多いこと、返品が難しいなどを挙げている。さらに「ネットでの偽物販売という違法行為に対し、違法企業を倒産するまで徹底的に罰する」などと話している。
また、中国の消費者が日本のネット通販業者から商品を購入しようとしても、商品や時期によっては中国の税関当局が輸入許可を出さなかったり、関税が発生する場合があったりして、日本へ返品されてしまう事態も発生しているという。
こうした状況を改善しようと、中国政府は消費者保護策の強化に着手。14年3月に消費者権益保護法を改正し、リコールの義務化や通販業者へのクーリングオフを規定。今年3月には、国内企業に対し、同法で定められた責任と義務を履行してもらうための施策を打ち出しているが、クレームの数は先ほどの国家工商行政管理総局の統計にあるように増え続けているのが実態だ。
中国政府は、通関手続きの改善にも乗り出している。上海や広州などにある「保税区」で、ネット通販向けの仕組みを試験的に導入。保全区にある倉庫で商品を保管し、消費者から注文を受け次第、その倉庫から配送するため、配送期間が大幅に短縮できる。通関手続きは倉庫を出す際に行う。税金も安くなるため、消費者のメリットが大きい。
ただ、大和総研の芦田栄一郎シニアコンサルタントは「日本企業にとっては、商品が回転しないと、保管費用がかさむ一方、売れない場合は日本への返送料が発生するなど、保税区モデル本来のメリットを享受できないリスクもある」などと分析。さらに、「保税区モデルに関する政策はまだ始まったばかりで、今後政策が変わる可能性もある」と指摘している。
いずれにせよ、中国のネット通販業界が成熟の域に達していないのは明らか。日本企業が出店するせよ、副作用を十分に考慮に入れる必要がありそうだ。(S)
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