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日本もこうなるのか(C)AP
ユーロ圏で顕在化した主権喪失の危うさ 日本経済一歩先の真相/高橋乗宣
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161583
2015年7月10日 日刊ゲンダイ
反緊縮派の勝利で、ギリシャのデフォルト(債務不履行)がいよいよ現実味を増してきたが、日本の債務状況は欧州の老大国以上に深刻なレベルに達している。
ギリシャの政府債務残高は2015年3月時点で3130億ユーロ(約42兆円)。対GDP比は177%だった。一方、日本の政府債務残高は1000兆円を超え、対GDP比229%と、数字の上では破綻国家ギリシャをはるかに凌駕している。
かような危険水域に達しながら、日本が破綻を免れているのは、ギリシャが手放した権利を保有していることが、大きな理由のひとつだ。つまり、通貨発行と金融政策の自主権である。
ギリシャ・ショックがあぶり出したのは、EU参加国の「主権喪失」の危うさだ。統一通貨を使うため、独立国としての基本政策である通貨発行権を放棄する。ユーロ圏内の各国は自国通貨でありながら、ユーロの供給量の調節など金融政策を自由に行使できない。その結果、財政状況に不測の事態が生じると、瞬く間に国家経済がコントロール不能に陥ってしまう。
統治システムから主要産業や生産力、雇用構造、国民の生活パターン、果ては文化、歴史、伝統にいたるまでバラバラの国同士が、統一通貨を使って、同じ金融政策を強いられるのは、やはり無理があろう。
それにしても、せっかく金融政策の自主権を保有しているのに、黒田日銀は“宝の持ち腐れ”ではないか。「異次元緩和」と称する歪んだ政策で円の供給量をジャブジャブにし、国債をジャンジャンと購入する。財政ファイナンスを疑われる“禁じ手”は戦時下と同じ異常な政策である。
こうして無軌道に積み上げた借金を元手に安倍政権は「東京五輪だ」「震災復興だ」と大盤振る舞い。メーンスタジアム建設だけで2520億円も充てるほどだ。五輪施設や周辺インフラ整備に恐らく1兆円以上のカネをつぎ込むのだろう。
問題は五輪が終わり、復興は一段落、ムリを重ねた需要創出にメドがついた時が非常に恐ろしい。その後の不況を立て直していく原動力はもはや存在しない。人口減社会の到来で、ただでさえ、若者の労働力は減り、高齢者は増加の一途だ。それでいて政府は社会保障費の削減に躍起となり、17年4月の10%にアップ後も消費税を引き上げていくことだろう。
経済成長を支える「消費」という名のエンジンは二度と炎を上げることなく、この国は沈んでいく。出口なしの緩和政策をいつまでも続けたら、日本のギリシャ化を早めるだけである。
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