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中国株と日本株のPKO
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52717021.html
2015年07月09日 在野のアナリスト
日経平均が大荒れです。朝方600円安となったものの、上海市場が開いた10時半すぎから一気に切り返し、後場も中国株をにらみつつ、引け間際にはプラス転換しました。しかし日系の2社が先物の買い方上位2社に並んだ日経平均のみプラスで、TOPIXはマイナスで終えていますし、市場の3分の2は下落するなど、全体としてはかなり弱い印象です。連日の日銀によるETF買いが入っていますが、気になるのはこれまで1日に370億円入っていた規模が、7月に入ってから324億円に縮小している点です。この変動期、上場投資信託の資金が枯渇する懸念が生じており、規模を縮小せざるを得なくなった。日銀の見通しの悪さが、ここに来て下支え要因としての力不足感を生じさせそうです。
そんな乱高下の発端、中国では共産党の中央宣伝部が、メディア向けに緊急通達をだしています。1.株価の変動を冷静、客観的に報じる、2.理性的に予想できるよう世論を誘導、3.権威ある部門の専門家のコメントを掲載、4.株式の動向を政治と関連づけない。1.は当たり前ですし、通達がなくても本来はメディアが努めなければいけない義務ですが、2.以降は中国共産党が何を恐れているか、よく分かるものです。上昇も下落も、当局の責任ではない。一方で下落に歯止めをかけるような報道をしろ、という何とも都合いいことを要求していることになります。
今日の上海市場は5%以上上昇しましたが、売買停止銘柄が多く、流動性の規模が一時的に小さくなっているため、変動幅がさらに大きくなっています。さらに中国の乱高下をみて、資源価格が急落していますが、これも中国には痛い。国策で資源確保してきた面があり、かつ地方政府は製鉄所などを3セクのような形で建設。資源価格の急落は、それら企業を直撃します。悪い循環に入っているものを、改めて好循環へと導く難しさは、バブル崩壊への対策に失敗してきた、世界の歴史が証明しています。今は株価に注目が集まりますが、これが中国企業の信用問題、さらに金融不安へと直結してくると、問題が一層膨らむことにもなるので注意も必要です。
今回の中国株暴落は、一旦は収まるかもしれません。しかし次の危機を今回、準備してしまったと言えます。つまりいくら政府が下支えしようと、実態の伴わない価格は、いずれ調整する可能性がある、と国民に広く周知されてしまった点です。また政府がこれだけ株価維持(PKO)に執着するのは、それだけ弱点にもなり得るということ。そしてこの急落で様々な対策を施した後、再び急落の局面が訪れると、今回以上の株価対策を必要とすること。そのとき、完璧に投資家から見限られることにもなり、暴落に歯止めがかからなくなることが、想定されるのです。
今後起こりうる危機、それに今から日本も対処する必要もあるのでしょう。しかし一方で、日銀がそうであるようにGPIF、郵貯、かんぽなどのリバランス、債券売り、株買いにも一巡感が出ており、株価対策としての買い余力が、ここにきて著しく低くなってきています。日本のPKOが力を失いつつあるタイミングでおきたギリシャ問題、中国問題。日中ともに外部要因にすり替えつつ、国内向けにはPolitics Keeping Operationになりつつある点が、次の危機といえるのかもしれませんね。
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