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ギリシャ国民投票はNO
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52716804.html
2015年07月06日 在野のアナリスト
今日は安倍政権が期待していた、2つの出来事が裏切られた日です。まずなでしこJAPANの敗退。安保法制を覆い隠すため、また国内のムードをよくするため、優勝を期待していたとするもの。そしてギリシャの国民投票です。即日開票され、緊縮財政に反対61%、賛成38%となり、チプラス政権は勝利宣言、財務相を交代して新たにEU側との交渉に挑むことになりました。麻生財務相や黒田日銀総裁は「直接的な影響はない」と火消しに躍起ですが、間接的にはいくつも影響があります。安倍政権はどうせ賛成が勝つ、として政権よりのメディアも「賛成が広がる」といった書き方で楽観を煽ってきましたが、まさに梯子を外された株式市場は急落しています。
チプラス政権は資本規制で賛成に傾く国民を引き止めるため、国民投票明けには資本規制を解除、公共交通機関は乗り放題、といった発言で国民を安心させ、尚且つこれはユーロ圏離脱を決めるものではない、と争点を国内問題にすり替えた。反対に投じれば強い力となり、EUとの交渉が上手くいく、とも述べて反対すれば明るい未来、とのすりこみに奏効しました。国内問題であれば、失業率の高さと年金カットへの不安が、老年層ばかりでなく親の年金に頼って生活している若者にまで、反対へ傾く動機となった。予想外、意外という声も多いですが、むしろ当たり前の帰結として反対が優勢となり、今回の結果を導いたともいえるのです。
次の山場は7日のEU財務相会合や、20日のECBへの返済期限、ともされますが、いつのまにかIMFへの返済期限は先送りされたかのようです。当然、見守るという選択肢しかないようですが、それではギリシャ破綻を指をくわえてみていなければならない、日米などIMFへ多額の出資している国は面白くありません。次の危機は、IMFが融資基準を厳格化し、かつてのアジア通貨危機のように、厳しい財政運営を課すよう転じることです。すると、EUでも苦境にある国はIMFではなく、ユーロ内での安全網に頼らざるを得ず、見せ掛けに積み上げた資金が枯渇する恐れすら出てきます。
解決策は、ギリシャをデフォルトさせ、債務を減免した上で経済を再生させるしかありませんが、それではEU各国が合意できない。この問題は政治マターと、経済マターの判断が複雑に入り混じる点で、解決を遠くしています。楽観論の人は、ほとんどどちらかしか見ていない、とも言えます。チプラス政権はこれまでも、国民ウケのいい政策をとってきて支持率も高い。そんな政権だからこそ、世論誘導も極めて効果的に利く。そんな政治的考察と、経済的な合意を得るにはこれしかない、という道が必ずしも整合しないのですから、答えなき道をすすむようなものです。
またギリシャと同時に、中国株が朝高後、すぐに弱含んだことも懸念を高めました。ありとあらゆる株価対策をしても、ギリシャ不安が襲った面はあるとしても、3割も下落した先週までの流れを食い止められなかった。日本に対する間接的な影響は、中国経由がもっとも深刻なのかもしれません。中国が崩れれば、内需も外需も総崩れ、それが今の日本の実態です。
さらに先週末、日銀の買いがない中で株式市場が切り返した主因、とされる大量の先物、オプション買いを入れた某日系の証券会社が、今朝にシステム障害をおこし、売りをださせないようにするためか? ちょっとした話題になりました。楽観にかけた買いが、一転して売りに回ると大きな下落になる。中国の下落もそうですし、日本の下落もそうです。中国を対岸の火事と笑えないのは、日本の官製下支え相場が機能しなくなったとき、中国以上の下落がおきる可能性を捨てきれない点です。安倍政権の支持率がますます落ち、世論誘導も利きにくくなってきた日本。それは未来の楽観をふりまいても、誰も信じないということでもあります。政治マターと経済マター、遠いようで実は密接であるこの二つが波乱要因になりつつあるのは、世界共通なのでしょうね。
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