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国民投票の結果をパブロプロス大統領(右)に報告するチプラス首相/(C)AP
緊縮拒否でユーロ離脱か 「ギリシャ危機」世界市場大パニック
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/161474
2015年7月6日 日刊ゲンダイ
ギリシャの命運を左右する投票結果は「OXI(オヒ=反対)」だった。現地時間5日に行われた国民投票は即日開票され、EUなどが金融支援の条件として受け入れを求めた財政緊縮策への反対は61%と賛成の39%を大差で上回った。支援再開に向けた交渉の難航は確実で、ギリシャ国内の資金が枯渇すると、独自通貨の発行が必要となり、ユーロ圏からの離脱が一気に現実味を増す。週明けの世界の金融市場は、ギリシャ・ショックによる大混乱が必至だ。
ギリシャのチプラス首相は5日夜のテレビ演説で「民主主義が勝利した。ギリシャは歴史的なページを開いた」と、反対派の勝利を宣言。「欧州との亀裂ではなく、債務交渉を力強く進める力を与えてくれる」と語り、民意を後ろ盾にEU側と支援を巡る協議を再開したい考えを示した。
チプラス首相はユーロ圏離脱をチラつかせる“瀬戸際外交”で、EUが求める緊縮策の見直しや、さらなる金融支援を迫ってきた。しかし、EUの債権国は猛反発。日本でもギリシャ国民は怠け者で、借金を平気で踏み倒すというイメージがはびこっている。
両者の溝は深く、新たな交渉は難しいとみられることから、マーケットは大混乱に陥っている。
6年前の巨額の隠し債務発覚以降、EUや欧州中央銀行、IMFは金融支援の見返りに、デフレ不況に苦しむギリシャに猛烈な歳出カットを押し付けてきた。ギリシャ国民の年金受給額は3分の2に減り、消費税率は25%に上昇した。国民に犠牲を強いることで、基礎的財政収支は240億ユーロの赤字から、昨年は30億ユーロの黒字に転換したが、それでもデフォルト危機を避けられなかった。
「欧州中央銀などがギリシャにデフレ下の緊縮財政という誤った政策を迫った結果、さらなるデフレを招き、失業率は26%まで悪化。若者の半数近くが雇用を失い、すでに名目GDPはピーク時の75%まで縮小しています。ギリシャは過剰な緊縮財政により、経済成長の機会が奪われ、税収が細り、財政破綻に至ったのです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
そのうえ、ギリシャの主な産業は歴史的文化遺産に頼った観光ビジネスぐらい。他に国際競争力のある産業分野は皆無に等しい。
「いま、ギリシャに求められているのは過酷な歳出削減ではなく、新たな産業を育てることです。そのためには投資も必要でしょう。EU諸国が何度も緊縮財政を迫っても、新たなマネーを創出する経済力がなければ同じことの繰り返し。債務返済は遠のくだけです」(菊池英博氏)
国民投票直前、ノーベル賞経済学者のポール・クルーグマン氏は「ギリシャはEUの犠牲者。残された道は債務不履行とEU離脱しかない」と、米経済誌で語っていた。
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