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40歳は人生の中間点。行くかとどまるか(写真:xiangtao/PIXTA)
「40歳以上の転職は難しい」は果たして本当か 今の会社でいつまで働き続けますか
http://toyokeizai.net/articles/-/75654
2015年07月05日 小紫 恵美子 :経営コンサルタント(中小企業診断士) 東洋経済
6月中旬、業績不振に苦しむシャープの労働組合が、会社側から提案されていたリストラ案に合意しました。シャープと国内連結子会社で、45〜59歳の社員約3500人が、希望退職の対象となります。7月下旬から8月上旬にかけて募集し、退職日は9月末になるようです。
希望退職者には割増退職金が支払われますが、つらい選択になるケースのほうがおそらく多いでしょう。当事者ではないビジネスパーソンにとっても、決して他人ごとではないと切実に感じるニュースと言えます。筆者が担当する大学の講義でも社会人ニュースの話題として取り上げ、学生に議論をしてもらいました。彼らのすぐそこにある未来で直面する「働き方」に大いに影響する事案だったからです。
日本の企業社会で、長らく定説だった「転職35歳限界説」は、世界で最も早く進行する少子高齢化と、それに伴う人口動態の変化によって崩れてきていますが、それでも40歳を超える転職はハードルが高いと、一般的に考えられています。
はたしてそうでしょうか。
■40歳を過ぎても、まだ働く時間は20年以上ある
定年が65歳までとなって、40歳を過ぎても今までの20年よりも多い「働く時間」が待っています。地域の中小企業や海外の企業では、日本の大企業の中で培った経験や能力を求める企業が多くあります。
厚生労働省は6月中旬、大企業から中小企業に転じる人を受け容れる中小企業を対象にする「労働移動支援助成金」の適用範囲を拡大するという方針を発表しました。2016年度から適用されるとのことです。以前は「リストラなどにより」という理由が限定されていた部分をなくし、大企業から中小企業への雇用の流動化を促進する狙いがあります。
受入企業には賃金助成や訓練経費助成として、1人あたりの助成金額が定められており、1年度1事業所あたり5000万円を上限として支給されます。実効性はともかくとして、4割が人手不足に悩んでいる中小企業は、こうした制度の活用により、自社の人材不足を補うチャンスが生まれます。大企業での能力や経験を得た人材が中小企業で求められているのです。
大企業で「今の職場にとどまり続けるしかない」と思っている読者がいたら、「ほかにどんなチャンスがあるのか」と視野を広げる手はあります。「もうここにしか自分はいられないからいろいろ我慢しているのに」と思って働き続けるのは、精神衛生上もよくありません。「いくつかある選択肢の中で、あえて自分の事情でこの仕事を選んでいるんだ」という納得をして働いているほうが、仕事に対する不平不満も生まれづらくなります。
■仕事から得られる喜びは3つある
40歳を過ぎてくると、仕事から得られる喜びは3つあると考えられます。@報酬、A成長、B相手になんらかの貢献ができているという気持ちです。
@報酬
言わずもがな、仕事の対価として得られるおカネです。仕事をして生活の糧を得るというのは、仕事のもっとも本質的な理由ですので、この多寡が気になるのは当然のことです。「長く勤め続ければ緩やかにでも上がり続ける」と信じられた時代が終わりつつある今、これだけを仕事の理由にするには、今の会社で働き続けることは難しくなってきています。
A成長
若手から中堅の社会人が大事にすべきものです。ずっと同じ仕事で同じ賃金……これで満足できるということであれば、残念ですが、@の向上は得られないでしょう。転職をする場合などは、@が下がったとしても成長を優先することで、少し未来の@を勝ち取る、といったようなことも選択肢としてあります。
B貢献しているという気持ち
これも、若手のうちからある人もいるかもしれませんが、多くは中堅以降の人たちが感じるところではないでしょうか。若いうちは@の報酬やAの成長を追い求めていた人も、人に感謝されて仕事がしたいという気持ちは増してきます。自分が役に立っているという実感は、仕事に対するモチベーションになるものです。
筆者自身も、大きな組織の中で大きな仕事をしている「金額の大きさ」よりも、目の前の中小企業のお客様や企業家の方に「ありがとう、先生に聞いてよかった、また頑張ってみる」と言われるほうの喜びが何倍も大きいと感じたことを覚えています。
家の仕事でも同じ
■3つの観点はどんな仕事にもあてはまります。
たとえば家庭で主婦/主夫をしている方。@の報酬は生活の糧をパートナーが稼いでくる、という意味で得られているとします。Aはご本人の心がけ次第ですが、年数を重ねてくるとほとんどの方がプロ並み、ないしは慣れで大抵のことができるようになり、通常、外でする仕事に比べると「成長を日々実感する」ことは難しくなってきます。
とすれば、Bの気持ちが満たされるようにするには、周りの家族がもっと主婦・主夫の方たちに感謝をしなければ難しいものです。家での仕事も当たり前、ではありません。たとえば、家の中で家事を分担してくれるパートナーが倒れたときの大変さを思えば、だれもが思い当たることではないでしょうか。
女性の働き方が話題となることの多い昨今ですが、男性の働き方を固定化して考える必要はありません。経験や能力を評価し、感謝して自分を必要としてくれる人のところで働くということは、男女共通であり、年齢を重ねてくるにつれて働くことの喜びとして得られるものだと思います。
「転職するチャンスを探ったこともない」という方は、一度、自分にどのような可能性があるのか、人材紹介会社に問い合わせてみるのもひとつでしょう。もちろん最初は、今の会社にい続けること前提でもかまいません。ただ、選択肢を知っておくことは決してマイナスになることはないはずです。
今の職場にずっといるのも選択肢、転職やIターンといった働く場所を変えて仕事から得られる喜びについて再度見直してみるのも選択肢です。まだやっと「折り返し地点」に近づいた私たちの世代だからこそ、今一度、今後半分の仕事人生で働く意味、働く場所を考える自由は誰にでも平等に存在します。
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