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骨太の方針と成長戦略
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52716325.html
2015年06月30日 在野のアナリスト
東海道新幹線で、焼身自殺と思われる事件がありました。ガソリン? だとするとポリ容器にはまず売らないので、自分の車のタンクから抜いたか? 確信犯的であり、この事件は安全対策面で大きな課題を示してしまいました。もし爆弾で、最高速で走っているときに運転席までやられたら…。テロの可能性を見せつけた、これを教訓にしなければいけないのかもしれません。
ギリシャの債務支払期限が今晩きますが、チプラス首相は払わない、と明言しました。IMFはユーロ圏の話し合いや、国民投票の推移などを見極める方針で、すぐに債務不履行とはならない見込みです。一方、米自治領プエルトリコが財政破綻しました。連邦破産法が適用されない自治領である一方、様々な債券にもプエルトリコ債が組みこまれるなど、影響が拡大する恐れもあります。金融緩和の恩恵が行き届くところは潤沢に、そうでないところは苦境に、金融政策による景気回復とは、一般人の格差拡大と同様、地方自治体でも格差を広げるのかもしれません。
日本では経済財政運営の基本方針(骨太の方針)と、日本再興戦略(成長戦略)の2つが閣議決定されました。安倍政権では『経済再生なくして財政健全化なし』を掲げますが、昨年度は『増税年度はマイナス成長』の例に洩れず、経済指標をみても再生どころか、経済は衰退が一層激しくなっています。求職者数が減っているのは、人口減社会と比例しますが、求人数も大きく減っており、日本経済が拡大しているとは到底思えません。これには助詞が足りないのでしょう。つまり『経済再生をなくして、財政健全化もなし』というのが基本路線になりつつあります。
本文にも「三本の矢の取組により、『デフレ脱却・経済再生』と『財政健全化』は双方ともに大きく前進」との文言が、そこかしこに出てきます。まるで安倍氏が読むから、その精神安定剤のように配されているようです。5月毎月勤労統計でも、実質賃金は0.1%減、気をつかうメディアは「名目では上昇」といった書き方もしますが、生活実感とはかけ離れています。しかし骨太の方針でも、「賃金上昇を定着…」と出てきますが、実質賃金をプラスにする、という目標は掲げない。低い志と、安倍氏を喜ばせるための作文、それが骨太の方針の中身です。
何度か指摘しているように、安倍政権では歳入が拡大した一方、歳出も拡大しているのであって、今後も歳出は膨張する見込みです。社会保障の増加に対する策として、ジェネリックの活用と謳いますが、日本の薬事審査は期間が長く、またコストもかかるため、それを国民がツケ払いのように薬代として余分に払っているのです。こうしたジェネリックの活用をすすめれば、新薬開発への意欲が低下し、結果的に国民の利益とならないことにもなるでしょう。しかし薬事審査を請け負う独法改革は、安倍政権で語られることがありません。結局、この政権には官僚が甘い汁を吸う状況に楔をうつこともできず、日本が衰退していくのを助長しているかのようでもあるのです。
もう一つ、骨太の方針の基本路線を読み替えるなら「経済低迷となりて、財政健全化の形もなし」といったところなのでしょう。三本の矢などすべて飛ぶ前からポキリと折れていて、国債発行は膨張をつづけ、日銀でさえデフレ脱却の目標を後退させている。安倍ノミクスは結果的に、株高しかもたらしてはいないのです。しかもそれが公的機関の買いが原因、というのですから、それは政策でも何でもありません。骨太どころか骨粗しょう症、とは以前から指摘していますが、今の日本は骨のない軟体生物のように、何とか形を保ってはいますが、大きな動きに踏みつけられれば潰れてしまうような、そんな国になってしまったのかもしれませんね。
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