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日銀短観・非製造の立役者、中国需要に漂う既視感[日経新聞]
編集委員 滝田洋一
2015/6/28 5:30
製造業はもたつくが、非製造業は堅調。7月1日発表の日銀企業短期経済観測調査 (短観)について、こんな見立てが支配的だ。中国勢の爆買いが少なからぬ貢献をしているはず。ならば中国の経済と市場の行方は年後半の見通しを描く際、大きな不確定要因となる。
爆買いの主役である中国人観光客は、このところ月30万人が定着している。おなじみのテーマとはいえ、ここへ来ての増加はとても急だ。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、中国株 の上昇で懐具合が良くなった人たちが、日本に押し寄せているとみる。確かに上海総合指数と訪日観光客数は仲良く上昇している。
百貨店の売り上げには、爆買いの御利益がクッキリと表れている。2014年は消費増税前の駆け込みと反動源で振れが大きいので、2年前と比べると中国人客の多い東京の百貨店の売り上げ増が際立つ。
今年1月は美術・宝飾・貴金属が25%以上増加したが、もっと面白いのは化粧品だ。今年に入って15〜20%増のペースで伸びている。豊かになった中国人女性たちが、ブランド価値を認め、おカネを惜しまない姿が目に浮かぶようだ。
観光地の宿泊施設や郊外のアウトレットモールでも、こうした光景は至る所でみられる。いきおい6月調査の日銀短観でも、小売り、宿泊、飲食、鉄道など非製造業に、こうした中国人需要が反映されることになろう。
現にQUICKが毎月実施している短観でも、非製造業の業況判断指数は昨年12月の19から、今年6月は39とうなぎ登り。同じ時期に製造業がほぼ横ばいなのに対し健闘ぶりが目立つ。
非製造業が堅調なおかげで、日本株は海外要因に振れにくく、足取りもしっかりしている。大変に結構なことだが、その分、注意を怠れないのは中国経済と中国株の動向である。
中国経済の成長率が鈍化するのを尻目に、中国の株価は今年6月上旬にかけて駆け上がった。その背景には、景気減速や不動産市場の悪化を株高で埋め合わせしようという、政策的な意図があった。
その結果、株式市場の時価総額 は5月末時点で上海が5.9兆ドル、深圳は4.4兆ドルへと急膨張した(世界取引所連盟)。いくら何でもこれはバブルである。6月半ばから中国株が調整に入ったのは、自然なことというべきだろう。
問題は今回の調整が日本のバブル崩壊のような事態に至るかどうか。先行きは神のみぞ知るだが、中国当局はここへきて財政・金融両面で景気のテコ入れに出始めている。上海では「今週にも当局が銀行株の買い支えに動くだろう」といった話を聞いた。PKO(価格維持策)期待である。
ひとまず中国景気が失速を免れるなら、株式市場も小康を取り戻すかもしれない。その結果、爆買いが衰えないとすれば、日本の非製造業もほっと一息というところだろう。この辺が標準シナリオといったところ。
ただし、中国はすでに過剰供給に悩む。そこで財政が景気をテコ入れするというのは、バブル崩壊後の日本のように矛盾を先送りすることにほかならない。
もっとも、日銀短観に回答する企業経営者はそんな先のことまで考えてはいまい。ここはひとつ、踊りゃにゃ損損。その気持ちは株式市場の参加者の方が、一層顕著だろう。
http://www.nikkei.com/markets/column/globaloutlook.aspx?g=DGXMZO8855763026062015000000
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