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『週刊ダイヤモンド』7月4日号の巻頭特集は「商社の勝者 伊藤忠が三菱、三井に仕掛ける下克上」
30歳で年収1000万円超!? 伊藤忠がリアル年収でも財閥系商社に下剋上
http://diamond.jp/articles/-/73870
2015年6月29日 週刊ダイヤモンド編集部
『週刊ダイヤモンド』7月4日号の巻頭特集は「商社の勝者 伊藤忠が三菱、三井に仕掛ける下克上」。財閥系の3商社が上位を占め、その後を非財閥系が追うという序列が崩壊しつつある現状に迫りました。記事の中から、台風の目・伊藤忠と最大手・三菱商事の給与の実態について一部抜粋してお送りします。
「平均年間給与:1395万0975円」──。伊藤忠商事が6月19日に提出した有価証券報告書に記された、最新の平均年収は1400万円に届こうかという驚きの水準だった。
しかし、さらに驚いたのは、自社の平均年収を聞いた伊藤忠の30代社員が「平均年齢が41.5歳でその額ということなら、実態はもっと高いよ」とサラリと言ってのけたことだ。
有報ベースの平均年収と実際の年収には乖離があるとはよく聞く話だが、そうだとするならば、実際のところ、大手に勤務する商社マンの本当の年収は一体幾らになるのだろうか。
『週刊ダイヤモンド』は今回、業績と共に年収の躍進が著しく、有報ベースの平均年収が業界で最も高かった伊藤忠、そして超高給企業として名をはせる業界最大手、三菱商事の両商社マンたちに徹底取材を敢行した。
聞き取りベースなので、若干の誤差が生じるのはご容赦いただきたいが、浮かび上がってきたのは、何ともうらやましい高待遇のリアルな実態であった。
まずは初任給から見ていこう。いずれも20万5000円と取り立てて高給なわけではないが、伊藤忠の場合、「業績が良ければ、1年目からボーナスが年間で150万円くらい支給される」(伊藤忠若手社員)。となれば、年収は早くも400万円前後となる。
■幹部クラスでは伊藤忠が三菱商事を逆転?
その後、両社共に年収はハイペースで上昇していき、商事の若手社員は「27、28歳で800万〜900万円台に達して、残業代が多い部署なら30歳手前で、1000万円の大台に到達するケースがある」と解説してくれた。商事も伊藤忠も30歳を超えるあたりから1000万円を突破してくるとの回答が多かった。
部門ごとでボーナスに差が出ない伊藤忠と比較して、商事は業績が好調な部門はボーナスが上乗せされるので、利益を上げている部門の若手ほど早く大台に乗りやすいという。
いずれにしても、30歳前後で1000万円に到達するとは何ともうらやましい限りである。
また、商事の場合、「早ければ8年目くらいで管理職の課長級に昇格して、残業代は付かなくなる」(商事30代社員)。それでも、ベースが上がるため、大台は超える。
さらに35歳の標準年収が1350万円。30代後半になれば、部長代理級に昇格していくが、標準年収は1500万円前後にもなる。うわさにたがわぬ高給ぶりだ。
一方で、伊藤忠の場合は「40歳の平均年収が1500万円前後になる」(伊藤忠40代管理職)という。そのため、商事の方が昇給ペースは若干早い印象となった。
ただ、業績が絶好調の伊藤忠は近年、急速に給与水準が上昇している。商事の40代幹部は「業績連動の割合が高くなる部課長クラスになると、伊藤忠に逆転されているのでは」と語る。収益面で躍進著しい伊藤忠が社員の収入面でも、王者の商事を凌駕しようとしているようだ。
伊藤忠はさらに、管理職を対象にした新たな報酬制度をスタートさせる。社員は課長や部長などの役職に昇格するたびにポイントがもらえ、退職時にポイントに応じて自社株を受け取れる。
最大1万株を手にすることができる。6月19日の終値で計算すると、最大1679万円を退職金とは別に受け取れるというわけだ。
また両社とも50歳前半ごろから、同期の出世頭が執行役員になり始めるが、役員報酬の伸び代でも、商事は「業績にもよるが執行役員の報酬が4000万〜5000万円程度」(商事中堅幹部)。これに対し、より業績連動の振れ幅が大きい伊藤忠の執行役員は「結果を出せば、5000万円台の報酬を受け取れる」(伊藤忠幹部)。
■三菱商事の手当は超の付く高待遇
もちろん、ここまでの高額報酬を享受できるのは、熾烈な社内の出世競争を勝ち抜いた一握りの役員だけ。しかし、商社マンにはたとえ出世がかなわなくとも、実入りの大きな収入がある。
営業部門の商社マンならいまや大半が経験する海外駐在時に本給に上積みされる手当である。
代表的なのが先進国への赴任でも支給される海外赴任手当。国内でも支給される通常の月給に加えて、毎月10万〜20万円を受け取ることができるという。
それだけではない。さらにおいしいのが、主に新興国に赴任する場合に支給されるハードシップ手当、いわゆる危険地手当だ。
下表を見てほしい。これは商事のハードシップ手当を簡略化したものである。
治安レベルなどに応じて赴任先の都市が14段階にランク分けされている。最も上乗せ額が大きいのがナイジェリア最大の都市、ラゴスだ。
30代半ばで年収が1400万円前後の課長クラスが妻子帯同で赴任すれば、月額55万円超が上乗せされる計算である。年収は2000万円を優に上回り、まさに超の付く高待遇ぶりだ。
海外赴任では住宅手当も申し分ない。新興国ではセキュリティの厳重な外国人向けの高級住宅地があてがわれるが、会社の補助で月額30万円前後のプール付きの豪華な住まいで暮らすことができる。
単身者の場合はサービスアパートメントに入居するケースもある。ハウスクリーニングなどホテルのようなサービスが受けられ、家具や家電、日用品が付いた高級マンションだ。
■長く続いた総合商社の業界序列が大激変中
記者が以前、上海出張の際に転がり込んだ大手商社に勤務する友人の住まいも、外資系ホテルの一角を占めるサービスアパートメントでした。間取りは広々とした1LDK。高級家具が備え付けられた空間で、映画に出てくるかのような優雅な生活を送っていた友人をうらやみ、彼我の差に暗たんたる気持ちになったことを思い出します。
『週刊ダイヤモンド』7月4日号の第1特集は「商社の勝者 伊藤忠が三菱、三井に仕掛ける下克上」です。
総合商社の業界勢力図が激変中です。長らく商社業界に存在した序列。三菱商事を筆頭に、三井物産、住友商事と財閥系の3商社が上位を占めて、その後を伊藤忠商事や丸紅といった非財閥系商社が追うという序列が今、崩壊しつつあります。
台風の目は、タイの巨大財閥と共に中国最大の国有企業への出資に踏み切った伊藤忠です。今まさに非財閥系の下位商社だった伊藤忠が、三菱商事や三井物産といった財閥系の上位商社に「下克上」を仕掛けているのです。
2010年4月に伊藤忠のトップに立った岡藤正広社長がまず設定した目標は「業界3位を目指す」ことでした。伊藤忠は当時、純利益で業界4位に甘んじていましたが、3位の住友商事を事実上名指しし、挑戦状をたたき付けました。公約通り、11年度には住商を追い抜きました。
さらに昨年度の純利益は、三井物産が3065億円、伊藤忠が3006億円と、2位の三井物産にわずか59億円差まで迫る大躍進。今期は計画通りに利益を積み増せば、三井物産を追い抜く可能性が高そうです。しかも今期はトップにも手が届きそうな勢いです。10年以上にわたって業界トップを走り続ける王者、三菱商事との純利益計画の差がわずかに300億円で、射程圏内に捉えました。
業界の“暴れん坊”は、商社業界の勝者になり得るのか、あるいは風車に突進するドン・キホーテで終わるのか。その答えをライバルたちの思惑を絡めながら、徹底解明しました。総合商社の入門講座なども織り交ぜながら、分かりやすく解説しているので、業界関係の方だけでなく、就活中の学生の方にも手に取ってもらえると幸いです。
(『週刊ダイヤモンド』副編集長 山口圭介)
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