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<EU支援打ち切り>ギリシャ瀬戸際 国民投票、裏目の恐れ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150628-00000001-mai-bus_all
毎日新聞 6月28日(日)1時46分配信
ユーロ圏財務相会合が30日に切れる現行金融支援の期限を延長しないと決めたことで、ギリシャがデフォルト(債務不履行)や財政破綻に陥る可能性が急浮上した。国民投票発表によって欧州連合(EU)相手に大胆な賭けに打って出たチプラス首相だが、強気の姿勢が裏目に出る恐れが強まった。市場でユーロ圏離脱論が高まるのは必至だ。
「首相が国民投票にかけると発表したことで、金融支援の提案はほごになった。ギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱の危険は極めて高くなった。預金取り付け騒動が起きるだろう」。アテネ経済ビジネス大学のスピロス・ブラブコス准教授が警鐘を鳴らす。
27日、アテネ中心部の銀行の現金自動受払機(ATM)に預金を引き出す顧客の行列ができた。カメノス国防相は地元テレビで「心配は無用。銀行は閉まらない」と国民に平静を呼びかけた。だが、行列は時間がたつにつれて長くなり、紙幣が底を突く機械も出て、預金流出が加速しているのは明白だ。
国民投票発表から12時間で4億ユーロ(約552億円)が引き出されたとの情報もある。新聞記者のヨルゴス・パラスコスさん(53)は「取り付けが怖い」と300ユーロ(約4万円)をおろした。「首相は金融支援合意をまとめるべきだった。国民投票は危険すぎる」と語った。欧州中央銀行(ECB)や国際通貨基金(IMF)の対応次第だが、週明けにも預金封鎖の資本規制が導入される可能性もある。
今月下旬に支援交渉の大詰めを迎え、チプラス首相には独仏などから緊縮策提案の受け入れを求める圧力が高まっていた。だが、「緊縮策の放棄」を掲げて就任した首相にとって年金カットなどの不人気策をのめば政治基盤を危うくする。
首相は提案諾否の決断を民意に求めることで自らの責任を回避し、政治的生き残りを優先したとの見方が有力だ。「国民投票は提案拒否を首相が正当化するのが狙い」とブラブコス准教授が解説する。「仮に提案賛成になったとしても『私は同意できないが、民主的な手続きを尊重する』と言うことができる。いずれにしろ首相が失うものはない」とみる。
国民投票は1974年にギリシャ軍事政権が崩壊し、君主制が廃止されて以来初めて。最新世論調査によると、ユーロ圏残留を望む国民は約7割。だが、5年に及ぶ経済危機で国民は疲弊しており、緊縮策への反発は根強い。残留を望む「親EU派」と、離脱も辞さない「反緊縮派」の亀裂が深まるのは間違いない。【アテネ福島良典】
◇世界経済に打撃も
6月30日に期限を迎えるギリシャ向け金融支援について、欧州連合(EU)が打ち切りを宣言した。支援協議の決裂を悲観した大規模な預金流出が加速し、銀行の資金繰り悪化による金融危機の可能性も出てきた。ギリシャが債務不履行(デフォルト)に陥ればユーロ圏離脱の懸念も高まり、2011年の欧州債務危機以降、徐々に回復してきた欧州経済が再び打撃を受け、世界経済を混乱に陥れる恐れもある。
先週の金融市場では、ギリシャ側が新たな財政再建計画を示したことを受け、ギリシャ支援協議が合意に向かうとの期待が高まっていた。東京株式市場では24日に日経平均株価の終値が18年半ぶりの高値をつけるなど、楽観ムードが拡大していた。
それだけに、土壇場で交渉がもつれ、このまま支援の見通しが立たない場合、週明け29日以降の金融市場の大混乱は必至だ。株式市場での失望売りのほか、通貨ユーロが大きく売られる可能性がある。混乱が世界市場全体に広がれば、回復に向かっていた世界経済にも打撃を与える。
ギリシャがデフォルトに陥った場合の世界経済への影響について、市場では「前回の欧州債務危機の時に比べると小さい」(大手証券アナリスト)と楽観的な見方もある。前回の危機時は、ギリシャと同様に財政状態が悪いイタリアなど他国の金利も急騰(国債価格は急落)したり、暴落した国債を保有する各国の銀行の破綻懸念が強まったりして、世界に危機が飛び火した。現在はその教訓を生かし、財政難に陥った国や経営難の銀行の救済のしくみが整備されたため、危機拡大を食い止められるとの見立てだ。
ただし、ギリシャのユーロ圏離脱が現実味を帯びることになれば、「金融市場は『次のギリシャ』探しを始める。その国の国債が売り浴びせられるなど、危機が飛び火する恐れは十分ある」(国際金融関係者)と悲観的な見方も出ており、市場の緊迫度は増している。【柳原美砂子】
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