http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/269.html
Tweet |
国立大学に文系は不要か?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43932
2015年06月28日(日) ドクターZ 週刊現代 :現代ビジネス
■ビジネスに役立たない分野はいらない?
文部科学省が国立大学に出した通知が大学関係者の間で話題だ。簡単に言うと、文学部や人文社会科学系など、ビジネスに役に立たないような分野の縮小や転換を求めた形。国立大文系を「社会的要請」に合致した学問の場とするような流れで、文系の大学関係者は疑問のようである。
まず大学生に関するデータを見よう。'14年の学生数は、国立44・7万人、公立12・9万人、私立197・6万人の計255・2万人。文系を人文科学、社会科学、教育の学部生とすれば、国立大文系比率37・1%、公立大文系比率44・2%、私立大文系比率59・3%で、全体では54・6%だ。
文系比率を10年前の'04年で見ると、国立、公立、私立、合計それぞれ39・8%、50・8%、65・6%、60・2%。20年前の'94年では、それぞれ43・4%、60・2%、67・7%、62・5%。
ここ20年間で見ると、文系比率は、国立で▲6・3、公立で▲16・1、私立で▲8・4と、すべて低下傾向である。このうち、国立大では、もともと文系比率の水準は低かったが、公立や私立と比べて低下していなかったともいえる。
こうした傾向を見ていると、文科省が国立大の文系学部に通知したことは特別に驚くことではない。安倍政権になってから国立大学改革プランが策定され、各国立大学では各学部単位で強み・特色・社会的役割(ミッション)の再定義が行われている。今回の通知もその流れに沿ったものだ。
大学を取り巻く環境は、少子化、グローバル化など企業と同じである。特に大学の場合、環境変化に対応できないところが多いために文科省が音頭をとっており、その動きについて行けない大学関係者の間で不満が出ているというわけだ。
■少子化で大学は衰退産業の仲間入り
そういえば、文系学部が社会に役立たない例もあった。
一流の国立大の先生方が、政府の審議会で消費増税しても経済への影響は軽微だといったのは、昨年4月からの5から8%への消費増税の前だった。
ところが、先生方の意見はまったく的外れで、消費増税後景気は大きく落ち込んだ。社会に役立たないどころか、社会に有害な先生方だった。もっとしっかり経済学を研究してもらって、社会に役立つようにしてもらいたい。
この実情をよく知っているのが、大量にいる文系出身の社会人だろう。学生時代に勉強して役に立ったものは何かを聞いてみれば、講義科目をあげる人はほとんどいない。講義をサボり、試験前に講義ノートを借りて一夜漬けの経験談はかなり多い。講義より、部活で友人を作ったことが大学で一番よかったという人も多いはずだ。
実は、文科省は霞が関官庁の中でも「落ちこぼれ」と揶揄される役所だ。その文科省に指導されるとは、国立大も情けない。急遽、国立大学協会の総会を開催して、文科省の方針に異を唱えたようだ。
しかし、世間の同情は今ひとつだ。プライドだけは高いが変化に対応できない大学人は、世間の動きに無頓着でいることを、「学問は社会の役に立つという尺度では測れない」と強弁する。しかし、少子化でそもそも大学が余剰になりだし、本格的に衰退産業に仲間入りで、その尻に火がようやくついたようだ。
『週刊現代』2015年7月4日号より
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。