http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/258.html
Tweet |
未曽有の賃上げないと出口遠い、HSBCは日本国債に強気−黒田緩和
2015/06/26 11:09 JST
(ブルームバーグ):日本銀行の黒田東彦総裁が異次元緩和からの出口にたどり着くのは困難――。日本国債強気派の代表格である英銀HSBCホールディングス は、持続的な2%の物価上昇に必要な賃上げをもたらすほどの雇用逼迫(ひっぱく)がかつての日本になかったためだとしている。
HSBC証券債券営業本部の城田修司マクロ経済戦略部長は、日銀の見通しほどに消費者物価は上昇せず、10月末に国債などを買い増す追加緩和があるとみている。同グループの新発10年物国債利回り の年末予測値は0.30%と、ブルームバーグが集計した21社の予想回答の中で最も低い。
城田氏は「少なくとも2016年度内の出口は予見できない。異次元緩和は長期化せざるを得ず、金利は低い状態が続く」とみる。「成長や賃金とのバランスが取れた2%インフレを実現するには、まだ数年単位の時間が必要だ」と指摘。「金融政策だけでは無理だ。経済効果が十分に表れるまで時間のかかる成長戦略で、女性や高齢者の参加率上昇や雇用のミスマッチ解消を図る必要がある」と言う。
日銀は4月末の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で、2%の物価目標への到達時期を従来の「15年度を中心とする期間」から「16年度前半ごろ」に後ずれさせた。ブルームバーグが6月実施したエコノミスト調査では、日銀の見通しが的中すると答えたのは35人中2人だけ。異次元緩和の縮小開始については16年度が4人、消費増税がある17年度が5人、18年度以降が14人、見通せないが11人だった。
バブル期でもなかった水準
完全失業率 は5月に3.3%と前月に引き続き18年ぶりの低さ、有効求人倍率 は1.19倍とバブル期直後に当たる92年以来の高水準だった。1人当たりの現金給与総額 は4月に前年比0.7%増加。物価の影響を除いた実質賃金 はマイナス0.1%と2年前から低迷が続く。全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI )は、5月に前年比0.1%上昇。ただ、市場関係者は来年7−9月期でも1.2%にとどまると見込む。
黒田総裁は5月13日の参院デフレ脱却及び財政再建調査会で、日本経済は労働需給のミスマッチによる構造的失業率が3%台半ばに到達し、完全雇用の水準に来ているとの見解を示した。城田氏も「ほぼ完全雇用の状態にあり、賃金が上がりやすいのは確かだ」と言う。
しかし、失業率と賃上げ率の関係を示すフィリップス曲線に基づく城田氏の回帰分析によれば、日銀が目指す2%インフレの下で実質賃金がマイナスにならない「2%の賃上げを確保するには、失業率は2.7%まで下がる必要がある」。さらに、物価が毎年2%上がる中で「目指すべき賃上げ率が3%だとすると、失業率は2%まで下がる必要がある」と試算する。
城田氏は、経済全体の需要不足による失業が解消された均衡失業率から「これほど下方に乖離(かいり)したことは、日本ではかつてなかった」と指摘。国内総生産(GDP)の需給ギャップとインフレ率の関係から見ても「2%インフレの達成にはGDPギャップがプラス4.4%になる必要がある」と分析。「バブル期でもなかったことだ」と述べた。内閣府によると、直近のGDPギャップはマイナス1.6%だ。
厚生労働省が発表する毎月勤労統計で1人当たり現金給与総額 が1年前より2%増えたのは04年11月が最後。2カ月連続だと1995年3月以来となる。3%増が2カ月以上続くとバブル期直後の92年3月以来となる。過去20年間の平均は前年同月比0.4%の下落。5月分の速報値は30日に発表される予定だ。
ミッションインポッシブル
日銀は展望リポートで、16年度の消費者物価上昇率を2.0%と予想。原油価格が緩やかに上昇するとの想定通りなら、エネルギー価格の押し上げ効果は0.1−0.2%ポイント程度になると試算した。
大和証券の山本徹チーフストラテジストは、日銀は16年度の2%インフレを、ほぼ酒類以外の食料とエネルギーを除く「コアコアCPI 」だけで達成できると見込んでいると指摘。しかし、賃上げ率と物価の相関関係によると「コアコアCPIが2%上がるには、賃金が少なくとも3%程度は上がる必要がある」と推計する。
山本氏は「日本経済は着実に良い方向に進んでいるが、16年度前半ごろの物価目標達成はミッションインポッシブルだ」と言う。「賃金の上昇は極めて重要だが、賃上げだけで日銀の物価見通しが実現するのは難しい」と指摘。達成には需給ギャップの大幅な改善や生産性の向上、期待インフレの上昇なども必要になるとみている。
日銀が5月に開いた金融政策決定会合の議事要旨によると、一人の委員は、今年度の所定内賃金の上昇率がゼロ%台半ば程度にとどまると見込まれるほか、成長率も展望リポートの中心的見通しよりも弱めに予想していると発言。インフレ率が今年度後半に顕著に上昇するとのシナリオは描き難いとの見方を示した。
一方、原田泰審議委員は4日のインタビューで、2%インフレの達成には3%の賃金上昇が必要だとの見方について、労働生産性の1%を加味すると「そのくらいになる可能性は強い」と発言。ただ、「実際にはやってみなければ分からないので、現実の経済の動きを見ながら、物価安定目標を優先してやっていく」と話した。
関連ニュースと情報:財務省と投資家の「同床異夢」、黒田緩和出口で崩壊も−ウエスタン「口先介入」でTPP側面支援か、黒田総裁の視線の先に米議会の動き黒田ショックまで1年足らず、賃金加速の真相を見よ−フェルドマン氏
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 野沢茂樹 snozawa1@bloomberg.net;東京 Kevin Buckland kbuckland1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 崎浜秀磨, 山中英典
更新日時: 2015/06/26 11:09 JST
地方活性化の議論が活発に そもそも「ローカル・アベノミクス」って何?
THE PAGE 6月27日(土)6時0分配信
このところ地方活性化の議論が活発になってきており、あらためてローカル・アベノミクスという言葉が注目されています。そもそもローカル・アベノミクスとはどのような考え方なのでしょうか。
地方活性化の議論が活発に そもそも「ローカル・アベノミクス」って何?
[写真]今年の成長戦略や骨太の方針にもローカル・アベノミクスというキーワードが盛り込まれる予定(写真:ロイター/アフロ)
ローカル・アベノミクスというキーワードは2014年6月に政府が策定した経済財政運営と改革の基本方針(いわゆる骨太の方針)と成長戦略に盛り込まれたものです。アベノミクスの成果は株高や輸出産業の業績拡大などを通じて顕著になってきましたから、どうしても都市部や大企業に利益が集中してしまいます。地方や中小企業への恩恵が少ないという批判が出てきたことから、この成果を全国津々浦々まで拡大させようというのがその基本的な主旨です。
安倍政権が進める地方創生も基本的に同じ路線の政策ですし、今年の成長戦略や骨太の方針にもローカル・アベノミクスというキーワードが盛り込まれる予定です。地方を元気にするという点では、多くの人にとって異論のないものですが、具体的な施策については、内容が乏しいというのも事実です。
今年の成長戦略では、ローカル・アベノミクスの具体策として、中小企業の稼ぐ力の徹底強化、サービス産業の活性化・生産性の向上、農林水産業、医療・介護、観光産業の基幹産業化などが掲げられる予定です。これらのテーマはかなり以前から議論されているもので、特に目新しい点はありません。
中小企業の稼ぐ力を強化するためには「成長戦略の見える化」が必要と指摘していますが、見える化を行ったことで具体的にどう稼ぐ力が高まるのかはよく分かりません。またITなどを使って生産性を向上させるという政策自体は、非常に意味のあることですが、そもそも需要がない中で生産性だけを上げても、全体の売上げが増えない可能性もあります。一方、安易な需要創造策として財政にばかり頼ってしまうと、今度はいわゆるバラマキ政策にもなりかねません。
本来であれば、人材の再配置などを通じて産業構造を転換させ、生産性の向上と新サービスの開発による需要創造が同時に進行するのが理想的ですが、現実はなかなか難しいようです。
またローカル・アベノミクスは一方的に支援を受けることからの脱却もうたっています。新成長戦略では「他力本願や成り行き任せの姿勢を採らず頑張る地域に対して(中略)支援を行うことで、地方の自立を強力に後押ししていくこととする」との記述が盛り込まれました。自ら努力し成果を上げた地域のみを重点的に支援するということになりますから、今後は、地方の選別化が進んでくるかもしれません。
(The Capital Tribune Japan)
最終更新:6月27日(土)6時0分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150626-00000008-wordleaf-bus_all
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。