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ギリシャのドラクマ復帰、トラウマになるのは確実
By STEPHEN FIDLER
原文(英語)
2015 年 6 月 26 日 15:01 JST
緊縮策に抗議してデモ行進する年金生活者(アテネ) marko djurica/Reuters
ギリシャのチプラス首相にとって、ユーロ圏からの離脱は最善策ではないかもしれないが、支援交渉の期限が目前に迫る中、首相は自国を離脱の危険にさらしている。首相が率いる急進左派連合(SYRIZA)内の離脱支持派からすれば、これほど良い結末はないかもしれない。ユーロ圏内の支配勢力による束縛から一気に解放されるのだから。
ギリシャ危機特集
離脱支持派は、そうした望みについて慎重になるべきだ。ギリシャ経済は危機が始まってから既に25%も縮小しているが、ユーロ圏から離脱すれば情勢が改善する前に悪化するのはほぼ間違いなく、はるかに厳しい状況に陥ることもあり得る。
近年では、対外債務でデフォルト(債務不履行)すると同時に通貨同盟から離脱した先例はあまりない。最も近い例の大半は、過去20年間にアジアと中南米で起きた債務危機に伴う通貨切り下げに関連したものだ。
こうした事例が示唆しているのは、ギリシャが旧通貨ドラクマを再び採用すれば、その価値は暴落するということだ。アルゼンチンはかつて1ドル=1アルゼンチンペソのペッグ制を導入していたが、2001年にこれを廃止すると、アルゼンチンペソは1ドル=4ペソまで急落した(その後は持ち直している)。メキシコもドルとのペッグ制を採用していたが、1994年に通貨切り下げを余儀なくされ、その後の1年でメキシコペソは1ドル=3.4ペソ程度から8ペソ程度まで急落した。
大幅な通貨切り下げについて研究しているカリフォルニア大学のアリエル・バースタイン准教授(経済学)は、ドラクマがどこまで下げるかを予想するすべはないと話す。「変動相場制が採用された場合、ドラクマがどの水準で下げ止まるかなど誰に分かるというのか」とし、こうした展開では、為替相場はいったん経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)から示唆される水準以上にオーバーシュートし、その後に落ち着くということがよくある」と述べた。
従来、通貨の切り下げは短期的な景気刺激策とみなされている。切り下げを実施した国では輸入品が割高になるため、国内製品の売り上げが伸び、経済活動は活性化する。同時に、輸出品が海外市場で割安となり、輸出量が増加し始める。ただ、輸出業者が新たな顧客を見つけるまでに時間がかかるため、即効性はない。英国とイタリアは、1992年に欧州通貨制度(EMS)から脱退し、その後に大幅な通貨切り下げを行ったことで、景気刺激効果を享受することができた。
実際には、ギリシャが再びドラクマを採用した場合、はるかに大きな心理的ショックをもたらし、短期的な刺激効果があったとしても経済の混乱によって台無しとなる公算が大きい。ギリシャでは、ドラクマの価値がユーロとかけ離れるミスマッチが重い負担となり、多くの銀行が破綻しそうだ。銀行は負債の大部分がユーロ建て(特に欧州中央銀行=ECB向け)となる一方、資産の大半は切り下げ後のドラクマ建てとなるだろう。
銀行がギリシャ企業に対しユーロ建てローン契約を実行できたとしても、収益がユーロ建てではなくドラクマ建てとなる国内の借り手に、こうしたミスマッチを転嫁することになる。いずれにせよ、銀行は窮地に陥るだろう。2008年にアイスランドで起きたような通貨切り下げに伴う銀行危機は、経済成長にとって常に有害だ。
通貨切り下げ後には通常、経常収支と財政収支という二つの重要指標に変化が現れる。ギリシャの経常収支(現在はほぼ均衡している)は、主に輸入が急減することで黒字になるだろう。バースタイン准教授によると、大規模な切り下げ後には、輸入が50%、60%、70%落ち込む場合がある。
さらに、ギリシャの財政状態は急速に改善するだろう。通貨切り下げでインフレは加速し、税収も押し上げられる。一方、公的支出(例えば、給与や年金)は通常、相対的に反応が鈍い。
通貨切り下げには、SYRIZA内の支持派があまり大きな声では話したくない別の影響が生じることもある。それは、所得配分への影響だ。輸入物価の上昇により、インフレは加速する。だが、通貨切り下げ後の経済では、サービス価格より財価格の方が上昇するのが一般的だ。
バースタイン准教授によれば、低所得者の場合、所得に占める支出の内訳はサービス向けより財向けの割合が高いことが多い。そのため、生活改善による恩恵よりもインフレ上昇による打撃を受けやすい。中・高所得者の場合は、保有資産をもっとしっかり守れるようになる。
そのため、通貨切り下げ支持派の期待は、長期的な観点でとらえる必要がある。通貨切り下げ後のトラウマ的な数年間を経て、メキシコとアルゼンチンはいずれも成長が上向き始め、しかもアルゼンチンは急ピッチでの回復が実現した。
バースタイン准教授は、通貨切り下げ後の経済成長が長期的には加速するのは確かだが、切り下げ直後の経済の落ち込み分を取り戻そうという動きが関係している面もあると語る。さらに、海外債権者への移転が減る債務不履行など、他の要因も経済の押し上げにつながることが多い。
2001年以降、アルゼンチンは大豆ブームに支えられた。メキシコの90年代後半の経済成長は、新設された北米自由貿易協定(NAFTA)が追い風となった。バースタイン准教授は、総じて「こうした切り下げ後の経済成長をもたらす要因が通貨切り下げにあるのか、それとも別の何かにあるのかを、はっきり特定するのは非常に難しい」と話している。
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ギリシャから銀行が消えたら
By ALEN MATTICH
原文(英語)
2015 年 6 月 26 日 15:09 JST
ギリシャの銀行部門は、ある時点で(現在、その時点に近づきつつあるのだが)同国経済に対する影響を与えなくなる可能性が高い。
ギリシャではこのところ、資本規制が導入されるとの懸念で、国内銀行からは預金が流出している。4月末現在、国内の家計が国内銀行に預けている預金残高は前年同月比15%減少し、それ以降、流出のペースは加速している。
一方、同国内では銀行による融資量も縮小している。昨年末には、非金融企業向け融資の減少に歯止めがかかる兆しが見られた。しかし、2月までには、前月比ベースでの減少が再び始まった。また、家計向けの総融資額も減り続けている。4月の総融資残高は前年同月比3.3%減少となり、2010年9月に記録した過去最高残高からは18%減となった。
ギリシャ危機特集
ギリシャの銀行については、最大手5行の企業価値は過去1年間だけで3分の2近く減少するなど、株価が急落しているため、投資家に対する資産効果を通じた経済への影響もほとんど見られなくなってしまった。さらに、ギリシャでは銀行の資金調達のうち、ギリシャ銀行(中央銀行)を介した欧州中央銀行(ECB)の緊急流動性支援(ELA)による部分がかつてないほど大きくなっているため、銀行部門が破綻した場合、ギリシャ政府よりはむしろ、ECBに対して大きくなるだろう。
もちろん、現代経済の機能に銀行は不可欠だ。ギリシャの銀行が消滅すれば、同国経済は一段と悪化するだろう。さらに、政府がデフォルト(債務不履行)した場合、こうした市中銀行の機能は麻痺するだろう。
万が一、ギリシャの銀行が倒産した場合、その資産、つまり住宅や他の事業へのローンが消えてしまうわけではなく、外国の銀行がこれを引き継ぐ可能性がある。かなり価値は割引されるが、それを担保に新たな所有者がギリシャにさらなる融資を行う可能性はある。
人や資本の移動や貿易でほとんど制約のない単一通貨圏において、銀行が特定の国に本拠地を持つ必要はあるのだろうか。
気鋭の米国人エコノミスト、ジョン・コクラン氏は、最近のブログでこの問題について次のように問いかけた。もしギリシャ国民がユーロ圏内の他国に本拠を置く銀行のギリシャ支店に預金をし、そこから融資を受ければ、ギリシャ政府がデフォルトに陥り、ギリシャの民間銀行が破たんしても、国民は銀行サービスにアクセスできる。そして、その後はギリシャ経済が回復し始める可能性があるだろう。
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ギリシャ問題、世界市場への影響は
By RICHARD BARLEY
原文(英語)
2015 年 6 月 26 日 12:54 JST
ギリシャ交渉の期限は迫っているが、市場は好材料に反応しやすくなっている(写真はギリシャのチプラス首相) Reuters
ギリシャと国際債権団は、引き続き支援策について合意を模索している。しかし、市場は、もう待っていられないとのサインを送り始めている。結局、市場にとってギリシャがすべてではないからだ。
ギリシャ危機特集
22日には関係者が、合意は可能という楽観論を抱いていたが、その後、交渉につきものの厄介な細部をめぐる協議が続いている。その一方、現行のギリシャ支援プログラム(期限は30日)を延長し、資金を確保するための時間はなくなりつつある。
そして25日には、ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁で欧州中央銀行(ECB)理事のバイトマン氏が、ギリシャの銀行に緊急流動性支援(ELA)を継続することに対する疑問を表明した。ELAを停止すれば、ギリシャ問題は急激に悪化し、後戻りできない状況になることも考えられる。
しかし、市場はまだ好材料に大きく反応している。交渉解決を示唆する材料でリスク資産の価格が上昇している一方、合意への障害が増えたとの報道に対する反応は相対的に鈍い。19日と比較すると、欧州主要企業600社で構成するStoxx600指数は依然高い。10年物ドイツ国債の利回りも高く、イタリア、スペイン、ポルトガルの各国国債利回りは低下している。そして、投資非適格(ジャンク)社債への保険コストを示すiTraxxクロスオーバー指数は8%も低下している。
言うまでもなく、この状況が意味しているのは、ギリシャ支援交渉が不調に終わるという悪い結果に対し市場が備えていた保険が、部分的に機能しなくなっているということである。投資家がこの問題について、きれいな結末を望みすぎたせいかもしれない。
しかし、ギリシャ問題をめぐる報道が次から次へと続く中、世界の状況は改善している。この冬に見られた米国経済の一時的軟化は、すでに終わったようだ。ユーロ圏経済は全体として、ギリシャ問題に対し持ちこたえているように見える。賃金は、米国や英国だけでなく、ユーロ圏でも上昇の兆候が表れている。
その一方、バークレイズの調査(10-17日に投資家899人対象に実施)で、ギリシャのユーロ圏離脱が世界金融市場の大きな障害になるとの回答は20%に満たなかった。またもや市場が慢心しているという可能性はあるが、ギリシャ国内の混乱が世界各地へ広がる金融面での経路が見えづらいのも確かだ。主要なリスクは政治的なものだ。合意を形成させる力は、経済より政治だからである。
こうしたことを踏まえると、ギリシャ関連の弱材料は売りでなく買いの好機に見えてくる。政治が失敗すれば、ネガティブな反応が見られるだろう。だが、それは一時的なものに終わる可能性があるのだ。
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欧州銀行システム、体制強化には単一規則が必要
By PAUL J. DAVIES
原文(英語)
2015 年 6 月 26 日 15:04 JST
欧州銀行のコア資本に占める繰延税金資産の割合
ギリシャと英国がそれぞれに欧州連合(EU)との緊張関係を高める一方で、欧州委員会は両国に対しいっそう強い結束を働きかけている。そうした中、欧州の銀行監督に伴う日常の実際的な問題が板挟み状態にある。
ギリシャ危機特集
英首相、EU離脱めぐる改革で正式始動
欧州中央銀行(ECB)の銀行監督当局「単一監督メカニズム(SSM)」で議長を務めるダニエル・ヌイ氏は25日、欧州議会で証言し、ユーロ圏の銀行監督体制は依然として単一システムからほど遠いことを思い起こさせた。
ユーロ圏では監督上の選択肢や国レベルの裁量項目が150以上存在しているため、各国当局は事実上、本来共通のはずの自己資本規制を自国の状況に応じて変更することができる。欧州はこうした問題をより早急に是正する必要がある。なぜなら、欧州の人たちが自分の預金の預け入れ先について、ルクセンブルクかラトビアかなどと国の違いを気にしなくならない限り、金融安定化は実現しないからだ。
ユーロ圏に属する19カ国は金融の発達段階や強さのレベルが異なり、域内共通の単一ルールブックを定めようとしても至難の業だ。それが、国ごとの特例措置が生まれる土壌となった。金融については、他の産業や消費者にとって不可欠な支えとして国益が関係するため、国レベルの規則の中には変更が極めて困難なものもある。
特に廃止が難しいものの1つが「デンマーク妥協案(コンプロマイズ)」だ。これに準じると、金融コングロマリットは保険事業の持ち株を自己資本に組み入れることができる。本来なら、これはリスク資産として銀行の資本から差し引くべきものだ。
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欧州中央銀行(ECB)の銀行監督当局「単一監督メカニズム(SSM)」で議長を務めるダニエル・ヌイ氏 Associated Press
皮肉なことに、この特例によって特に大きな恩恵を受けているのは、ヌイ氏が前職で監督していたフランスの銀行だ。もっとも、ヌイ氏がこれを支持したことは一度もない。この特例は2019年までに徐々に撤廃される予定だが、もっと早くになくすべきだ。
さらに厄介なのは、繰延税金資産の自己資本への算入が認められていることだ。繰延税金資産では、銀行が過去に損失を計上した場合に支払った税金の一部を将来の赤字経営期間に取り戻すことができる。つまり、この無形資産の取り崩しによって、将来に支払う税額を減らせるのだ。だがこれは、銀行が経営難に陥った場合に損失を吸収できるわけではないため、資本から除外すべきだ。
しかもなお悪いことに、これは事実上、銀行に政府の資本が入っていることと同じであり、政府と銀行との危険な結びつきを永続させかねない。繰延税金資産を自己資本に転化する扱いはスペイン、ドイツ、フランスの銀行が行っているが、ギリシャとポルトガルの銀行は特に繰入額が大きい。
こうした国ごとの法制をなくせば、一部の銀行への悪影響が予想されるほか、当局として受け入れがたいと考える国もあるだろう。ヌイ氏はSSMの次回理事会で特例の廃止を提案するもようだ。変更が実現するためには、理事会で3分の2以上の賛成票を得る必要がある。
特例撤廃に反対の人たちはギリシャに目を向ければ、なぜ一つのルールブックが重要かを思い出すはずだ。最終的に各国の銀行を政府から切り離し、国レベルでシステミックな銀行破綻が起きないようにする上で、域内共通のルールブックは単一の破綻処理メカニズムや預金保険制度と並ぶ重要な要素となる。
加盟国の規制当局がこうした変更を支持しない場合、ヌイ氏は欧州議会に対して代わりに是正を進めるよう要請し、各国当局のメンツをつぶすだろう。そうなれば、欧州の金融システムは骨組みが揺らぐ中で一元化が遅れ、今後も不安定化しやすい状態が続く可能性がある。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0CB4QFjAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12312272706560494799604581071121784080548&ei=ggCOVfuzG4PamAXG8begBg&usg=AFQjCNHhZnP0TWZxLmiLaOdXaI1XMASE-Q&sig2=JiHpRZXAfeY3Cs0MvMxmWg&bvm=bv.96783405,d.dGY
ギリシャ合意の可能性「50%強」、プランBも視野
2015年 06月 27日 07:57 JST
[ブリュッセル/アテネ 26日 ロイター] - ギリシャのデフォルト(債務不履行)回避へ向けた最後の折衝を翌日に迎えた26日、ブリュッセルでは同国と債権団が水面下でぎりぎりの交渉を続けた。
27日のユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は、1200GMT(日本時間午後9時)から開催される。
債権団は、チプラス政権が聖域とする年金や税制改革に合意し、実施すれば凍結中の数十億ユーロの融資実施を約束するとともに、2012年に言及していた金利減免や返済期限の延長などの債務軽減策を検討するとの確約を再表明することも提案したもようだ。
だがギリシャ政府の当局者は、既存の支援策を5カ月間延長する債権団の案は「全く不十分」として拒否した。
ブリュッセルから帰国したチプラス首相は、対応を協議するため緊急の閣議を招集した。
<「過度には楽観せず」>
メルケル独首相とオランド仏大統領はこの日、欧州連合(EU)首脳会議の合間にチプラス首相と45分間ほど会談。痛みを伴う改革案を受け入れる見返りに、11月までギリシャの必要資金を手当てする債権団の「寛容な」提案を受け入れるよう説得に当たった。
チプラス首相はEU首脳会議後、記者団に対し「EU創設の原則は民主主義、結束、平等、相互理解だ。脅しや最後通告には基づいていない」とし、債権団との対決姿勢を鮮明にした。
一方、メルケル首相は「われわれはギリシャに歩み寄った」とし、「今度はギリシャが同様に歩み寄る番だ」と述べた。
ユンケル欧州委員長は、ギリシャに対し最後通告は行なっていないとし、「(合意を)かなり楽観しているが、過度には楽観していない」と語った。
債権団は前日、ギリシャに融資実施の条件を示した。ギリシャ議会が改革案を承認すれば、11月末まで4回にわけて総額155億ユーロをギリシャに供給するという内容で、これには30日までに18億ユーロの支援を実施することも含まれている。
融資総額はギリシャが向こう半年に手当てが必要な返済額をわずかに上回る程度で、新たな資金は含まれていない。さらなる支援には第3次支援プログラムが必要となり、現時点ではギリシャ、ドイツにとっては政治的に不可能な状況だ。
<プランB>
あるユーロ圏当局者によると、ギリシャは27日のユーロ圏財務相会合で、債権団の修正案を受け入れるかどうか答えを求められる見通し。
その当局者は、ギリシャが拒否した場合、財務相は「プランB」を協議することになると指摘。ギリシャのデフォルトによる銀行や市場への影響を最小限にするための方策が話し合われると述べた。
交渉に関わっているEU高官2人は、合意の可能性は「50%強」と話した。
<ユーロ圏内でも意見分かれる>
ユーロ圏財務相の中でも、ギリシャのデフォルトがユーロ圏離脱につながるかどうかをめぐり、意見が分かれている。仮にギリシャが離脱となれば、ユーロ加盟は撤回不可能との原則が損なわれる。
一方、ロイターが入手した債権団作成の極秘文書によると、国際通貨基金(IMF)が想定した最悪のシナリオ下においても、金利減免や返済期限延長などの軽減措置を講じれば、ギリシャの債務はヘアカット(債務の元本削減)を行なわなくとも、持続可能な水準にとどまると見込まれていることが分かった。
ヘアカットの必要性がないと想定されていることは、ドイツ議員に支援実施を承認するよう説得する重要な材料となる。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P62O920150626
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