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焦点:物価動向は民間想定から上振れ、円安・人件費上昇で値上げ 米消費者信頼感大幅上昇 米利上げ前に「リスクオフの円高」か
http://www.asyura2.com/15/hasan98/msg/240.html
投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 27 日 09:59:58: tW6yLih8JvEfw
 

6月米ミシガン大消費者信頼感確報値、前月から大幅上昇
2015年 06月 27日 00:38 JST
[26日 ロイター] - ロイター/ミシガン大学が26日発表した6月の米消費者信頼感指数(確報値)は96.1と、5月の90.7から大幅に上昇した。速報値の94.6から上方修正された。1月以来の高水準で、市場予想の94.6も上回った。

景気現況指数は108.9で、5月の100.8から上昇した。速報値は106.8、市場予想は106.7だった。消費者期待指数は87.8で5月の84.2から上昇した。速報値は86.8、市場予想は86.9だった。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P621E20150626

 

焦点:物価動向は民間想定から上振れ、円安・人件費上昇で値上げ
2015年 06月 26日 18:46 JST
[東京 26日 ロイター] - 直近の物価動向は、当初のエコノミストの想定よりも上振れている。エネルギー価格の低下と円安が交錯し、短期的な物価押し下げ効果が弱まっているだけでなく、円安と人件費上昇のダブル効果で値上げの動きが当初の想定以上に広がっているためだ。

今後、円高に振れなければ、物価見通しは今後も上振れ余地がありそうだ。

<エネルギー下落の恩恵さほど表れず>

「日本の家計は、原油安メリットを十分受けていない」と、ニッセイ基礎研究所は分析する。5月の消費者物価(除く生鮮、コアCPI)がプラス圏で持ちこたえたのは、裏返せば、原油安で電気料金やガソリン価格が安くなっても、モノやサービス価格の値上げの勢いが大きいことを物語っているからだ。

総務省が26日発表した5月のコアCPIは、前年比0.1%の上昇と、事前の市場予想のゼロ%を小幅だが上回った。

生鮮食品とエネルギーを除いたベースのコアコアCPI(内閣府発表)で、モノやサービスの実力ベースの価格を見ると、このところ3カ月連続で前月比上昇を続け、前年比では0.8%へと上昇幅が拡大している。

背景の1つとして、エネルギー価格が思ったほど下がらなかった点を挙げることができる。

バークレイズ証券は「電気代の下げ幅が予想していたほどではなく、東京都区部のガソリン価格が想定より上振れた」と指摘する。

さらに、経営悪化を理由に一部の電力会社が電気料金を引き上げたり、再生可能エネルギー促進賦課金を上乗せすることも影響した。

他方、企業の価格設定行動はここにきて明確に変化しつつある。コスト上昇は内部で吸収する時代は終わり、価格転嫁への動きが広がっている。

ロイター4月調査では、今年値上げを予定している企業が38%を占め、うち7割が原材料コストの転嫁、3割が人件費の上昇を理由としている。

景気ウオッチャー5月調査では「多少価格が高くても、商品価値あるメニューが売れるようになってきている」(外食店)といった動きが出ている。

人手不足が価格転嫁の要因の1つであると同時に、価格転嫁を受け入れやすくする賃金上昇要因にもなっている。

26日に発表された経済データでは、完全失業率が18年ぶり、有効求人倍率が23年ぶりの水準に改善。労働需給の動向が賃金や物価に反映されやすい外食は、4、5月に同1.3%上昇。前月比でみても上昇基調が続いている。

外食産業や宿泊産業が多数採用するパートやアルバイトなどの非正規雇用は、若年雇用そのものの減少もあって需給が極めてタイトであり、顕著に賃金が上昇している。

第一生命経済研究所・主席エコノミストの新家義貴氏は「今後も輸入価格上昇を理由にした値上げが予定されていることもあり、食料品については、当面強含みで推移する可能性が高そうだ」とみている。

<エコノミストの想定以上に物価底堅く>

こうした物価の底堅さから、多くのエコノミストは年内の物価見通しを上振れさせようとしている。

エコノミストの中では、今年5月ごろからコアCPIがマイナスに落ち込むとの予想が多かったが、実際には底堅い展開となっている。

このためコアCPIのマイナス転嫁の時期を7月に後ずれさせる予想が増え、マイナス期間は9月ごろまでのごく短期間となり、水準もマイナス0.2─0.3%程度が底になるとの見通しが増えている。

新家氏は、CPIの動向について「想定通りないし、やや上振れの見通し」とし、「125円まで円安が進行したことに伴う価格転嫁も、まだ出てくるかもしれない」と予想する。

ニッセイ基礎研究所・経済調査室長の斉藤太郎氏は「かつてに比べて企業の値上げに対する抵抗感は小さくなっている」と価格設定行動の変化を指摘。「コアCPI上昇率は年末までに再びプラスとなり、2016年度入り後には1%台まで伸びを高める」と予測した。

ただ、疑問の声もある。家計の所得の伸びが総体として小幅にとどまり、物価の伸びがそれを上回れば、昨年のように消費が弱まりかねないためだ。

総務省が26日に公表した5月家計調査によると、1世帯当たりの実収入は実質で同1.5%増となったものの、世帯主の収入は同0.7%減と15カ月連続で減少している。

足元の個人消費が改善傾向にあるものの、まだ明確な力強さは確認できていない。春闘での賃上げや夏のボーナスが6月ごろから本格的に給与の支給額を押し上げると見られているが、どこまで賃金全体の水準が上昇するのか不透明だ。

実質賃金と消費の「モヤモヤ」した関係が、はっきりしてくるのはこれからだ。

(伊藤純夫 中川泉 編集:田巻一彦)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P611020150626

コラム:米利上げ前に「リスクオフの円高」到来か=亀岡裕次氏
2015年 06月 26日 18:28 JST
亀岡裕次 大和証券 チーフ為替アナリスト

[東京 26日] - ドル実効為替レートが3月にピークアウトして以降は、一方的なドル安にはなっていないものの、ドル高が抑制された状態が続いている。ドル高が進まなくなった理由としては、以下の点が考えられる。

1)ドル高の影響もあって米国経済の回復ペースが高まりにくくなったこと、2)米金利上昇とドル高が進むと米国や新興国の株価が下落しやすくなったこと、3)米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーがフェデラルファンド(FF)金利見通しを下方修正した影響もあって市場の米利上げ期待が後退したこと、である。

3月にドル高が一服すると、欧州金利上昇・ユーロ高の影響を受けて下落した欧州株を除くと、世界的に株高が進んだ。そして、ドル高が一服して間もなく円安が進み始め、ドル円の上昇をリードするようになった。急速な米金利上昇とドル高は米国や新興国の経済にとってマイナスに働くが、ドル高が一服したことにより世界経済への懸念が薄れ、市場はリスクオンに傾き、円安圧力が働き始めたものと考えられる。

4月から6月にかけて米10年国債金利などが上昇したのは、米雇用統計など一部の経済指標改善による部分よりも、ドイツなど欧州金利の急反発の影響を受けた部分が大きいとみられる。欧州と比べると米国の金利は相対的に低下しており、ドル安に作用している。

ドル高が一服したとはいえ、大きくドル安が進んだわけではないので、2014年後半のように世界における相対的な米国経済の強さが目立つ状況にはなりにくく、米経済指標の強さを受けたドル高は進みにくいだろう。

<リスクオンの条件は米金利上昇・ドル高抑制>

米国では、債券高・株高から債券安・株安へと変化する兆しがある。日米欧の量的緩和を背景に流動性相場が続いた結果、長期金利との裁定関係で株価が割高になっているからとみられる。

長期金利から、予想1株利益(EPS)/株価で算出される株式益回りを差し引いた水準がすでにかなり高いので、長期金利が上昇すると株式益回りは上昇(=株価収益率は低下)しやすく、予想EPSが増加しなければ株安に傾きやすい状況にある。長期金利が上昇しなければ、株式益回りは上昇せず、予想EPSに連動するように株価が上昇しやすくなる。

ただし、すでに予想EPSの上昇は鈍化しており、ドル高が進むと予想EPSは低下しやすい。つまり、米金利上昇とドル高が抑制されることが、株価上昇の条件かつリスクオンの円安の条件でもある。

<FRBはハト派的姿勢で利上げ期待を抑制か>

米インフレ率は2014年7月から15年3月のドル高・商品安の影響により低下している。ドル高・商品安がさらに進まなければ、今年後半は前年同期のドル高・商品安に対応して総合インフレ率は上向きやすいが、年末近くまではコアインフレ率を上回るのは容易でない。

米国景気が急回復する可能性は低いので、期待インフレ率がコアインフレ率よりも高い2%前後の水準へと急速に高まる可能性も低い。雇用改善につれて賃金上昇率や期待インフレ率が高まるまでは、米連邦準備理事会(FRB)は米金利上昇とドル高が進まないように市場の利上げ期待を抑えるだろう。

現状でFF金利先物が織り込む今年12月平均のFF金利は0.310%であるのに対し、FOMCメンバーが予想する年末時点のFF金利の平均は0.566%である。3月と6月のFOMCでは、メンバーのFF金利見通しが市場のFF金利見通しに鞘(さや)寄せするように明確に下方修正されてきた。

FRBはハト派的姿勢をとって市場の利上げ期待を抑えながら、現状の市場見通しに近い12月に年内1回の利上げを行うことになるのではないか。

<米利上げ前にリスクオフの円高、利上げ後に円安か>

今後数年間の期待インフレ率が2%近辺に高まると、米国の実質金利および名目金利は上昇しやすくなるだろう。利上げが近づいた局面(おそらく2015年10―12月)では、米長期金利上昇が進む可能性が高く、それがドル高に作用する一方で、リスクオフの株安と円高に転じやすくなるだろう。

ただし、利上げ前に上昇した長期金利が、利上げ後には反落するか安定化し、リスクオフ圧力が後退する可能性がある。米国景気の減速懸念が台頭しない限り、リスクオフの円高は持続しにくいとみられる。

今年に入り、ドルに対する円とその他通貨の先物ポジションが逆方向に動く「リスクオン・オフ主導」の相場に変わりつつある。円とその他通貨のポジションが同方向に動く場合は、「米金利およびドル主導」の相場展開と言えるが、そうしたケースが減っているのだ。

米金利変化が直接的に為替相場を左右するケースが減り、米金利変化が招くリスク許容度変化が為替相場を左右するケースが増えていることを念頭に置くべきだ。

今後も、米金利変化が為替に与える影響以上に、リスク許容度変化が為替に与える影響を重視すべきではないだろうか。2015年7―9月は、FRBのハト派的姿勢で米金利上昇が抑制されてリスクオンとなり、通貨の強さは「その他通貨>ドル>円」の順になると予想している。

だが、10―12月は、インフレ期待の高まりによる米金利上昇を受けてリスクオフに転じ、通貨の強さは「円>ドル>その他通貨」の順へと逆転する可能性が高いとみている。そして、2016年1―3月は、米金利上昇一服でリスクオフ圧力が後退し、再び円安へ戻ることになるだろう。

*亀岡裕次氏は、大和証券の金融市場調査部部長・チーフ為替アナリスト。東京工業大学大学院修士課程修了後、大和証券に入社し、大和総研や大和証券キャピタル・マーケッツを経て、2012年4月より現職。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0P60NI20150626

 

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