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郵便局員がお年寄りの家を訪ねるみまもりサービス=山梨県都留市
日本郵政、株式上場より難しい高齢者支援ビジネスの「損得」 親方日の丸体質で利益を出せるのか…
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150626-00000503-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/6/26 10:19
株式上場を今秋に控えた日本郵政が、高齢者支援サービスに本腰を入れ始めた。米IBMとアップルの提案を受け入れて、10月からタブレット端末による高齢者向けサービスの実証実験を始めるほか、2年間一部で提供していた「みまもりサービス」を7月から本格サービスに切り替え、全国展開を目指す。確かに増え続ける高齢者を対象にしたサービスの将来性は高いが、収益事業として軌道に乗せるのは、今秋の株式上場より難しそうだ。
■高成長が期待される高齢者支援サービス
ヤマト運輸も4月末に秋田県湯沢市と「高齢者見守り支援」と「高齢者世帯向けリコール製品回収の取り組み」で連携協定を結んだ。無線通信機内蔵の魔法瓶の使用状況を遠隔地の家族がモニターできる象印マホービンのサービスや、通信事業者の見守りサービスなど、高齢者支援事業に参入する企業は多い。日本の65歳以上の高齢者数は約3300万人(2014年9月)に上り、いまや「世界一の高齢者先進国」(西室泰三・日本郵政社長)の日本では、高齢者関連事業が最大の成長市場と期待されている。
日本郵政グループの日本郵便は、山梨県や長崎県対馬など6地域で実施してきた「みまもりサービス」をまず両県全域に拡大するとともに、スーパー大手のイオンと協力して買い物支援サービスを提供する。サービス地域は早期に1万局、さらに他の事業者とも協力して全国展開を目指す考えだ。西室泰三社長は5月29日の記者会見で「全国拡大に向けてイオングループとサービス提供を検討していくが、イオン以外の地域商店とも協力を広げる。企業と協力して介護事業も検討していく」と述べた。企業との提携の輪を広げながら全国2万4000局の郵便局ネットワークを高齢者支援事業に役立てる腹づもりだ。しかし、事業の収益拡大のビジョンは見えてこない。というより、描き切れていないのが実情だ。
■試行サービスの利用者はわずか100人強
試行サービスの利用者は100人強。「1年で600人」の目標を大きく下回った。最大の理由はサービスの質といえる。高齢者宅を月1回訪問して無事を確認するだけで月額1080円。日本郵便幹部も「月1回で足りるのか、訪問するだけで体の状態などが分かるのか、といった声はある。サービスレベルを上げなければならない」とサービスの不備を認めている。当然、採算は赤字が続いている。試行サービスとはいえ、このまま提供地域を広げても収益事業化はできそうもない。買い物支援サービスはその一つだが、そのほかにも訪問回数を選択できるようにしたり、実証実験で利用するタブレット端末を使った情報提供・コミュニケーションサービスなどを模索している。
日本郵便は「高齢者に直接知らせても『私は必要ない』という人が多い。都市部に住む子供世帯への売り込みを強化したい」(営業部)と営業の照準を、離れた街に住んで親を新心配する子供世帯に変える考えだ。しかし、それだけで売れるかどうかは疑問だ。確かに、「地域における郵便局の信用・信頼性は大きい」(西室氏)。郵便局窓口で昨年4月に売り出した新・学資保険は保険料を民間生命保険並みに下げたことが奏功して前年度の1.8倍に急伸した。日本郵政によると「郵便局の信頼性の高さが評価された」ことになる。明治維新以降、国営事業として築いてきた郵便局ネットワークに対する国民の信用は根強いが、一方で公務員的な“親方日の丸”的体質も染みついている。一部で改善がみられるとはいえ「話がどこをどう回っているのか、意思決定が遅くてやりにくい」(日本郵便との提携企業)のも顕著な例だ。
■厳しい高齢者の目
しかし、株式上場によって民間企業として一歩を踏み出す日本郵政グループは、市場からも信用が問われることになる。「郵便局の信用」だけで、高齢者支援サービスを新たな収益事業に育てるのは至難の業。
サービスの価格性能比を見極める高齢者の目は厳しい。イオンの格安スマートフォン事業拡大の立役者は大手通信事業者のスマホ利用料が高すぎるとそっぽを向いた高齢者だ。西室氏は「さまざまな企業との提携で全国展開の可能性を探る」としているが、高齢者のニーズを見極め新サービスを開発する発想なくしては他社任せ、高齢者任せのサービスになりかねない。(芳賀由明)
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