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雑感。今の日本は誰得なのか。
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715941.html
2015年06月25日 在野のアナリスト
昨日のITバブル越えで、閣僚からは「今回はバブルでない」との言葉が聞かれます。しかし最近、よく耳にするのは「株高くして国富まず」、「国破れて(株の)山があり」などという言葉です。日本人が高くて買わないものを、中国人が「安い、安い」と言って爆買いしていく状況は、どれほど日本が貧しくなったのか? そうして国力を落とすのと反比例して、最早外国企業といっても過言でないほど、海外での売上高が大きい企業の業績が上がります。つまりこれが上記のように、株高と国内の景気が必ずしもシンクロしない事態を言い表す言葉となるのです。
貿易統計をみても、円安効果で輸出の金額は増えますが、数量では目減りが続きます。トリクルダウンも起きた気配がない。しかし安倍ノミクスが当初予想したのと、違った形の事象が日本でおきている。それがインバウンド消費で、ホテルや観光地が外国人旅行客目当てで、設備投資をすすめています。しかしこれも、円安がつづかなければ過剰投資になりかねない。安定した国内旅行者の需要ではなく、一過性の需要に頼る。円安に頼った企業業績も同様です。この円安で、外国人労働者がより高い収益を求めて海外へと逃げ、国内での生産体制すら覚束なくなってきた。雇用が逼迫、というのもこうした事情からであり、それを日本人が担うと賃金でギャップが生じる。円安に頼るバブル、一方で円安により疲弊する国内経済、バブルは膨らんで弾けて終わりですが、この状況が行き着く先は『バベルの塔』なのかもしれません。
その象徴となりそうな一つが、新国立競技場です。先進的、前衛的というと、なぜか日本では流線型が持て囃され、新車のスケッチなど使い勝手の悪そうな曲面ばかりです。新国立競技場のアーチも同じ、何をやるにしても影を落とすので、球技では特に試合の阻害要因にしかならないでしょう。それでも見栄えを重視するのは、愚策でしかありませんし、その建設費は大きく膨らみます。そこに見得と、エゴも乗ってきて、今や誰得? の状況となっています。
TPA法案の成立にむけた動きで、TPP交渉が加速と伝わります。これまで洩れ伝わるところでは、当初約束していたことは守れず、日本がかなり譲歩した内容であり、これで本当に国益が守れるか? そんな中、米国でテロ組織との身代金交渉に応じる、と方針転換しました。昨年、邦人誘拐事件では個人が交渉しようとすることさえ、安倍政権は邪魔をしたというのに、これで梯子を外された形です。米国基準に従っていても、米国が方針転換する際には、国内向けに説明も必要となりますが、今の安倍政権ではそれすら蔑ろにしがちです。なぜなら説明つかないからです。
安倍首相とプーチン露大統領が、電話会談しています。制裁に加わる日本に対し、露の200海里での漁業権を日本側に認めないなど、露骨に嫌がらせを拡大しており、露国も交渉カードを着実に積み上げています。もし会談が実現しても、恐らく北方領土問題など、ほとんど議題にもならないでしょう。それより露国は操業権などを材料に、日本に制裁解除を要求してくるでしょう。それでも安倍氏はプーチン氏と会いたい。なぜなら、それ以外でおトモダチと呼べる外国首脳がいない、外交成果がほとんどないからで、プーチン氏から手土産が欲しくてたまらないのです。
上記してきたように、今の日本は一体誰のために、政策を打っているのか分からない状況です。株価とて、外国人投資家の保有比率が高まった今、得をしているのが国内勢とは限りません。新国立競技場も、何のためにアーチをかけるのかよく分かりません。TPPも国内への恩恵はほとんどないでしょう。外交は今、そのタイミングかどうか、といった判断もつかないまま思いつきで行っている印象が強まっています。バベルの塔は、実は象徴的な意味であって、神への挑戦といった意味はほとんどありません。技術革新や繁栄を誇り、驕りたかぶる人間の傲慢さに、神が天罰を下す物語です。「彼らは一つの言葉を話し、一つの民だ。(塔の先が天に届くことも)成し遂げられないこともあるまい。それなら我々は下って言葉を乱してやろう。全地に散らしてやろう」という神の言葉、今の日本にも当てはまるのかもしれませんね。
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