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低金利、年金基金と生保会社に脅威＝OECD
By WILLIAM HOROBIN
原文（英語）
2015 年 6 月 25 日 08:15 JST
中央銀行の量的緩和策により金利は歴史的低水準にとどまっている Agence France-Presse/Getty Images
【パリ】経済協力開発機構（OECD）は24日、中央銀行の量的緩和に伴う低金利の長期化は年金基金と生命保険会社の支払い能力に脅威となり、世界金融システムに波紋を広げる可能性があると警告した。
OECDは金利が長期的に低水準にとどまる見込みで、一部の国ではマイナスになっていることに言及し、年金基金と生命保険会社はリターンと年金支払いを約束通り実行することが難しくなる可能性があると指摘。そうなれば、金融機関はリターンの向上を目指してよりリスクの高い投資を行い、流動性逼迫などのネガティブショックの影響を受けやすくなる恐れがあるとの見方を示した。
OECDはこの日初めて公表した年次の世界ビジネス・金融見通しで、「当面続くとみられる低金利環境は保険・年金制度に深刻な難題を突きつけている」と述べた。
生命保険会社と年金基金は多額の資金を運用し、世界各国で長期投資家として行動しているため、その安定性は広範な金融・経済安定の維持に極めて重要だとした。だが、中央銀行が緩和的な金融政策を続けているため、低金利の長期化による脅威が短近いうちに解消する可能性は低いと指摘した。
米連邦準備制度理事会（FRB）は年内に利上げを開始するとみられているが、主要政策金利は2008年12月からゼロ付近に据え置いている。FRBは09年に量的緩和と呼ばれる大規模な債券買い入れ措置に着手し、欧州中央銀行（ECB）も今年1月に債券価格の下落と利回り上昇をもたらす同様の措置を開始した。ECBは月額600億ユーロ（約8兆3300億円）の買い入れを16年9月まで続ける方針を示している。
OECDは多くの保険会社と年金基金は方針を調整することで低金利を影響を逃れることができるとしつつ、典型的に投資先の4割程度を占める債券の金利が低水準のため、一部の金融機関は未公開株（PE）やデリバティブなどの高リスク・高利回り資産への投資を増やす可能性があるとの見方を示した。
さらに、当局はこれらの機関がリスクテイクを強めると同時に引当金も積み増していることを警戒すべきだとした。
OECDのグリア事務総長は「これらの機関が『利回り追求』のために過度にリスクの高い投資戦略をとり、支払い能力や保証の履行能力を脅かすことのないように注意する必要がある」と述べた。
OECDは、年金基金が非従来型資産の投資に移行していることを裏付ける確固たる証拠は少ないが、英国をはじめとする一部の国でこうした資産への投資が右肩上がりで増えていることをデータが示していると指摘した。
低金利の長期化、潜在成長力を害する恐れ＝クノットECB理事
By WILLIAM HOROBIN
2015 年 6 月 24 日 23:39 JST
【パリ】欧州中央銀行（ECB）のクノット理事（オランダ中央銀行総裁）は24日、低金利の長期化は最終的に欧州経済を害する恐れがあると述べ、各国政府に成長促進に向け経済改革を断行するよう呼びかけた。
クノット理事は経済協力開発機構（OECD）の会合で「極めて長い低金利は最終的に潜在成長力を押し下げる恐れがある」と語った。
このリスクに対処するため、各国政府は労働法など経済改革を進める必要があると主張。それぞれに異なるユーロ圏経済を束ねる規則は、これまで収れんに向かうのではなくバラバラの方向に動いていたと指摘し、「ユーロ圏の成長見通しを懸念する理由は十分にある」と述べた。
一方、同じ会合ではイタリア中央銀行総裁のビスコECB理事も講演した。
ビスコ理事はクノット理事が挙げたようなリスクはまだ実体化していないとし、「これを無視してはいないが、今のところ低金利が不均衡を生んでいるという兆しはないと言える」と発言。「ECBが非従来型の措置をとっていなければ、リスクははるかに大きかっただろう」と続けた。
ECB、量的緩和完遂すべき＝クノット理事
By WILLIAM HOROBIN
2015 年 6 月 25 日 00:29 JST
【パリ】欧州中央銀行（ECB）のクノット理事（オランダ中央銀行総裁）は24日、ECBは量的緩和を計画通り完遂しなければならず、公約を破ってはならないと主張した。
クノット理事は、3月に月額600億ユーロ（約8兆3400億円）の債券買い入れを開始する以前にECB内で議論があったことは事実だと認めつつ、当初の議論を理由に今になって計画を変更すべきではないと語った。
クノット理事は当地で開かれた経済協力開発機構（OECD）のパネル討論で「われわれは量的緩和策を進行させているところで、市場に約束した通り完遂する必要がある」と述べた。
ECBの量的緩和策に対し、投資家は国債利回りが極端に低くなるまで買い進めるなど反応が過剰だったかもしれないと指摘。ドイツ10年債利回りはゼロ付近にまで低下したが、クノット理事は「少し常軌を逸していた」と表現した。
「（量的緩和開始から）最初の2カ月間は例外的だ。（最近は）やや正常化がみられている」と語った。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0CCEQFjAB&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11274551645240514331704581067893092706846&ei=huOLVdnyJIuY8QXdtanoAw&usg=AFQjCNGpoFtzLoG6KUdmZoXWPqrs79y5Vw&sig2=JBGgGbapvKpuT4K-BB1TSw&bvm=bv.96782255,d.dGc
独連銀総裁、ギリシャ銀への緊急流動性支援に懸念表明＝関係筋
2015年 06月 25日 18:44 JST
［フランクフルト ２５日 ロイター］ - 関係筋によると、ワイトマン独連銀総裁はユーロ圏の中央銀行総裁らとの今週の電話会議で、ギリシャの銀行に対する欧州中央銀行（ＥＣＢ）の緊急流動性支援（ＥＬＡ）の継続に関して深刻な懸念を表明した。
同総裁は、ＥＬＡ枠の拡大について日々電話協議を行っているＥＣＢ理事会のメンバーでもある。
総裁は２月にギリシャ銀がＥＬＡに依存し始めたときからＥＬＡの利用に警鐘を鳴らしてきたが、ギリシャのデフォルト（債務不履行）危機が迫るなか、ＥＬＡへの懸念をあらためて表明したことは支援抑制に向けた協調的な動きが強まっていることを示している。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P510720150625
EU難民対策に2つの障害−ハンガリーは受け入れ制限
By LAURENCE NORMAN AND MARGIT FEHER
原文（英語）
2015 年 6 月 25 日 11:28 JST
ハンガリーとセルビアの国境 csaba segesvari/Agence France-Presse/Getty Images
【ブリュッセル】難民問題への協調的な対応を模索している欧州連合（EU）は、2つの側面で後退を余儀なくされている。1つは、ハンガリーが他のEU加盟国から送還されてくる難民申請者を受け入れないと発表したこと、もう1つは域内全体で難民を公平に受け入れるという加盟国配分案に関する決定をEU指導者たちが先送りする構えのようにみえることだ。
北アフリカや中東の紛争地域から毎週、何千人もの難民がEU域内への入国を試みているなかで、イタリア、ギリシャ、ハンガリーといった国々は自国の難民吸収能力が限界に達していると述べている。この問題は25日にブリュッセルで始まるEU首脳会議（サミット）での議論を支配する可能性もある。
ハンガリーは23日深夜、EU域内の国境検査を必要としないシェンゲン協定加盟国である同国に正式に入国した後、他のEU加盟国に渡航した難民申請者が再びハンガリーに入国することを認めない方針を示した。オルバン首相率いる右寄りの政権は先週、セルビアとの国境に難民の入国を防ぐ防護柵を設ける方針を示していた。
EUの規則では、移民は最初に到着したEU加盟国で指紋の採取と登録を行う必要がある。その後、移民が速やかに他国に渡航した場合、その国の当局は最初に登録した国に移民を送還できる。難民申請の評価を完了させるためだ。ハンガリー当局によると、多くの移民がギリシャから同国にやって来るが、ギリシャでは登録をしていないという。
ハンガリー政府は、EU規則の順守を正式に中断するわけではないとしており、欧州委員会の関係者らは、ハンガリーの決定について今なお詳細な説明を求めていると述べた。
しかしハンガリーの当局者によると、ハンガリーはEU加盟14カ国政府に対し、同国に難民を送還しないよう通告した。ハンガリー政府は23日夜、「わが国は不法移民によってもたらされる状況の管理面でシェアを引き受けてきたが、それはわが国の受け入れ能力を超えている」と述べ、「当局は受け入れ能力の向上に努めているが、それには時間がかかる」と付け加えた。
ハンガリー政府によると、今年これまでに同国に入国した不法移民の数は計6万1698人と、近年から急増しており、そのほぼ全てがセルビア経由での入国だという。移民の多くはハンガリー入国後、オーストリアに渡航する。彼らは通常、EU加盟国のギリシャに入り、バルカン半島を通ってセルビアに移動している。
ハンガリーの動きには24日、厳しい批判の声が浴びせられた。ベルギーの難民・移民担当相は直ちに、欧州委員会を招集してハンガリーに対する法的措置に着手するよう要請した。またEU執行機関である欧州委員会のティメルマンス第1副委員長（オランダ）は欧州議会で、委員会にはハンガリーのような国を支援する「自由に使える手段」があると述べた。しかし同時に、「単なる受け入れ中止は、欧州の規則で容認されている手段ではない」と話した。
欧州の難民流入危機は深刻になっており、EU当局者はこれが何年も続く恐れがあると指摘しているが、既にEU加盟国政府間に大きな緊張をもたらしている。ここ数カ月に、リビアからEU域内に入ろうとしていた何千人もの難民が、地中海の危険な船旅の間に死亡している。
先週、イタリアとフランス両国政府は、イタリアが最近数カ月間、フランスへの渡航を容認した数千人の移民をめぐって衝突した。移民の多くはイタリアに送り返された。4月以降、フランスはイタリアから来る鉄道列車のパトロールを強化している。
英国政府は24日、フランスの港湾都市カレーで英当局が国境セキュリティー措置を強化したと述べた。カレーでのストライキ中、移民数十人が英国に向かうトラックに便乗しようとしていたためだ。
英政府は、国境管理係官や警察犬を増やし、旅行者や貨物車両のスクリーニングチェックを強化したと述べた。同政府は、その他の措置も検討している。例えばカレー港周辺のフェンス追加や、英仏海峡トンネルを通るユーロスター（乗客用列車）とル・シャトル（車両積載用列車）の入口の警備強化だ。
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