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株価が15年ぶりの高値
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715819.html
2015年06月23日 在野のアナリスト
日経平均株価が15年ぶりの高値を抜いてきました。きっかけはギリシャ協議への進展期待で、欧州系がカラ売りを買い戻す動きを活発化させ、全体も連れ高している印象です。そのギリシャが欧州委に提出した財政再建策は、年金の支給年齢の引き上げや、付加価値税の増税などを含む、とされますが、そうなると国内ではチプラス政権がもたなくなる可能性が高まります。下手をすれば支援を取りつけた後、総選挙に打ってでて、その後にできる政権でちゃぶ台返し、といった事態にもなりかねません。一旦はカラ売りを買い戻しても、玉がなくなれば買いの手も止まります。この2日間の動きは、イレギュラーな部分が多い、ということになります。
さらに韓国のMERS禍で、韓国に行こうとした人が九州へ旅行する、という根拠の乏しい材料で九州に地盤をもつ企業の株が上がるなど、市場は正当性すら疑われる行動を始めています。インバウンド消費も上海株の急落で、中国人旅行客が減れば、また爆買いがなくなれば、すべて消えるほど儚い材料です。円安だって、いつまでもつづくわけではない。今は方向感が円安に向かい易くなっていますが、日銀がいつまでも追加緩和を打てるわけではなく、いつかは止まります。そのとき、一気に円高に向かうことになり、それでもインバウンド消費は消失するのです。
小売関連の指標がいくつか出ています。5月の百貨店やスーパーなど、売上高が軒並み前年比5%近い上昇です。消費増税で落ちこんだ昨年と、今年は天候に恵まれてGWもずっと晴天つづき、という好条件が重なったこと。さらにインバウンド消費が今年は活発だった点が挙げられます。しかもスーパーでは生鮮食品の売上げが大きく伸びていますが、供給不足で値上がりがつづいたことが、大きく影響したのでしょう。売上げが伸びた一方、実質賃金の目減りがつづく国民の懐は直撃しており、決して消費が盛り上がった結果でない点は重要です。
日本ではホテル業などの設備投資が活発です。インバウンド消費と、東京五輪に向けた外国人旅行客のとりこみ、といった側面はありますが、五輪後の動きは読めません。その頃には、黒田日銀総裁の「これ以上、実効為替レートが円安に向かうことはない」との言葉通り、実効為替レートは円高に向かっているでしょう。外国人旅行客は急減し、過剰設備に陥っている恐れが高い。それは今、局所的におきている不動産バブルも同様、いつ崩壊してもおかしくない脆弱な上昇です。住む人がいない、借りる人がいない、泊まる人がいないのに、設備だけが続々と増えているのが現状であり、相続税対策など諸々が相まって将来に不安を残す材料です。
日本株では、先週の下落局面で、日系の一社による先物買いの下支えがみられました。資金の出元は分かりませんが、欧州勢がカラ売りを早々に手仕舞った原因も、この辺りにあるのかもしれません。底堅いのではなく、誰かが底堅くさせている。債券市場の動向からみて、GPIFによる債券売り、株買いの流れが止まったとみられたことも、カラ売りの仕掛けを誘発させましたが、下げさせない勢力の存在が確認され、ギリシャ問題の進展が日本だけ特段材料視されたのです。
しかし週刊誌では、様々な不安材料が語られだしています。上記したように、最早説明がつかないほどの材料をみつけて、株価が上がる。すでにバブルの匂いが様々な市場で、そこはかとなく漂っている状況です。上海株の急落は、需給バランスが崩れたことで一気におきていますが、決して対岸の火事ではありません。金余りで需要ばかり膨らんでいる現在、古代ローマ風にいうと「ダモクレスの剣」というところです。下男であるダモクレスが、主人を羨むと、主人から交代してみようといわれ、良い着物をきて、ご馳走に預かる。しかしふと頭上には剣がぶら下がっているのに気づく。危険の上に保たれる幸福、という意味です。今は、その身分、地位にいるべきでない者が、良い着物をきて、ご馳走に預かっていますが、誰もがその剣に気づいたとき、この楽観市場は終わりを告げることになるのでしょうね。
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