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3割の人が納得できていない「お葬式の9大後悔」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150621-00015449-president-nb&ref=clipRank
プレジデント 2015/6/21 14:20 高井尚之=文 永井 浩=撮影
お葬式を出した人のうち3割は納得できずに悔やんでいる。原因は不明朗な業界慣行。そこに着目したのが流通大手のイオンだ。葬儀の新しい動きを紹介する。
※第1回はこちら(http://president.jp/articles/-/15446)
■残る不満はお布施の値段
専門家は「イオンのお葬式」についてどう見ているのか。葬儀やお墓に関するコンサルティングを行う、日本エンディングサポート協会(JESS)理事長の佐々木悦子氏は「葬儀業者の選択肢の多い都市部では突出した存在とはいえない。逆に選択肢の限られる地方では、イオンブランドへの安心感があります。ただし地域の慣習にすべて対応できるかというと疑問です」と指摘する。
イオンに限らず、葬儀を実際に体験した人は、どんな意識を持っているのだろう。約400人への調査では、約3割が「過去の葬儀に納得していない」と答えており、不満内容の多くが「説明不足」「強引な運営」「追加請求」に集約されている。
以前は「30年に一度の体験」といわれた、身近な人の葬儀。だが高齢化時代で事情は大きく変わった。40代や50代で夫婦双方の両親が健在だと、数年のうちに何度も行う可能性もあれば、自分自身や配偶者へのリスクもある。行った後で後悔しないために、葬儀とどう向き合うかを考えてみよう。
佐々木氏は、最近の傾向をこう説明する。
「都市部では家族葬や直葬が圧倒的となりました。中年以下の世代は寺院への親密度も低く、直接お寺に頼む割合は減っています」
料金への不満は、「葬儀への支払い」と「寺院への支払い」に分けられる。「葬儀社を選ぶポイント」(図参照)にきちんと応えたサービスを行うイオンや小さなお葬式の人気が示すように、葬儀料金の不透明さは、ある程度改善されてきた。
ただし、葬儀関連の費用はこれだけでは収まらない。参列者へ提供する飲食や料理代は別に発生するからだ。現在は、葬儀当日に火葬場から戻って実施する「還骨法要」後に食事を行う場合が多い。法要後の飲食を「精進落とし」と呼ぶのは関東で、「おとき」「仕上げ」など地方によって呼び方は異なる。
返礼品でも費用が発生する。通夜の振る舞いの席に出ない人に渡す「通夜返礼品」、参列者に返す「会葬返礼品」、そして受け取った香典額に応じてお返しする「香典返し」がある。
さらに費用がかさむのが、寺院への支払いだ。「お布施の金額はいくら包めばいいのか」「戒名料はなぜこんなに高いのか」といった声も多い。「お布施」とは、葬儀で読経をしたり、故人に戒名をつけてくれた僧侶にお礼として渡す金銭だが、地域や寺院によって事情は異なり、相場はさまざまだ。伝統のある寺院ほど高い傾向にある。
■2度の見積もりで納得の葬儀を
死後の名前をつける戒名料の相場もわかりにくい。信士・信女は×万円、居士・大姉は××万円とさらに上がり、院号がつくとより高額となるのが一般的。「院号は、当寺に一定額以上の寄進をした檀家にしかつけない」という菩提寺も多い。
イオンも葬儀業界に参入当初は、お布施の金額を公式サイトで明示し、大きな話題を呼んだ。当時の資料によると、読経一式+「普通戒名(信士信女)又は、普通法号で25万円」、同「居士大姉戒名で40万円」、同「院号居士大姉戒名、又は、院号法号で55万円」となっていたが、全日本仏教会から猛反発を受けて、ネットで示すことは取り下げた。「イオンというブランドで金額を示すと、その金額が全国の基準と誤解を招く」という言い分に応えたという。現在は、葬儀を行う葬儀社を通じて口頭で伝えている。
佐々木氏も戒名について調査した経験があり、次の説明が腹に落ちたという。
「新幹線にたとえると目的地まで着く時間は同じでも、自由席・普通車指定席・グリーン車のどれに乗るかで価格が違う。一緒の目的地に行くために先祖や連れ合いに合わせるのです」
リーズナブルになったとはいえ、葬儀には何十万円という費用がかかる。後悔しないためにどうすればいいか。
佐々木氏は2度の見積もりを取ることを勧める。一度目は、先々の課題として葬儀を考える段階だ。
ここではネットなどで情報収集して、まずは気になった業者に連絡。電話の対応など感じがよかったら資料を取り寄せる。イオンや小さなお葬式を、この検討段階に入れてもいい。そして必ず「15人の家族葬」など、同じ条件を提示して各社から見積もりを出してもらう。
その内容を比較検討したうえで、これはと思う業者の会員になる。会員になるほうが、さまざまなサービスを受けられて、使い勝手がいいからだという。
2度目に見積もりを取るのは、実際に葬儀をする段階だ。やることも多くて時間は限られるが、できればほかの業者の見積もりを取っておけば料金交渉の材料となる。
今後の葬儀は高齢化・核家族化も手伝い、「実施件数が増えても規模は縮小」することで専門家の意見は一致する。
かつて不透明と言われた葬儀業界も、かなり透明化されてきた。しかも情報収集が簡単に行える時代。葬儀にまつわる儀礼や専門用語を調べて理論武装したうえで業者と向き合い、納得した葬儀ができる“見おくりびと”となりたい。
■お葬式の9大後悔 「後悔、先に立たず」となる前に
出典:国民生活センター(消費者からの相談事例)
【1】虚偽説明:虚偽の説明により契約してしまったので解約したら、違約金を10万円も請求された。
【2】無断でサービスを追加:パック料金で頼んだのに、無断でサービスを追加されていた。
【3】無断で葬儀を施行:遺体の搬送を頼んだ業者が、依頼していないのに勝手に葬儀を始めてしまった。
【4】高額な請求:見積料金を大幅に上回る請求を受けた。
【5】事前に説明のない追加請求:50万円のコースを契約したのに、請求金額は150万円だった。
【6】根拠の不明な請求:火葬場職員への「心づけ」を強制的に徴収されるのは納得がいかない。
【7】強引な勧誘:家族を亡くし動転しているうちに、遺体を搬送され、葬儀の契約をさせられた。
【8】説明不足:棺桶、祭壇などに価格表がない。言われるまま契約してしまったが、だまされた思いが強い。
【9】契約時の説明と違うサービス内容:棺、祭壇の素材や形状が、契約時の説明とまったく違っていた。
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