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慎重な景気認識を示したイエレン議長
イエレン議長も「ハト派」に転身⁉ 米金利の利上げの可能性を読み解く
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43851
2015年06月22日(月) 真壁 昭夫「通貨とファイナンスで読む世界経済」 現代ビジネス
6月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、多くの市場参加者は、米国金融当局の利上げに対する具体的な見方が示されると考えていただろう。しかし、期待された利上げ時期に関する考え方は明確に示されることはなかった。
FOMC終了後、為替市場ではやや円が買い戻され、ドルが売られる展開になっている。そうした展開の背景にはFRBの市場予想が思ったほどタカ派的ではないという認識がある。@政策金利見通しの下方修正、Aイエレン議長の慎重な景気認識、のふたつが影響していると見られる。
■利上げの可能性は、まだ判断しづらい
今回の会議では、FOMC参加者による政策金利の見通しが発表された。市場参加者は、今回の予想値が前回3月の予想からどう変化するかに注目していた。予測値の上方修正はFRBが景気認識を強め、よりタカ派的になっている証拠と考えられるからだ。
FOMCでの金利予測を見ると2015年が0.625%(3月と変わりなし)、2016年は1.625%(3月:1.875%)、2017年は2.875%(3月:3.1%)と、来年以降の政策金利の見通しが下方修正された。来年以降の見通しが下方修正されたことは、市場参加者に「FRBが思ったよりもハト派的かもしれない」という印象を与えた可能性がある。
特に年内の利上げを考えた場合、参加者の見通しは3か月前から変化がなかった。そのため、トレーダーらにとって、FOMCの見解は利上げ期待を低下させる要因だったのかもしれない。それも、今回のFOMCがハト派的だと評価される一つの理由だろう。ただ、この情報だけで金融政策を論じるべきではない。年内利上げの可能性が否定されたわけではないからだ。
■イエレン発言の真意
FOMC後の会見で、イエレン議長は雇用環境に脆弱性が残っているとの認識を示した。これも、FRBの認識は依然ハト派的ととらえた主な理由だろう。これは以前、金利上昇リスクに言及した議長の考えと比較すると慎重な印象を与える。
議長はタカ派的、ハト派的両面を意識させる発言を通して、利上げがゆっくりと進むということを市場に伝えたいのだろう。過度に市場が利上げを意識すると、住宅ローン金利が上昇するなど、景気にマイナスの動きが増える。今日の米国、そして世界経済がそうした動きに耐えられるのかは不確実だ。
ドル高、4月以降の金利上昇を受け、FRB関係者は景気に対する懸念を強めた可能性がある。それだけに、FRBは、@利上げがデータに依存し、A緩やかに進められる、という考えを徹底したいはずだ。政策金利が事実上ゼロ近辺にあるだけに、市場とのコミュニケーションを通した政策意図の浸透はより重要な課題になるだろう。
今後の景気はデータを見て確認するしかないが、FRBが利上げを前提に今後の政策を進める可能性は上昇していると考えられる。その際、重要なのが、市場の景気認識だ。ドル高がさらに進む、あるいは金利が大きく上昇する場合、FRB関係者がどういった考えを示すか、慎重に確認するべきだ。
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