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「学歴フィルター」早慶とMARCHの大きな差
ふるいにかける企業側の本音とは?
中川 雅博:週刊東洋経済編集部 記者2015年6月22日
黒いリクルートスーツに身を包んだ学生が街中に溢れる季節が今年もやってきた。経団連(日本経済団体連合会)の取り決めで、「後ろ倒し元年」と呼ばれるように就職活動の時期が従来から3〜4カ月繰り下がったことにより、6月の今この時期が就活の実質的なピークとなっている。
就活生の多くが気にしているのが、「学歴フィルター」だ。新卒採用をしている企業が特定の大学以外の学生を、事実上選考の対象から外すというもの。その存在自体は就活生の間で周知の事実ではあるが、基準は企業によって異なり、実態はなかなかつかめない。学生は戦々恐々とするほかないのである。
法政よりも慶応を優先?
現在法政大学に通う4年生のAさんは「MARCHの中で法政は評価が低めというのが学生の認識。超大手企業の内定はそもそも期待していない」と話す。関東以外の人にとっては耳慣れないかもしれないが、「MARCH」とは首都圏の有名私立大学5校を指した略語で、M=明治大学、A=青山学院大学、R=立教大学、C=中央大学、H=法政大学、からそれぞれ頭文字を取っている。
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Aさんも「学歴フィルター」を強く意識する就活生の一人だ。フィルターの在り処を知りたい―。Aさんの友人は、とある超大手企業の応募用アカウントを二つ作った。一つは法政大生として、もう一つは「格上」の慶応義塾大学の学生を装って。すると、法政で登録したアカウントのほうが、会社説明会の予約開始時間が遅くなったという。
これは「時差告知」と呼ばれる仕組みだ。企業が説明会の予約を募る際、定員の埋まり具合を見ながら、予約を開始した旨を告知する大学の範囲を徐々に広げるというもの。ある就職情報会社が開発したシステムが使われている。つまりこの企業は、法政大より慶応大の学生に説明会に来てほしかったということだ。
就職関連の調査会社、HR総研が今年の2016年卒採用において重点的に学生を採用したい大学について調査をまとめている。それによれば、47%の企業がGMARCH(MARCHと学習院大)と関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)をターゲット校にしている。これは旧帝国大学(東京大、京都大など)の33%、早慶上智(早稲田大、慶応大、上智大)の28%など、ほかのどの大学グループよりも高い数値だ。
企業の人事関係者の話を総括すればこうだ。人気の大手企業は東大や早慶上智を中心にしつつ、GMARCHまで視野に入れている。一方、中堅企業はMARCHを中心に、それ以下の大学からも採りたいと考えている。Aさんの友人が応募した企業は前者であり、MARCHから採用しないことはないが、優先度は低いと見られていたということだ。
就活に対する意識を聞いても、早慶は強気な一方、MARCHの学生は「何とかエントリーシートは通るレベルにはある」と、競争率の高い超大手企業のフィルターにはギリギリ引っかかる程度という認識はあるようだ。
MARCH生の就活が景気変動に最も左右
言い換えれば、MARCHの学生が景気による企業の採用意欲の変動に最も振り回されるということ。総合商社の元幹部は「2008年のリーマンショック後に最も苦労したのが明治大の学生だった」と振り返る。
明大は2005年以降に志願者数を大きく伸ばすなど、勢いがあった。大手の人気企業への就職も増えた。そうした先輩たちの成功談を聞き、リーマン後の就活に臨んだ学生も強気で超大手に挑戦した。しかし企業の側は採用人数を大きく絞っており、MARCHを選考対象から外すことが増えていた。その結果、リーマン前のイメージで就活に臨んだ明治の学生がいつまでたっても内定を得られないという事例が続いたというのだ。
MARCHと早稲田、慶応を総称した早慶MARCHは、“ビジネスマン養成所”ともいわれ、日本の大学を語る上で無視できない存在となっている。2015年度入試の志願者数(延べ数)も約54万2000人と膨大だ。週刊東洋経済最新号では就職や出世の事情、入試の今、そして付属校の内実などに迫った。
HR総研の調査での数値に表れている通り、企業内でのポジショニングはともかく、MARCHは幅広い企業からターゲットとされている。同じく私学の“ボリュームゾーン”である早慶と合わせれば、企業にとって存在感の大きい大学群だ。ある程度ツブのそろった人材を大量に供給してくれるこうした大学は、企業にとって好都合な存在といえる。
東京大学には及ばないものの、就職後の「出世」でも早慶MARCH出身者は善戦する。“最強の同窓会”とも称されるOB・OG組織「三田会」を擁する慶応大、卒業生数で圧倒する早稲田大はもちろん、名門法学部を持つ中央大、そして明治大は、幅広い業界に多くの役員を輩出している。
http://toyokeizai.net/articles/-/74113
だから日本の母親は、働き続けられない
必要なのは保育施設よりマネジャーの理解
高橋 志津子:東洋経済 編集局記者2015年6月22日
ワークプレイスオプションズ(WPO)のディーン・デブナムCEOは、複数の会社を経営している。特に品質管理を重視する製造業のノウハウが、EAP(Employee Assistance Program)事業のサービス品質向上に役立っているという。プライベートでは5人の子どもに恵まれ、「日曜日から金曜日まで、妻が別の町で働いている期間が6年あったが、その間は私が育児をしました」と語った。
米国ノースカロライナ州に本社を置くワークプレイスオプションズ(Workplace Options、以下WPO)はEAP(Employee Assistance Program)およびワークライフサービスを提供するリーディングカンパニー。EAPとは、従業員が抱えている職場のストレスやプライベートでの悩みなど、仕事の生産性に影響を与えている問題に向き合い、解決策を探っていくサービスのこと。働き方への関心が高まるにつれ、導入企業も増えている。
WPOは米国のほか英国、カナダ、アイルランド、シンガポール、ポルトガル、東京など9カ国にサービスセンターを持ち、5万9000の組織で働く4800万人を超える従業員にサービスを提供している。日本ではピースマインド・イープと提携し、企業向けワークライフ支援サービスをグローバルに展開している。来日したディーン・デブナムCEOにEAPのトレンドと日本での事業について話を聞いた。
EAPサービスが米国女性の復職を後押し
女性の新しい"はたらきかた"についての詳細は、週刊東洋経済臨時増刊「ワークアゲイン」(好評発売中)をご覧下さい
――業界最大手になった原動力は。
1993年の設立だが、本格的にこの事業に注力し出したのは2002年から。2002年時点で9人だったスタッフは、今は650人に増えている。 EAPのサービスに専念して品質向上に取り組んできたことが評価されており、クライアントには機密やセキュリティを重視する米軍も含まれている。
――従業員のプライベートな問題を扱うだけに、スタッフの質が重要になる。
スタッフの教育は継続的な課題となっており、別組織で人材開発や教育を行っている。ケースマネジメントのシステムを自社で持っているのが強みで、誰がどんなサービスを提供しているのか、ひと目でわかる。質のよい仕事をしたスタッフには報酬を与えるといったインセンティブも導入している。
――米国では以前、出産を機に会社を辞める女性が多かったそうですが、どう変えてきたのでしょう。
EAPのサービスが普及し、授乳室を設けるような職場も増え、柔軟な働き方ができるようになったことが大きい。WPOの例で言うと、社員の9割は女性。職場に復帰するときは、月1回、週1回と慣らし勤務から徐々に復帰を図るようにしているし、自宅での在宅勤務も推進している。つまり、子どもが小さいときは子どもにプライオリティを置けるようにして、空いている時間に仕事ができるようにする。ただ、人によって事情は異なるので、その人にとって必要なものを提供することが大切だ。
最近は、女性に限らず、誰かを面倒みなければいけない人への支援が注目されつつある。また優秀な人ほどよりフレキシブルな職場環境で働きたいと考えているので、企業はそうした人材が流出しないために手を打つことが求められている。若い人ほどクオリティ・オブ・ライフを重視するのは世界的な傾向だ。
働き続けられる支援でなければ意味がない
――日本市場は有望ですか。
日本の会社も必要性に気づき始めている。有能な人材を引き留めておきたいし、女性労働者の価値も理解され始めてきた。早い時期に日本に進出した外資系企業は、有能な女性を採用して戦力にしていたと聞いています。
女性が働き続けられるような支援でなければ、投資のリターンを得ることにはならない。子どもを持つお母さんは、家にいるか仕事をとるか葛藤の中で生きているので、仕事を辞めるほうを選択するこということは、投資が無駄になるということ。企業がそういったことに、どれだけ敏感になれるかが肝心だ。
さらに、2015年12月から義務化されるストレスチェックによって、従業員がどの程度の問題を抱えているかがわかるようになる。それに対するソリューションを会社が持っているかどうかも問われてくる。
従業員が抱えているストレスは、職場で発生するというよりも、仕事とプライベートを両立するうえで発生するものが多い。日本の場合、個人的な問題を職場に持ちこむなという考え方があるようだが、実際には持ちこまれるものだ。
ストレスを抱えた社員は、職場でインターネット検索を続けるなど、仕事に集中できないでいる。稼働していない時間を考えると、EAPサービスのROI(投資対効果)は高いと思う。こういった情報提供をすれば、経営者には必要性をわかっていただける。
――たとえば、保育園が見つからない人にはどう対応を?
話をまず聞き、住んでいるところや勤務先のコミュニティ、その人が持っている人間関係からソリューションがないかを考える。会社が提携しているサービスを一緒に探すこともある。能力ある女性にはベビーシッター代を出す企業もありますから。
保育施設よりマネジャーの理解
女性の復職支援だけでなく、マネジャーの教育も私どもに期待されている。保育施設があればすべての問題を解決できるわけではなく、むしろマネジャーの理解と支援のほうが、大事なことも多いからだ。特に男性は、部下の女性が妊娠したら、びっくりしてがっかりするのではなく、戦力としてどう活用していくかを考えていかないといけない。
日本の場合、通勤時間が長く、電車が混んでいるのが非常に問題だ。お母さんは赤ちゃんを連れて電車に乗らない。会社に託児ルームがあっても、連れて行くことができない。そのうえ、長時間労働だと子どもと接する時間が短くなってしまう。通勤時間が長くて子どもに会う時間が少ないとなれば、働き続けない選択をするのは当然ともいえる。また、税金の仕組みがパートタイムの女性を増やすような仕組みに見える。
――米国ではどのような問題が多いですか。
保育費用が高額なこと。子どもが小さいときほど高額になり、ノースカロライナでは、4年間にかかる費用は大学と同じか、それ以上かもしれない。保育ママや無認可の施設に預けることも選択肢に入ってくる。米国では自宅で子どもの面倒をみることができる資格があり、そういった専門家を頼むケースもある。
――日本企業へのアドバイスを。
柔軟性のある経営を、というのが結論だ。在宅、フレックス、短時間勤務など、有能な女性を会社に引き留めるにはこうしたことをやっていかないと。経済力を支えるにも、女性の力なしにはありえないのだから。
http://toyokeizai.net/articles/-/73786
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