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巨人・ゆうちょ銀行上場、「民業圧迫」は本当か(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/896.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 22 日 08:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

                   日本郵政本社が所在する日本郵政ビル(「Wikipedia」より)


巨人・ゆうちょ銀行上場、「民業圧迫」は本当か
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150622-00010000-bjournal-bus_all
Business Journal 6月22日(月)6時0分配信


 今秋、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の日本郵政グループ3社が東京証券取引所に株式を上場する。この3社はもともと日本郵政公社の郵便、郵便貯金、簡易生命保険の郵政3事業で、2007年10月に解体・民営化された。同事業には以前から「民業圧迫」という批判がつきまとい、日本郵政へは宅配便、ゆうちょ銀行へは金融機関、かんぽ生命へは生命保険の各業界が事あるごとに「民業圧迫」を口にしては政府にプレッシャーをかけてきた。それはおそらく上場後も変わらず、今後も過去を背負いながら批判され続けるのだろう。

 とりわけゆうちょ銀行は、以前から「郵貯が民間金融を圧迫している」と言われ続けてきた。1人1000万円という上限枠はあるが、郵便貯金、特に定額貯金は郵便局の窓口で個人預金をどんどん吸い上げ、預金集めに四苦八苦する他の金融機関から目の敵にされてきた。そんな過去の経緯がある上に、ゆうちょ銀行は全国に約2万4000カ所の郵便局網、民間最大の三菱UFJフィナンシャル・グループの預金残高約153.3兆円をしのぐ郵便貯金残高約177.7兆円を有し、運用資産は205.8兆円とメガバンクの総資産とほぼ肩を並べるという規模を誇る。その「巨人」がまもなく上場するというのだから、他の金融機関にとっては気になる存在だろう。

 今年4月1日に発表された日本郵政グループの中期経営計画「新郵政ネットワーク創造プラン2017」によれば、ゆうちょ銀行は向こう3年間に総預かり資産を貯金で3兆円、資産運用商品で1兆円増やすという目標を掲げている。上場後、さらなる拡大路線に打って出ることは確実だ。現状では、ゆうちょ銀行が自前で行う個人、法人向け貸付は、預金担保貸付を除いては認められていないが、すでに12年9月にそれらの新規業務を金融庁に申請済みで、認可を待っている状況である。

 だが、ゆうちょ銀行が他の金融機関にとって「最強の敵」になるかというと、現状ではどうしても疑問符がつく。個別分野によって多少違いはあるものの、総じていえば「幽霊の、正体見たり枯れ尾花」で、怖がって騒ぐほどの脅威ではないという見方も強い。なぜならゆうちょ銀行には法律、金融行政、人材、以前からのイメージなどさまざまな面で「縛り」があり、『進撃の巨人』ならぬ「進撃できない巨人」になっているからである。

●他の金融機関の“懸念”

「脅威」とみられている一つは、ゆうちょ銀行が「3年間で1兆円拡大」を目指している資産運用商品の販売だろう。すでに郵便局の窓口では05年から投資信託の販売を行っており、手数料収入を得ている。

 6月11日には、三井住友信託銀行、野村ホールディングスと、個人向け資産を運用する共同出資子会社を設立する方向で大筋合意したと報じられた。運用と開発のノウハウを持つ2社と提携して低リスクの金融商品を共同開発し、郵便局の窓口で販売するという。実現すれば日本郵政グループと民間の金融機関、証券会社との共同出資会社は初のケースになる。その金融商品が投資信託であれば、ゆうちょ銀行は販売手数料だけでなく、信託報酬のような運用会社が得る収入も子会社を通じて得ることになる。

 投資信託など金融商品や保険商品を窓口で販売し、販売手数料を得るという業務は、ゆうちょ銀行だけでなく金融機関全体にとって今、「おいしい収益源」になっている。メガバンクも地銀も、15年3月期決算の決算内容はまるで判で押したように「低金利が続く中、貸出金利の競争激化で本業のもうけが減った分を、それ以外の収益で補った」という趣旨の説明で横並び。その「それ以外の収益」で販売手数料収入は重要な部分を占める。もしそれがなかったら、海外業務を行っていない地銀などは業績がボロボロの銀行が続出していただろう。

 その最もおいしく、頼りになる収入源を、「3年で1兆円上乗せが目標」のゆうちょ銀行に食い荒らされてはたまらないというのが、他の金融機関に共通する懸念だとされている。金融庁の認可待ちの個人や企業向け貸付業務(新規事業)と違って、この業務はすでに競争状態。約2万4000の郵便局窓口という販売チャネルの「数の力」が脅威ととらえられ、「他の金融機関との間で手数料収入の奪い合いが起きる」「地銀あたりは割を食うだろう」と予想されている。

●窓口で「手数料収入の奪い合い」は起きるか

 だが、窓口で販売される金融商品を細かく見ていくと、以前ほどではないが、銀行と郵便局では商品ラインナップに違いがある。一言でいえば、銀行は「低リスクから中位リスク商品まで揃う」、郵便局は「比較的低リスクな商品の品揃えに力を入れる」という傾向がある。三井住友信託、野村との共同開発商品も低リスク商品と報じられている。

「郵便局は低リスク、小口に強い」は、歴史の長い新発国債の販売でもみられた傾向だった。郵便局では郵貯の1000万円の上限枠や、かつての「マル優」枠を超えた人に、「満期まで持てば政府が元本保証」というニュアンスや「マル優別枠」を示して国債購入を勧めてきた経緯がある。「低リスク・小口」の投資信託の販売に強いのはその流れで、それに合わせて設計され郵便局だけで買付できる「郵便局専用投信」というものもある。一方、銀行も毎月少額の「投信積立」をPRしているものの、やはり利用者側の意識としてはボーナスや退職金など「まとまったお金」の預入・運用先の選択肢として投資信託がある。

 ゆうちょ銀行も取り扱い商品ラインナップを順次拡充しており、郵便局の窓口職員にフィナンシャル・プランナー(FP)の資格取得を奨励するなどして、銀行と同じくオールラウンドな金融商品の販売窓口を目指しているが、利用者側にある棲み分けの意識はなかなかぬぐえないだろう。

「戦場」になるといわれている地方でも当分の間、地銀と郵便局で商品ラインナップこそ重なり合っても、利用者層や利用目的がやや異なるので「顧客の奪い合い」の激化にはつながらないのではないか。それなら他の金融機関にとって大きな脅威とはいえない。

 では次回は、上記以外に脅威になるといわれている住宅ローンと企業貸付について、果たして本当に他の金融機関の脅威になり得るのかをみていこう。

(文=寺尾淳/ジャーナリスト)

 

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コメント
 
1. 2015年6月23日 19:31:41 : vr2fRJFFEI
訂正:アングル:ゆうちょ限度額上げ提言、待ち構える複数のハードル
2015年 06月 23日 17:23 JST
http://jp.reuters.com/news/pictures/articleslideshow?articleId=JPKBN0P30LT20150623&channelName=topNews#a=1
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[東京 23日 ロイター] - 自民党の特命委員会が提言したゆうちょ銀行の預入限度額引き上げの前途には、クリアすべきハードルがいくつも待ち構えている。当事者の日本郵政自体が限度額引き上げを望んでいないとみられるうえ、金融システムの安定性の観点から金融庁も、さらなる規模拡大には否定的なためだ。政府・与党内での調整の結果、提言とは違った結論になる可能性もありそうだ。

<ゆうちょ銀は、ありがた迷惑>

「ありがた迷惑な面もないではない」──。ゆうちょ銀のある関係者は、特別委の提言について複雑な心境を漏らした。

特命委が23日にまとめた提言では、預入限度額を2段階で引き上げることを盛り込んだ。まず、今年9月末までに2000万円とし、過度な預金獲得競争が起こらないことを確認し、2年後までに3000万円にするよう求めた。

今回の提言は、2014年の衆院選の際に自民党が掲げた公約を具体化。この背景には、来年の参院選に向けて集票力が強い全国郵便局長会の支持を得たい同党の選挙戦略がある。

ゆうちょ銀から日本郵便へは銀行代理業務手数料として年間約6000億円が支払われており、「郵便局を支えるためには、ゆうちょ銀の競争力強化が必要」(郵政関係議員)との理屈だ。

しかし、ゆうちょ銀は日銀の量的・質的緩和(QQE)による低金利の長期化で運用難に直面しており、これ以上の貯金量拡大は逆に経営のリスク要因を増大しかねない状況だ。

<強まる金融界の反発>

今月18日(訂正)午前、常陽銀行(8333.T: 株価, ニュース, レポート)の寺門一義頭取と横浜銀行(8332.T: 株価, ニュース, レポート)の寺沢辰麿頭取が、日本郵政の西室泰三社長を訪問した。全国地方銀行協会の新旧会長交代のあいさつの場で、新会長に就任した寺沢頭取から「限度額引き上げが実施されれば、地銀とゆうちょ銀との協力・連携関係は築けない」との厳しい発言があった、と複数の関係者は打ち明ける。

西室社長は会見などでたびたび、地域金融機関との連携や協業の可能性を模索していると強調してきており、「友好関係の構築」に向けた動きに対し冷や水を浴びせられた格好となった。

全国津々浦々に郵便局ネットワークを張り巡らせる日本郵政に対して、地銀は収益の上がらない支店・営業所を業務委託することなどで「両者はウィン・ウィンの関係が築ける」(地銀幹部)との期待感も出ている。

しかし、それは預金流出につながりかねない限度額引き上げが見送られて、初めて成り立つ構図でもある。

<民営化委員会の存在感>

特命委の提言は、自民党総務会の了承を経て近く政府に提示される。その後の対応は政府に委ねられるが、金融庁は限度額引き上げに反対の立場だ。

地域金融機関からの預金流出が進みかねないうえ、国債の保有比率が高いゆうちょがさらに規模拡大すれば、将来的な金利上昇局面で一気に経営危機に陥りかねないとの懸念がある。

今後、大きな役割を担うのが郵政民営化委員会だ。郵政民営化法では、民営化委員会が郵政民営化に関する事項を調査・審議し、意見を述べることが規定されている。

郵政民営化の進捗状況を審議した4月の民営化委員会では、元総務相の増田寛也委員長が、ゆうちょ銀の預入限度額の引き上げについて、まずは金融庁と総務省が検討し、その後「いずれ評価する時期になる」と述べた。

郵政民営化法は、限度額について「他の金融機関等との間の競争関係」や「金融2社の経営状況等」を踏まえて政令で決定すべきと定めており、民営化委員会の関係者は、限度額の引き上げに反対することもあり得ると話す。

郵政事業に関する特命委員会の幹部は23日、「われわれの仕事はここまで」と述べた。だが、同日の自民党総務会では、金融界から出ている「民業圧迫」の批判を背景にした異論も出たため、議論を継続することにし、了承を先送りした。

今後は、特命委の細田博之委員長(同党幹事長代行)らが、党内調整を進めるとともに、首相官邸サイドとの意見交換を本格化させる見通し。来年夏の参院選を前に、安倍晋三首相が果たしてどのような政治決断を下すのか。その結論によって、金融地図が大きく変動する可能性を秘めている。

*本文7段落目の「17日」を「18日」に訂正します。


(和田崇彦、布施太郎 編集:田巻一彦)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P30LT20150623?feedType=RSS&feedName=topNews&utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+reuters%2FJPTopNews+%28News+%2F+JP+%2F+Top+News%29&sp=true


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