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日経平均が2万円割れ
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715473.html
2015年06月18日 在野のアナリスト
4月毎月勤労統計の確報で、実質賃金が速報値から下方修正され、前年同月比0.1%減と、24ヶ月連続で減少となりました。つまり安倍ノミクス開始以来、右肩下がりで実質賃金は下がり続けてきたことになります。失業率の低下や、有効求人倍率の改善など、労働環境が改善しているとされても、増えているのは女性のパート職や、65歳以上の再雇用ですから賃金が増えるはずもありません。一部では定年退職の撤廃を取り入れているところもありますが、15〜64歳の就労が減っている現状は、賃金の押し上げもなく、また日本の将来において財政面でも厳しい状況を生むことになります。労働環境は改善、が政府見解ですから、何らかの対策を打つこともなく、このまま放置されるうちに、ますます日本は凋落の一途をたどることになるのでしょう。
注目された米FOMC、利上げに関する言質は与えずに終わりました。ただIMFや世銀が求める利上げ先送りは、経済指標をみて、と述べて否定しています。ただ米国では「米国のことは米国が決める」という大原則があります。他国や国際機関の指摘に、まともに応えることはなく、後でこっそり修正することはありますが、大体は口だしに対して強く否定、拒否するのが常です。
今回、新たに注目されたドットチャートと呼ばれる金利見通しを示すものは、逆に不透明感を増しただけで、FRB内でコンセンサスがとれていないことを示すものでした。経済指標をみて、どころか風をみて、利上げをするか決めてくるのかもしれません。イエレン議長は開始時期に注目しすぎ、と述べて牽制しますが、FRB内で誰が、何を考えて決めていくのか分からなくなった、という点では開始時期の不透明感が強まったのであり、イヤでも注目せざるを得ません。
日経平均は20000円を切り、株式市場が引けた後で円高もすすみます。ギリシャのデフォルトに備え始めた動きですが、ユーロ圏離脱までいたる『グレグジット』を警戒し、高値の間に売り抜ける、というのが外国人投資家の流れです。しかも国内勢が押し目を拾う動きもなく、閑散に買いなしという異常事態。国内にクジラがいても、海外のシャチに襲われれたら一溜まりもありません。
日銀金融政策決定会合前は、金融など内需が上げる、というのが今年に入ってからのトレンドでしたが、それも消えています。円安牽制をはじめた日銀に、最早追加緩和の期待もなくなり、毎月勤労統計が示すように賃金が増えていないのですから、内需拡大も起こらない。海外勢がこれまで期待していたことが、悉く裏切られ始めています。昨日もとり上げたように、円安でも輸出が増えない。日本の景気回復シナリオは、今のところ画餅でしかなかったことになっています。
しかも今、市場を難しくしているのが、為替、株、そして債券までもが過剰流動性の下、異常な水準まで跳ね上がってしまっている点です。即ち適正水準までもどるだけで、急変動になりかねない。そして殊更に悪い情報だと、異常な水準まで下げてしまう恐れを強めてしまっていることです。グレグジットが起きれば、欧州圏の株式は空売りする、と明言するファンドマネージャーもいる。需給で売りが加速してしまう恐れを、しばらく覚悟しなければなりません。日本の株式でも、これまでとは異なる動きが出てきていることは要警戒です。「日本のことは日本で決められない」脆弱な市場だけに、海外勢の事情にしばらく振り回されることになりそうですね。
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