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これを身につけなければ、すべての努力がムダに!経営者になる人と管理職で終わる人
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150618-00010002-bjournal-soci
Business Journal 6月18日(木)6時1分配信
経営者(=社長やCEO<最高経営責任者>のこと。広義に、代表権のある取締役と捉えてもいい)になれるかどうかは、生まれ持った才能と積み重ねた努力、そしてその時の運によります。しかしながら、経営者のように考え、振る舞い、行動することは、誰にでもまねできるのではないでしょうか。
一般社員の立場から見ると、経営者も管理者(=課長や部長、本部長のこと。組織の中の一部機能を担っている)も偉い立場で、管理者の延長線上に経営者がいるように見えます。
また、経営者は雲の上の存在で、話をする機会はめったにありません。一方、部課長などの管理者は比較的身近な存在です。しかし、すべての管理者が経営者になれるわけではありません。経営者のように考え、行動している管理者は決して多くないのです。
組織の中で有意義なキャリアを形成するには、3つのパターンがあります。ひとつは、幸運にも経営者のように考える管理者が身近にいることです。もうひとつは、そうではない管理者を反面教師にすること。最後のひとつは、本物の経営者と出会い接点を持つことです。
やや大仰な物言いですが、経営者はその組織にいるすべての従業員および家族の人生を預かっています。この点で、経営者と管理者はまったく異なります。管理者は、組織の中の分業された一部機能を担っているにすぎません。
京セラの創業者である稲盛和夫氏は、「人生や仕事で成功するためには、能力と熱意と考え方の3つが必要で、最後の考え方が最も大事である」と説いています。また、「経営者は心の土壌を整理して正しい判断ができるように努めることが肝要だ」とも言っています。
ここで、冒頭のチャートをご覧ください。このチャートは、思考したことが発言につながり、さらに行動に移されるまでには高いハードルを乗り越えなければならないこと、そしてそれに必要なエネルギーは膨大であることを示しています。
稲盛氏が説くように、本物の経営者のように考えることが大前提です。そして、それを行動に変えていくためには、多くの努力を要します。もし、大前提となる考え方が間違っていたら大変です。費やした努力が、水泡に帰してしまいます。
●本物の経営者はこう考え、こう振る舞う
では、経営者としての考え方や行動の例を3つほど見ていきましょう。
ひとつ目は、組織の中での役職や昇進に関わることです。会社勤めをする身としては昇進して地位が上がることは、たとえ責任が重くなるとはいえうれしいものです。
通常、「昇進する」というのは、組織の中で役職が上がることを指します。自分より役職が下の部下を管理する立場になる、ということです。まさに、組織の階層を上がり、管理者として部下を管理する立場になるのです。
しかし、経営者の考え方は異なります。役職が上がるということは組織を下から支える存在になる、というふうに考えます。偉くなるということは組織の階層を降りていき、多くの社員を下から支える役回りになると捉えるのです。
だから、ほかの人ができないことに手を差し伸べ、場合によっては、部下の代わりに業務を行うこともあります。その業務がうまく回らなければ、組織全体が機能しなくなってしまうからです。それを避けるためには、その業務を自らやり遂げるしかありません。
もし、その業務が行われなくても支障がないとすれば、上司は部下に本来必要でない業務を行わせていたことになります。それは、なんと無駄なことでしょうか。
2つ目は、組織の変化に関わることです。ハイパーコンペティション(激烈な競争が行われている状況)の現代では、ビジネスの変化が早く、組織や組織の構成員も素早い変化を求められることが多くなってきました。
組織が変わるということは、当然、その構成員である社員も管理者も経営者も変わるということです。自分自身も、変わらなければなりません。
自ら変化を作り出すことができれば申し分ありません。それができないまでも、せめて、変化に柔軟な対応ができることが大事です。これには、年齢は関係ありません。「年をとったから変わることができない」というのは、単なる言い訳にすぎないのです。
考えてみてください。誰もが変化には敏感で、「できれば変化したくない」と思っています。そのため、経営者が率先して変わらなければ、部下は変わりようがありません。
もし、部下のほうが変化に柔軟で、組織の業務を改善させたり、進化させることができるのであれば、その部下が上司になって、上司は部下に降格したほうが良いということになります。
3つ目は、時間の使い方に関わることです。映画『踊る大捜査線 THE MOVIE』(東宝)の一場面では、偉い方々は現場から離れた立派な会議室で指示を出していました。一方で、現場にいる末端の捜査員が駆けずり回り、事件の解決に当たっていました。
本当にそれでいいのでしょうか? 本物の経営者ほど、個室から外に出て、あるいは会議室での打ち合わせをやめて、お客様と対話する時間を大事にしています。お客様との対話に、より多くの時間を割くように努力しているのです。
●高いハードルを越えてこそ、キャリア形成に役立つ
本物の経営者は、大きな個室に陣取り現場から離れて判断を下し、上から目線で部下に指示を出すという一般的なイメージとは真逆です。
稲盛氏が説くように、心の土壌を整理して正しい考え方を身につけます。次にそれを発信し、組織の周囲の人たちに自分の考えを伝え、広めていきます。そして、最後には自ら行動して示します。
行動するまでに越えなければならないハードルは高いですが、自ら見本を示すことで、周囲の人たちに影響を及ぼしていくのです。それが、冒頭のチャートが意味するところです。
本物の経営者のように考え発信し、行動につなげることが、これからのキャリア形成に役立つことはいうまでもありません。
文=森秀明/itte design group Inc.社長兼CEO、経営コンサルタント
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