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ドル123円前半、FOMCではメンバーの政策金利見通しに注目
2015年 06月 17日 12:15 JST
[東京 17日 ロイター] - ドルは123.40円付近。薄商いの中、若干上値の重さが意識されている。朝方からの値幅は11銭程度で、市場は「待ちの姿勢」(外銀)を保っている。
ユーロは1.12ドル半ばで動意薄。
市場参加者によると、きょうのFOMCではメンバーの政策金利見通し(ドッツ)に最も強い関心が寄せられているという。
3月のFOMC時点では、2015年内に利上げを開始することが好ましいと答えた委員が15名、2016年の利上げ開始が好ましいと答えた委員が2名だった。
年内利上げ派の内訳では、7名の委員が2015年内に2回の利上げを予想していた。一方、年内に1回の利上げか、利上げなしと予想する委員が3名いた。
これらのバランスがどのように変化するかが焦点となっている。
一方、潜在成長率に関する予想は、3月時点に2.0―2.3%だったが、市場参加者の多くは、今回、予想レンジが0.1%ポイント程度、下方修正されるとみている。
また、2016年、2017年のFF金利および長期的な中立金利に関する予想も引き下げられる可能性が指摘されている。
FOMC声明について「今回はハト派的なニュアンスを出してくる可能性が高いとみている。その場合は123円割れもあるかもしれない」とマネックス証券、シニアストラテジストの山本雅文氏は言う。
現状では、ドル/円もユーロ/円も上値余地がそう大きくないと山本氏は述べ、ドル高シナリオで最も実現可能性が高いのは、金融緩和直後で追加利下げの期待もあるニュージーランドドル売り/米ドル買いとした。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OX08E20150617
コラム:米FRB、新興国からの「スピルバック」に戦々恐々か
2015年 06月 17日 11:50 JST
Andy Mukherjee
[シンガポール 16日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米連邦準備理事会(FRB)は、自らの金融緩和策による諸外国への副作用(スピルオーバー)を気に病むことはなかった。しかし今後利上げに着手するに当たり、副作用の自国への跳ね返り(スピルバック)に戦々恐々となる日々を送ることになりそうだ。
スピルバックという言葉は国際通貨基金(IMF)の「造語」で、新興国市場の輸入需要の低迷によって米国の生産が脅かされる状況を言い表す。FRBが利上げを進めれば、新興諸国から資本が逃げ出し、これら諸国は投資の中断や低成長を余儀なくされる恐れがある。これはスピルオーバーだ。しかし輸入国の経済が停滞すれば米国のソフトウエアや機器、サービスなどの輸出に跳ね返り、ただでさえ足取りの弱い景気回復に悪影響を及ぼしかねない。これがスピルバックであり、その影響はかなり甚大なものになりそうだ。
2000年代初頭以来、米国が潜在成長率を上回る成長を遂げた局面は、新興国市場向けの好調な輸出を伴っていた。米国の成長率が、生産性伸び率で規定されるところの潜在成長率を上回っていた住宅ブーム当時、新興国市場は沸騰する米消費需要をてこに生産能力を拡大した。これが翻って米国の輸出を促し、米国経済を一段と盛り立てた。しかし新興国市場の投資と輸入がかつてほどの活気に満ちていない現在、米国経済が生産性伸び率の弱さという限界を打ち破るほどのスピードで成長を遂げることは難しいだろう。
インフレ圧力が存在しない中でFRBが利上げに踏み切れば、新興国市場からのスピルバックはさらに厳しくなる恐れがある。新興国で金利が上昇し、ドルが上昇すれば、米国の輸出は減少し、米成長率は潜在成長率を下回る水準に減速しかねない。
発展途上国への資本流入は昨年、総生産の5.4%に相当した。世界銀行の推計では、FRBが利上げを実施すれば資本流入は18─40%縮小する可能性がある。1990年代までであれば、この程度の落ち込みなら米国経済に深刻な打撃を及ぼさなかっただろう。しかし中国とインドを筆頭とする新興国市場は2011年から14年にかけて世界の経済成長の57%に寄与するまでになっている。米利上げによるスピルバックのリスクは、FRBが夜も眠れなくなるほど現実的かつ大きなものだ。
●背景となるニュース
*世界銀行は11日発表した「世界経済見通し」で、ことしの発展途上国の成長率見通しを従来の4.8%から4.4%に下方修正した。新興国市場の景気減速は2年目に入るとみている。
*FRBが利上げに着手し、米国の長短金利差が1%ポイント拡大すると、発展途上国への資金流入は18─40%縮小する可能性があると、世銀は推計した。
*世銀のチーフエコノミスト、カウシィク・バス氏は、FRBは為替相場の乱高下と世界経済への悪影響を避けるため、利上げを来年まで先送りすべきだと述べた。
*これとは別に、IMFもFRBに利上げを来年前半まで見送るよう勧告している。
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0OX07G20150617
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