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コラム:ジンバブエ通貨廃止、「3.5京ドル」の教訓
2015年 06月 16日 13:39 JST
6月12日、ジンバブエの自国通貨廃止は、本当にひどい金融政策が何をもたらすかについての教訓を与えてくれる。首都ハラレで撮影(2015年 ロイター/Philimon Bulawayo)
Edward Hadas
[12日 ロイター] - ジンバブエの自国通貨廃止は、本当にひどい金融政策が何をもたらすかについての教訓を与えてくれる。同国中央銀行は11日、事実上価値のなくなったジンバブエドルを米ドルに両替して回収すると発表。両替レートは実に、1ドル=3京5000兆ジンバブエ・ドルだ。
「35,000,000,000,000,000」という数字は確かに大きい。しかし、実際の通貨価値の希薄化を表すには、それでも桁は不十分だ。ジンバブエは過去に2回のデノミネーションを実施しているが、2009年以降は米ドルなど他国通貨に事実上依存していた。最初のデノミ実施からわずか2年後の2008年には、100億ジンバブエドルを新1ジンバブエドルに刷新している。つまり、同国の本当のハイパーインフレ率は、ゼロが25個も必要なのだ
ジンバブエの例は、2008年の金融危機後に各国中銀が打ち出した量的緩和への反対派が、しばしば引き合いに出してきた。確かにこれは破滅へ向かう第一歩だと彼らは言うだろう。
しかし、ジンバブエから得られる本当の、そしてはるかに有益な教訓は、それとは全く違うものだ。ハイパーインフレを作り出すのは、真に桁外れの無能さなのだ。ハイパーインフレに至るまで、ジンバブエのムガベ大統領と中央銀行は、国家財政や経済政策、外交関係を台無しにしてきた。自分たちの政策の失敗が痛々しいほど明らかになっても、それを続けるしかなかった。そして、そうした暴走を抑える政治的敵対勢力も存在しなかった。
世界の多くの場所では、ハイパーインフレはさておき、インフレよりもデフレの方がはるかに大きな懸念だ。典型的な中銀当局者は、金融政策が賃金や物価に影響を与える力が大き過ぎることではなく、小さ過ぎることを心配しなくてならない。政府には財政赤字を通じてジンバブエ型のハイパーインフレを作り出す能力はあるものの、それには、まともな政治システムが認める水準をはるかに上回る財政赤字が必要になる。
経済学者のミルトン・フリードマン氏はかつて、インフレは「いついかなる場所においても貨幣的現象だ」と指摘した。それは理論的には正確かもしれない。ただ、ハイパーインフレについての点は見落としている。それは「いついかなる場所においても政治的」なのだ。
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http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0OW0AG20150616#1
5月の貿易収支は2160億円の赤字、赤字幅は大幅縮小
2015年 06月 17日 09:13 JST
[東京 17日 ロイター] - 財務省が17日に発表した5月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は2160億円の赤字となった。2カ月連続で赤字となったが、赤字幅は前年同月の9172億円に比べ大幅縮小した。
輸出は前年比2.4%増の5兆7405億円。9カ月連続で増加した。輸出は円安による価格押し上げでプラスを維持するが、海外経済の減速で小幅増加にとどまった。
品目では半導体等電子部品(11.8%増)、船舶(37.1%増)、ポンプ・遠心分離機(8.8%増)などが増えた。
地域別では、米国向け輸出が前年比7.4%増、中国向け輸出は同1.1%増だった。
輸入は同8.7%減の5兆9564億円。5カ月連続で減少した。原粗油(31.7%減)のほか、液化天然ガス(44.1%減)、鉄鉱石(43.0%減)などが減少した。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は2260億円の赤字。輸出は前年比3.5%増、輸入は同7.5%減だった。
*内容を追加します。
(吉川裕子)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0OW2WP20150617
コラム:黒田発言で「ドル130円」消滅は本当か=鈴木健吾氏
2015年 06月 16日 18:47 JST
鈴木健吾 みずほ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 16日] - 黒田東彦日銀総裁が6月10日の衆議院財務金融委員会で行った為替市場に関する突っ込んだ発言が波紋を広げ、円相場に影響を与えている。
確かに、これまでとは明らかにスタンスが異なる内容もあり、短期的には円売りに歯止めをかける要因であることは間違いなさそうだ。
しかし、その全般的な内容や外部環境などに鑑みると、中長期的にはさらなる円安をせき止めるにはやや力不足であると考えている。16日の参議院財政金融委員会に続き、19日の日銀金融政策決定会合後の総裁会見でも発言の修正を図る可能性があり、目先はその内容が注目される。
まず、10日の発言内容を振り返っておこう。注目すべきは以下の2点だろう。
第1に、実質実効為替レートベースではあるものの、さらなる円安についてクギを刺す発言を行った点だ。具体的には、「これ以上少しでも円安になれば絶対ダメとも言えない」としながらも、「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるとは普通に考えればありそうにない」と述べた。
第2に、リーマンショックによる過度の円高は解消されたとの認識を示した点だ。「リーマンショック前の水準が正しいという根拠はない」としつつも、「リーマンショック後に急速に進んだ円高はこの3年間で是正された」と述べた。
黒田総裁の発言が市場でサプライズと受け止められたのは、まず実質実効レートと断りつつも「さらなる円安はありそうにない」と、かなり直接的な言及を行ったからだ。2点目については、先月も同様の言及を行っていたとはいえ、「リーマンショック後に過度に進んだ円高が修正しているだけ」としていた従来のスタンスから「過度の円高の修正は終了した」との新たなスタンスに切り替わったことを改めて強く示した格好となった。
ちなみに、この2つの発言は為替「水準」への言及であり、「変動スピード」に対するものではなかったことも驚きをもって受け止められた。
<計算済みの発言か>
円安のメリットについても、これまでよりもトーンが弱まっている。具体的には、「円安は全体的には日本経済にプラス」としつつも、「これまで円安が経済にプラスだったから、さらなる円安でさらにプラスになるということではない」と語っている。
ただ一方で、物価動向については「基調に変化が出れば躊躇(ちゅうちょ)なく調整する」と、これまで通り2016年度前半の消費者物価上昇率2%目標は堅持する方針を示し、この達成のためには追加緩和を実施する可能性も残している。
同時に為替相場は「ファンダメンタルズを反映したレンジで推移するのが望ましい」としたが、これは5月28日に1ドル=124円近辺で「主要通貨の為替レートが経済のファンダメンタルズから大きくかい離しているとは思わない」と発言していることと併せると、現状の120―125円程度の水準は容認していると見られる。
財務官まで務め上げた日銀総裁が行った発言だけに為替市場の動きは「計算済み」だった可能性が高いが、「アクシデント」だった可能性も捨てきれない。(黒田総裁も言及したが)為替市場の動向に関する責任と権限は財務省にあるうえ、国会は日銀総裁が為替市場に対する見解の変更を表明する場ではない。
19日には政策決定会合後に総裁会見が予定されるなか、元財務官が財務省の権限を飛び越えて国会で日銀の為替市場に対する見解の変更をわざわざ表明するだろうか。その後、「日銀総裁の責任のもとでの発言だろう」(菅義偉官房長官)「黒田総裁はそんなつもりで言ったわけではないと言っていた」(甘利明経済再生相)との発言も報じられており、少なくとも政府と日銀の間での統一された方向性があるわけではなさそうだ。
一連の発言は日銀に対して厳しい発言を繰り返してきた民主党の前原誠司衆議院議員とのやり取りのなかで飛び出している。黒田総裁は数回にわたって前原議員の発言をかわしているが、その後、前述のようないくつかの発言がアクシデント的に出た可能性がある。
実際、黒田総裁は16日の参議院財政金融委員会で「名目ベースで円安を望んでいないとか、円安にならないと言ったわけではない」と10日の発言を修正するかのような発言を行っている。19日の政策決定会合後の会見でも同様に発言の修正を図る可能性が高いと筆者は見ている。
<追加緩和による円安は容認の可能性>
ただ、単純なアクシデントと捉えるのも無理がある。黒田総裁は財務官に続き、アジア開発銀行(ADB)総裁、日銀総裁に就くほどの人物であり、財務官時代には為替市場での介入も経験している。半分は意図する部分があったと見るのが自然だろう。
背景としては、環太平洋連携協定(TPP)に関する環境などが考えられる。TPPの年内大筋合意に向けた交渉が続き、米国でこれに関する重要な法案の審議が大詰めを迎えるなかで、5月半ば以降に見られたボラティリティの上昇に歯止めをかけるとの意図があった可能性もある。ドルの激しい動きは、米国の法案成立に悪影響を与えるからだ。
つまるところ、10日の黒田総裁発言の真意を忖度(そんたく)すれば、総じて現状の水準はファンダメンタルズから照らして特別な警戒を発しなければならないようなレベルではないが、リーマンショック後の過度の円高修正はおおむね達成され、円安の日本経済に対するメリットなども考慮すると現状レベルには一定の満足感があるといった感じなのではないだろうか。
仮にこの見立てが正しければ、確かに過去数年の円安容認姿勢からは明らかな変化であり、短期的には円買い材料と受け止められやすいだろう。
ただ、この程度の変化であれば、2016年末までの中長期的な時間軸において円安ドル高トレンドを転換するには力不足であると筆者は考えている。
まず、日銀は緩和的な金融政策を継続し、それが引き起こす円安を容認する可能性が高い。黒田総裁はこれまで、円安と金融政策の関係について主要7カ国(G7)の声明に沿う形で「金融政策はあくまで物価安定の実現を目指したもの。その過程で為替が振れることはあり得るが、円安をあてにして運営しているものではない」(4月23日参院財政金融委員会)と発言している。
前述したように、10日の発言でも改めて来年度前半に消費者物価上昇率2%を目指す姿勢を示した。追加策を含めた緩和的な金融政策の継続は揺るがないと見られ、これがもたらす円安については「結果論」とのスタンスに変わりはないだろう。
さらに、現状スタンスの容認がある。一連の発言は現状の円相場に一定の満足感を示しているものの、これ以上の円安を食い止めようとの強い危機感を感じさせるものではない。この先のある程度の円安は容認すると見られる。また、経験則上、為替相場は行き過ぎる傾向がある。
加えて、「円安」ではなく「ドル高」の要因がある。昨年終盤以降、弱い数字が目立っていた米国の経済指標は、今後夏場に向けて循環的な回復傾向を見せ、年内の利上げ期待が高まる展開を想定している。
以上のことを勘案すれば、ドル円相場のメインシナリオは引き続き130円方向を目指す展開になると考えている。
*鈴木健吾氏は、みずほ証券・投資情報部のチーフFXストラテジスト。明治大学経営学修士。証券会社や銀行で為替関連業務を経験後、約10年におよぶプロップディーラー業務を経て、2012年より現職。
*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(here)
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0OW0NR20150616
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