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雑感。AIIBの出資比率
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715356.html
2015年06月16日 在野のアナリスト
韓国の古里原発1号機の廃炉が決定しました。日本も原発の廃炉を半ば決定していますが、遅々としてすすまないうちに、韓国に廃炉ビジネスをもっていかれるかもしれません。しかも、日本では廃炉に関して海外メーカーへの発注も検討されています。つまり日本メーカーにノウハウを蓄積し、世界の廃炉ビジネスで有利に立とう、という戦略性も乏しくなってきています。そもそも原発は廃炉まで含めて安価な発電コスト、と喧伝されてきました。しかし海外へ発注せざるを得ないのは、廃炉によりコストがかかり、実は割高ということが判明しつつあるためなのでしょう。日本原電の東海発電所で、廃炉についての研究もすすめられていますが、廃棄物の処理施設もなく、国内で廃炉を達成することさえ困難になりつつあります。
そんな中、米韓原子力協定が改定され、20%未満のウラン濃縮まで条件付で認められることになります。イランの高濃縮ウランも、20%を達成していると実しやかに語られますが、日本はいつのまにか、原発後進国に陥りつつあるのです。原発再稼動だけ一生懸命でも、日本が原発技術を輸出できなければ、単なる金くい虫、国外へ資金を流出するだけの存在となってしまいます。
中国主導のAIIBについて、一部ですが判明してきました。資本金は1000億$、そのうち中国が297億、インド83億、ロシア65億、この3ヶ国が常に理事ポストを得、独国が44億、韓国が37億とつづきます。アジア圏で75%、域外圏からの出資が25%と固定化されますし、中国が事実上の拒否権を発動できる25%以上を1国のみが握ってしまう、という些かバランスの悪い構成です。
バランスの悪さは、中印露と、理事ポストにつく3国が旧共産圏、もしくはそれに近かった国に該当する点です。しかも最近では仲がよくなってきてはいますが、互いに争っていたほどの関係にある。インフラ案件の選定や議事の進め方などで、この3国が互いに協調していけるのか? 不安も感じます。しかも印露が協調しても、中国一国に敵わない。本当に中国による、中国のための、中国にとって最良な方法での運用になりかねない点は、懸念として残ります。
しかもインドはモディノミクスに不透明感が漂います。株価は好調でも、それは世界全体がそうですから、インドに限ったことではない一方、人材の配置がすすまず、政策の停滞も指摘されます。露国は中銀が利下げに踏み切っていますが、一時期より緩和したとはいえ、ルーブル安、原油安がかなり経済にダメージとなっており、未だに原油価格に左右される脆弱な経済構造です。さらに中国は、上海株式の下落がはじまっているように、需給で大きく動いてしまう。最早、経済情勢は正しく反映されておらず、金融緩和に頼っている、こちらも脆弱さを指摘されます。つまり理事ポストの3国が、それぞれ経済に不安を抱えているのが現状なのです。
投資案件の綱引きは、発足当初からはじまることが確実なのでしょう。さらに経済の失速が顕著となった韓国、危険水域とされるブラジルなども30億$以上の出資を余儀なくされ、それに耐え切れるか? と云った問題もでてくるはずです。中国が頑張っているのか、利権を独占したいだけなのか、それは情勢次第で大きく変化する、とも言えるのでしょう。高待遇で国際投資を担う、金融機関を率いることのできる人材を引き抜き、ともされますが、IMFでさえギリシャ問題で苦労する中、AIIBの困難さは如実に、発足当初からあらわれてくるのでしょうね
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