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決断迫られるギリシャ、失うものは何もない 債権団の提案を拒否し、デフォルトした方が得策(Financial Times)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/711.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 16 日 01:03:05: igsppGRN/E9PQ
 

             ギリシャの首都アテネの議会に掲げられたギリシャ国旗〔AFPBB News〕


決断迫られるギリシャ、失うものは何もない 債権団の提案を拒否し、デフォルトした方が得策
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44039
2015.6.16 Financial Times JBpress


(2015年6月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 さあ、ついにこの局面が訪れた。ギリシャのアレクシス・チプラス首相が提案を受け入れるか否かの二者択一を迫られた。首相はどうすべきなのか。

 チプラス氏は2019年1月まで選挙に直面せずに済む。今どんな行動方針を決めるにせよ、その方針は向こう3年以内に実を結ばなければならない。

■提案受諾は二重の自殺

 最初に、2つの極端なシナリオを対比しておこう。債権者の最終提案を受け入れるか、あるいはユーロ圏から去るか、だ。提案を受け入れることで、チプラス氏は6カ月以内に国内総生産(GDP)比1.7%に相当する財政再建に同意しなければならない。

 筆者の同僚のマーティン・サンドゥブは、そのような規模の財政再建がいかにギリシャの成長率に影響を与えるか試算した。筆者は債権者が要求している通り、丸4年間の財政再建策を盛り込むよう、この試算の範囲を広げてみた。

 双方向のプロセスである財政政策とGDPの相互作用に関してサンドゥブが立てたものと同じ前提に基づくと、4年間の累計でGDPの水準に12.6%の打撃が及ぶという数字が出た。ギリシャの対GDP債務比率は200%に近づき始める。

 筆者の結論は、トロイカのプログラムの受諾は二重の自殺に相当するというものだ。ギリシャ経済にとって、そしてギリシャ首相の政治的キャリアにとっての自殺である。

 では、正反対のシナリオである「Grexit(グレグジット)」は、それよりましな結果を生むだろうか。もちろん、そうなる。それには3つの理由がある。

■グレグジットの方が好ましい3つの理由

 グレグジットの最も重要な効果は、ギリシャが馬鹿げた財政再建を放棄できることだ。ギリシャはそれでも小幅なプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字を出す必要があり、それには一度限りの調整が必要になるかもしれないが、それだけだ。

 ギリシャはすべての公的債権者――国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)、欧州安定メカニズム(ESM)、欧州債権国からの2国間融資――に対してデフォルト(債務不履行)することになる。だが、数年後に市場に対するアクセスを取り戻すという戦略的な目的を持ち、民間ローンの元利払いはすべて継続する。

 2つ目の理由は、リスクの低減だ。グレグジットの後は、誰も通貨変更のリスクを心配する必要がなくなる。また、ギリシャはすでに公的債権者に対してデフォルトしており、民間投資家の信頼を取り戻すことに懸命になっていることから、全面的なデフォルトの可能性は大幅に低下している。

 3つ目の理由は、経済の対外ポジションに対するインパクトだ。

 欧州北部の小さな経済国と異なり、ギリシャは比較的閉ざされた経済国だ。GDPの約4分の3は国内での生産だ。

 残りの4分の1のうち、大半は通貨切り下げで恩恵を受ける観光業から来る。

 通貨切り下げの総合的な効果は、アイルランドのような開かれた経済で行われた場合の効果には遠く及ばないものの、有益であることに変わりはない。3つの効果のうち、短期的に最も重要なのは最初の効果だが、長期的には2番目、3番目の効果が大きい。

 グレグジットには、もちろん、落とし穴がある。主に、非常に短期的な観点での落とし穴だ。新通貨を突然導入すれば、大混乱する。政府は資本規制を導入し、国境を閉鎖せざるを得ないかもしれない。そうした1年目の損失は大きなものになるが、混乱が収まった後、経済は急速に回復するだろう。

■酔っ払いはいずれ素面になるが・・・

 これら2つのシナリオを比べていたら、酩酊状態は醜さとは異なり、徐々に消え去る性質だと言ったウィンストン・チャーチルの言葉を思い出した。1つ目のシナリオはとにかく醜く、常に醜悪であり続ける。2つ目のシナリオは二日酔いをもたらすが、その後は必ず素面になる。

 だから、もしこれが選択肢だったとすれば、ギリシャ人はグレグジットの方を好む合理的な理由を持つことになる。だが、これは今週下される決断ではない。選択肢は、債権者の提案を受け入れるか拒否するか、というものだ。グレグジットは、提案を拒否した場合の潜在的な(ただし、確実ではない)結果なのだ。

 もしチプラス氏が提案を拒否し、最終期限――6月18日に予定されているユーロ圏財務相会合――に間に合わなければ、7月と8月に期日を迎える債務返済でデフォルトする結果になる。

 その時点では、ギリシャはまだユーロ圏内にとどまっており、ECBがギリシャの銀行に供与する流動性を許容可能な限度以下に絞った場合に限って、ギリシャはユーロ圏離脱を余儀なくされるだろう。これが起きる可能性はあるが、避けられない結果ではない。

 ユーロ圏の債券者はその時点で、ギリシャの債務減免について協議することが自分たち自身の利益になると判断する可能性が多分にある。各国の立場を考えてみればいい。

■ギリシャがデフォルトすれば、仏独だけで1600億ユーロの大損

 もしギリシャが公的部門の債務すべてをデフォルトすることになれば、フランスとドイツだけで、およそ1600億ユーロの損失を被ることになる。ドイツのアンゲラ・メルケル首相とフランスのフランソワ・オランド大統領は史上最大の金銭的な敗者として歴史に名を残すことになるだろう。

 債権者は現在、債務減免に関するいかなる交渉も拒否しているが、ひとたびギリシャがデフォルトし始めたら、状況は変わるかもしれない。

 交渉すれば、すべての人が恩恵を受ける。減額された債務負担の元利を払うための財政再建はより容認できるものになるため、ギリシャはユーロ圏にとどまるだろう。一方の債権者は、そうでなければ確実な損失の一部を取り返すことができる。

 要するに、ギリシャは今週の提案を拒否することで、本当の意味で損をしようがないのだ。


 

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コメント
 
1. 2015年6月16日 06:15:18 : 1ngw2OuUP6
共通通貨が為替の変動リスクをなくして、国外に流出できるシステムこそ、ドイツやフランスの銀行が巨額の不良債権を保有するに陥った原因だ。

ユーロの共通通貨システムが国家間の資金移動を容易にした。このような資金の流れに重大な欠陥が潜んでいたことを反省する時が来たようだ。


ユーロ圏の弱貧国の国民が得たユーロ=マネーはユーロ圏の盟主ドイツとフランスにすぐ還流してしまう。国家は通過点に過ぎないのだ。ギリシャ問題は氷山の一角だと認識するのが正しい経済理論だ。


2. 2015年6月16日 08:25:18 : 1Lw5RHsEaI
またギリシャか。もう飽きたよ。
リーマンショックもギリシャ危機も、その後起きたのは株価とそこの通貨の大暴騰でした。
仮病も良い所だね。
同じ手で今度はどこで何をするつもりか、田舎芝居は面白い。

3. 2015年6月16日 10:19:44 : 1Lw5RHsEaI
02です。
今度は流石に多少は危機を演出するかも。
そうでもしないと、みんな「ナントカ危機」を信用しなくなるから。
まあその前に欧州株価は急激に上がり過ぎてますしね。
まあ上にも下にも五分五分かなあ。

4. 2015年6月16日 16:46:44 : RQpv2rjbfs
借金は踏み倒せばよい、貸した方にも責任があるからだ、利息には踏み倒されたときの損失も含まれているんだ、開き直れば良いのだ、サラ金地獄で自殺するのは最も愚かしい選択だよね。

ギリシャは間違いなく踏み倒す、そして日本国も国債を踏み倒すだろう。デホルトってことが結論でした。


5. 2015年6月16日 22:10:08 : 0IqMh0gnOs
ギリシャ支援協議、来週の合意には「奇跡必要」=フィンランド首相
2015年 06月 16日 20:21 JST

[ヘルシンキ 16日 ロイター] - フィンランドのシピラ首相は16日、ギリシャが国際通貨基金(IMF)への債務返済期限である6月末までに債権団と支援協議で合意に達するには「奇跡が必要」と悲観的な見方を示した。

同首相は記者らに対し「状況は厳しく、期限は迫っている。言えるのは、問題が来週解決するには奇跡が必要だということだ。ただ、誰もがまだそれを目指している」と発言。

「ギリシャの債務不履行(デフォルト)の可能性については、前週の主要7カ国(G7)首脳会議の合間に話し合われた。一部の首脳は、その心づもりができていた」と述べた。

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPKBN0OW18W20150616


6. 2015年6月16日 22:49:12 : zi8L3V48xo
日本も福島第一原発の汚染水を太平洋に垂れ流しているから、いずれ世界各国から巨額の損害訴訟が起きるのは確実。これに対して日本政府は、国家破産で対応するだろう。これを決定するのは、現在のアベコベ首相の次の首相になるだろう。

ギリシャは4さんの言われるように、国家破産を選択するだろう。そしてロシアの傘下に入るだろう。


7. 2015年6月17日 01:20:29 : 5IfA1fveDg
2. 2015年6月16日 08:25:18 : 1Lw5RHsEaI
またギリシャか。もう飽きたよ。
リーマンショックもギリシャ危機も、その後起きたのは株価とそこの通貨の大暴騰でした。
仮病も良い所だね。
同じ手で今度はどこで何をするつもりか、田舎芝居は面白い。

米国債がやばい
金利急騰を何とかしたい。



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