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今週の株式市場は身構えか?
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52715274.html
2015年06月15日 在野のアナリスト
政府による月例経済報告で、基調判断は据え置き、設備投資のみ上方修正しました。しかし需給不足はGDP改定値の上方修正で、小幅に改善したものの未だにマイナス。つまり需要が圧倒的に足りていません。予想インフレ率は高まっているものの、需要があってそうなっているわけではない、ということがここからも読み解けます。トリクルダウンが起こらない理由は、これまでも示しているように富裕層は投資収益を、再投資に回す。それを現金化するときは、すでに景気が失速したとき、市場が下落をはじめたときであり、より防衛的となり、消費しない。そういったごく一般的な行動原理で否定することが可能でもあります。
ではインフレ予想が高まっても消費が増えないのは、そもそも日本では耐久消費財など買い替え需要がメインです。壊れてから買い換える、が一般的であり、壊れていないのに買うことはしません。しかも食料品の値上げなど、生活必需品の支出が増えることでより買い控えが起き、需要不足がすすむ。これまで安倍ノミクスで理論的に語られた、景気回復のシナリオは一切が現実問題、実践によって否定されているのです。設備投資が上方修正されても、法人企業統計でみる限り、年前半に多くが集中し、後半は失速します。そのとき年後半、設備投資にかわる別の景気押し上げ作用がない限り、失速することが自明となります。
今週は米FOMC、日銀金融政策決定会合があり、今後の方向性において重要とされます。また手続き上、今週末までに決着しないとギリシャ再支援が間に合わず、6月末に引き伸ばした返済期限で、デフォルトという事態になることも予想されます。今週はいつにも増して株式市場は動き難く、一方で債券市場が振られやすいため、その動きに吊られる形になるのでしょう。
実際、先物市場への動きは一気に細り、薄商いのところを個人の現物買いで切り返した、というのが今日の市場です。日本は債券市場の急変動がおこりにくいので、外国人投資家は資金を傾けてくるか、注目されましたがそれもありません。先週末、メジャーSQ値を超えられず、幻のSQとなっていますが、あえて上昇局面を演出する必要もないほど、今週の様々な情報を待ってから動きたい、といった思惑が強く働いているのでしょう。ただし、それこそ今週のイベントは大きな変動要因となり得るものであり、それを一つ一つ確認する作業となります。
そんな中で、重要なのはギリシャ問題です。欧州では破綻に備えて動きだしましたが、現状では材料が出揃っているわけではないため、どれほど影響が拡大するかはわかりませんが、欧州では危険とされる国の国債利回りが上昇するなど、デフォルトが連鎖する懸念も滲みます。
東日本でも突発的な嵐があり、また旧グルジア、ジョージアでも首都が洪水に見舞われています。天候は最近、瞬間的に変化し、またそれが暴風や雹などを伴う、大嵐となっています。経済の世界も、そうした傾向が強まってきているのかもしれません。投資家が大嵐を避け、雨宿りをはじめると今の世界経済は、一気に萎むことが予想されます。トリクルダウンがおこらない理由、それは天候でいうところのダウンバーストがおきるときと重なるのかもしれませんね。
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