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30〜50代男女の不幸感
日本の中高年未婚男性の「不幸感」が突出しているのはなぜか
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150614-00000023-pseven-soci
NEWS ポストセブン 6月14日(日)16時6分配信
日本の未婚男性の不幸感が既婚男性に比べて高いと話題だ。世界の社会科学者による国際プロジェクト「世界価値観調査」(2010〜2014年)の調査結果から算出された不幸感が、日本の30〜50代既婚男性が6.5%だったのに対し、未婚男性は43.5%にものぼったからだ。不幸感の算出をした武蔵野大学講師で教育社会学が専門の舞田敏彦さんも「反響が大きいですね」と驚いている。
「家族は専門外の分野ですが、まったくの好奇心からデータを調べてブログ記事にしたところ、PV数はふだんの10倍以上になりました。私自身が39歳独身で、周囲から『楽しいでしょう』『独身貴族だな』とよく言われるのですが、まったく実感がない。それが証明できました。
記事への反応に不幸感については未婚との因果関係が逆、収入などの要素が大きいなどの意見があるように、単純に未婚とだけ結びつけるのは難しい問題です。それでも、不幸感のデータによって、最近の中年男性をとりまく、どんよりした空気の正体が見えてきたと思います」
舞田さんが算出した不幸感とは、「あなたはどれくらい幸福ですか」という質問に対し「あまり幸福でない」「全く幸福でない」と回答した比率のこと。日本やアメリカなど23か国の30〜50代の回答を男性既婚、男性未婚、女性既婚、女性未婚の4つのグループでそれぞれ比較した結果が表とグラフになってブログに掲載されている。
記事がネットで拡散されると、未婚の中年男性への同情や共感とともに「日本人で『幸せですか』と聞かれて『幸せ』と答える人は少ない」と調査の有効性を疑う声もあがった。それに対し舞田さんは、既婚者と未婚者の差が大きいことがこのデータでもっとも注目すべき点だという。
実際に、日本男性の既婚と未婚での不幸感の差は37.0ポイントと23か国のなかで極端に大きな数字だ。ちなみに、日本の女性既婚は5.3%、女性未婚は8.1%で、両者の差は2.8ポイントしかない。
「幸福と不幸は主観なので、『幸せ』と答えないと恥だと思うブラジルと日本を単純に比較できません。でも、既婚と未婚の差については客観的なデータといえます。これとは別に離婚と自殺の関係を調べたことがありますが、男性だけが離婚によって数値が高くなっていた。中年男性にとって、情緒安定機能を果たす集団が『家族』に偏っているのでしょう。パートナーを持つ形式の多様化や、子どもを持つチャンスの拡大など、家族の枠を広げれば状況は改善すると思うのですが、なかなか変わりませんね」(前出・舞田さん)
舞田さんが「専門外です」と言いながら中年男性のデータを算出するのは、政策をすすめるのに役立つデータになると考えているからだ。
「今回の中年男性未婚の不幸感は、第2次ベビーブーム世代を中心とした人口が多い世代の問題をあらわしていると思います。教育学の世界でも、子どもや老人などわかりやすい世代ばかりが対象にされがちですが、人口が多い世代の問題は社会問題につながります。中高年は支援の対象になりにくい存在ですが、エビデンスを積み重ねていくことで政策担当者が動くきっかけになってほしいですね」(前出・舞田さん)
第2次ベビーブーム世代が成長する過程で社会問題となった事象は多い。学生時代はいじめ、社会人になると引きこもりやニート、今は次のフェーズに突入しつつあるようだ。不幸感が話題になる少し前、お金がなくてモテないオッサンを男性弱者と呼び、その弱い男性が増えているのに見過ごされていると話題になった。可視化するのが難しい問題だが、中高年未婚男性の不幸感は見過ごせない問題だろう。
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