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黒田バズーカは“裏目”(C)日刊ゲンダイ
黒田日銀「異次元緩和」大失敗 エコノミストがデータで裏づけ
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/160760
2015年6月14日 日刊ゲンダイ
黒田日銀が導入した量的緩和政策による急激な円安が、庶民を苦しめている――東短リサーチ・チーフエコノミストの加藤出氏の調査で、その事実が裏付けられた。加藤氏がまとめたリポート「円安が殺ぐ消費マインドの改善」の内容は衝撃的だ。
内閣府が毎月発表する消費者態度指数(数値が大きいほど消費マインドが楽観的)をもとにした調査では、日銀の量的緩和が始まった2013年4月からの2年間で、低所得者層の消費マインドの悪化が高所得者層に比べ顕著だというのだ。
年収「950万〜1200万円」の高所得者層は13年4月時点で49・0ポイントだったが、15年4月には47.6ポイントと1.4ポイント悪化した。それに対し、年収「300万円以下」の層は同じ時期に41.8ポイントから37.7ポイントと4.1ポイントも低下した。悪化幅は約3倍もの開きがある。
■低所得者ほど物価高心配
それだけじゃない。低所得者層は高所得者層よりも、将来の物価高を不安視する傾向が強いという。1年後に5%以上のインフレを予想する割合は、年収「950万〜1200万円」の層で16.5%(13年4月)から23.2%(15年4月)と6・7ポイント増加だった。一方、年収「300万円以下」は、20.5%から33.2%と実に12.7ポイントも増えているのだ。年収300万円以下の低所得者層は3人に1人が物価高を心配しているということだ。
そもそも、黒田日銀は量的緩和の実施で国民のインフレ予想を高め、消費を活性化。企業業績を向上させ、賃金増につなげる狙いだった。ところが、結果は真逆。低所得者層は消費を抑え、将来の物価高を懸念し、財布のヒモはガチガチだ。
「年収300万円以下の層には、年金だけで生活する高齢者が多く含まれているとみられます。彼らにとって、消費税増税と年金の目減りが大きな痛手になり、消費マインドを低下させたのでしょう。円安の恩恵で賃金が上がったのは大手製造業の社員がメーン。中小零細で働く方は、まだまだ賃上げをイメージできる状況になく、将来を不安視しているのです。今後も量的緩和策が続けば、中低所得者層はより一層、困窮していくのではないでしょうか」(加藤出氏)
黒田は自らの失敗を早く認めたらどうか。
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