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箱根湯本の駅前通り。客足が激減している=7日
温泉街悲鳴 噴火警戒引き上げから1カ月の箱根ルポ 人出は3分の1に
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150613/dms1506131530001-n1.htm
2015.06.13 夕刊フジ
日本屈指の温泉地がピンチだ。箱根山の噴火警戒レベルが2に引き上げられて1カ月が過ぎ、規制区域となった大涌谷(神奈川県箱根町)を中心に広がる温泉街に深刻な影を落としている。観光客が激減し、地元業者からは「いつまでこんな状況が続くのか」と悲鳴が上がる。その一方で規制エリアに無断で近づき写真を撮るやじ馬も。火山性地震に翻弄される名湯の街を歩いた。 (安里洋輔)
箱根温泉郷の玄関口、箱根登山鉄道・箱根湯本駅を訪れたのは6月初旬の週末午後3時。駅前の通りでは観光客がみやげ物を買い求め、客待ちのタクシーが列をなしている。行楽地ならではのほのぼのとした風景と言いたいが、そこには年中ごった返す湯本本来の姿はない。
「普段の人出はこんなものじゃない。騒動があってからお客さんは確実に減っている」(地元のタクシー運転手)。人出はピーク時の半分、いや3分の1といった印象だ。
発端は先月6日。噴火の兆候を示す火山性地震が頻発し、箱根山の噴火警戒レベルが、火口周辺の立ち入りを規制する「2」に引き上げられたことに始まる。
約30年間、同所でみやげ物店を営む店主(85)は、「風評被害がひどい。限られたエリアが規制区域になっているだけなのに『箱根全体が危ない』という誤解が広まって客足がガクっと落ちた」と肩を落とす。
箱根一帯には「箱根二十湯」と呼ばれる温泉地が点在している。
同県小田原市から箱根に続く国道1号を進むと、1878年から営業を続ける富士屋ホテル(箱根町宮ノ下)が姿を現す。チャプリンやジョン・レノンら多くの著名人が宿泊したことで知られる老舗中の老舗だ。
「来店客数の推移など具体的な数字は公表できないが、影響はやはりある。今はただ、じっと耐えるしかない」(ホテル従業員)
規制区域の大涌谷に近づくほど受ける影響はより深刻になる。
同所から約3キロ離れた小涌谷エリアの高級旅館では、失った客足を取り戻そうと、宿泊料金の割引や、ホテル内でのみやげ物のセール販売を始めた。宿泊客の男性は「普段は数カ月前から押さえないと取れない部屋でも前日に宿泊予約ができた」と言い、異変は明らかだった。
箱根ロープウェイの姥子(うばこ)駅がある仙石原エリアで34年にわたって旅館「箱根温泉山荘なかむら」(同町仙石原)を営む中村喬(たかし)さん(83)は、「1カ月、それとも1年…。いつまでこんな状況が続くのか。先が見えないのが何より辛い」とため息をつき、真っ白になった宿泊台帳を見せてくれた。警戒レベルの引き上げ以降の1カ月で客足はぱたりと止まり、売り上げは例年の4割程度に落ち込んだ。
立ち入りが制限されている大涌谷の半径300メートル以内には、温泉を供給する設備がある。そのため、温泉供給施設の点検が満足にできない状態が続き、「一時は湯量が極端に減って売り物の温泉が準備できない事態にもなった」(中村さん)。週末になると観光客らの車で渋滞となった道路も、今では車列ができることさえ珍しいという。
観光客にかわって出没しているのがやじ馬だ。
「ドライブがてらに蒸気を噴き上げる大涌谷を撮影して帰る連中が集まってきている。規制エリアに無断で近づく無謀な行動を取る者もいて問題になっている」(地元住民)
年間約2000万人の観光客が訪れる箱根町。入湯税収入は、全国最多の年間約7億円で、町の税収の約1割に及ぶ。勃発した“噴火寸前パニック”は、「観光の街」を支える生命線を確実に脅かしつつある。
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