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働く目的は「おカネじゃない」リタイア後に会社再建! アドレナリン全開で働く65歳
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150613-00015401-president-bus_all
プレジデント 6月13日(土)15時15分配信
ほどよい緊張感のある健康的な生活を送りながら、報酬も手にできる――。定年退職した後の「第2の仕事人生」を生き生きと充実させている人がいる。一方で、退職と同時に家にひきこもり、心身の健康も崩しがちになり、妻や子どもに疎んじられてしまう人もいる。両者の分かれ道はどこにあるのか。
■通常は定年後に稼げても月3万
働く意志がある場合、どうすれば自分に適した職を見つけることができるのか。すぐに思いつくのはシルバー人材センターだろう。原則、市町村単位に置かれ、定年後世代に無理のない働き方で仕事を斡旋する。
ただし、シルバー人材センターは「生きがいを得るための就業」が目的で、ボランティアも多い。報酬は、平成23年度の統計で、年間1人42万円だそうだ。
ほかにも、60代以上の社員が要となっている民間の会社もここ数年、登場している。しかし、定年世代がすぐに再就職先を見つけることはまだまだ難しい。報酬も月10万円稼ごうと思うと、状況としてはかなり厳しいと言わざるをえない。『好きなことで70歳まで働こう! 』の編著者で、サラリーマン研究の第一人者でもある西山昭彦さんは、年をとってもしっかり稼ぎたいと思う人は、今までやってきた仕事の延長上で雇用先を見つけることこそ最良、という。だからこそ、定年退職の5年前から社内外に「営業活動」をする重要性があると説く。
「現役の頃は嫌なヤツにも仕事が回ってきます。しかし、上司にゴマをすって出世したような人は、退職したら誰からも相手にされないでしょう。退職しても活躍するには、若い人たちから『あの人ならば仕事をあげたい、紹介したい』と思われる人柄であることが大前提です」
退職前の5年間は会社員人生を振り返る時間でもある。社外でも通用するスキルや経験を冷静に自己評価し、必要であれば磨きをかけるのだ。
「未経験の分野に挑戦しても若い人材に勝てるわけがありません。サラリーマンは、比較的長期にわたって担当して評価されてきたスキルや経験だけが市場価値を持つのです」
西山さんによれば、定年退職後の働き方は「前職と同じ分野か別分野か」と「雇用か起業・個人事業主か」の2軸で4つに分類できる(図参照)。この中で最も無難で仕事を見つけやすいのが「前職を活用できる分野で雇用される」ことなのだ(A)。
「他人を雇って起業することはやめたほうがいい。サラリーマンは特化した能力を会社に売ってきた人たちです。起業できるならばとっくにやっているはず。今さら経営者は無理があります。せめて自宅で開業できる個人事業主になるべきです」
4つの分類の中でも「前職と別の分野で独立開業」(D)はハードルが高そうだ。では、他の3形態の成功者にそれぞれ登場してもらうことにしよう。
■業界有名人でも、オファーなし
伊藤元規さん(65歳)
重電機メーカーである富士電機の計算機関連部門に勤めていた伊藤元規さん(65歳)は、60歳で退職後にITベンチャー企業に平社員として雇われ、現在はなんと社長職を務めている。ただし、5年前の再就職活動は簡単ではなかった。
「私はこの業界では名前が売れていたので、退職しても引く手あまただと思っていました。しかし、人材紹介会社に登録しても何の引き合いも来ない。私は収入や肩書にはこだわりませんでした。すごくお買い得な人材ですよ。紹介会社はどこに目をつけているのでしょうか」
伊藤さんの自己評価は過大なものではない。40歳のときに技術職から営業職に異動して以来、コンピュータシステムの専門知識を備えた営業マンとして部門の業績向上に大きく貢献してきた。
なかでも、実績ゼロから営業を指示された公共分野では文書管理システムに特化して売り込みに成功。主要な地方自治体およびすべての省庁で利用されるシステムを構築した。文書管理システムでトップシェアを取った伊藤さんは「金メダル」を取った気持ちになった。ただし、現役の営業マンとしてまだ十分に働ける自信と意欲がある。65歳の定年を待たずに会社を卒業し、新天地を求めた。しかし、伊藤さんのようなトップ営業マンでも、一般の人材募集では年齢だけで足切りされてしまうのが現実だ。
伊藤さんには「65歳までは営業の現場で働き続ける」という強い意志があった。人材紹介会社に見切りをつけ、会社員時代に面識のあったITコンサルティング会社の役員に「雇ってください」と直談判。それが現在の勤め先であるITbookだ。
「役員からは『うちはやめなさい』ととめられました。当時、業界での評判は芳しくなくて、業績も悪化していたからでしょう」
とにかく現場で働きたい伊藤さんは構わずに入社。1人の部下もいない「部長代理」として、いきなり周囲を驚かせる成果を挙げる。麻生内閣最後の補正予算で組まれた地方自治体のクラウド化の実証実験で、とりまとめ役の座を獲得したのだ。複数の大手コンサルティング会社が狙っていた案件で、伊藤さんの実力がなければなしえないことだ。
「実証実験とはいえ、テストで終わらせるつもりはありませんでした。参加した76の市町村で、45ほどはそのままクラウド化の本番に移行しました」
以来、ITbookは破竹の勢いで公共分野の新規開拓を続けている。「自治体クラウド」や「マイナンバー制度」に関しては相談や講演依頼がひっきりなしに来る。両分野では伊藤さんが第一人者と言って過言ではないからだ。
「前職を辞めるときに唯一捨てなかったのがお客さんたちとのつながりです。公共の情報システム分野で力のあるキーパーソンたちにずっと応援してもらっています」
思い返してみれば、前職で活躍していた頃もそのキーパーソンたちに見込まれ、支えられてきた。口コミで仕事が舞い込んだ。プロの職業人として築いた信頼関係は所属する会社が変わっても揺らぐことはない。
現在、ITbookの株価は伊藤さん入社時の30倍に上昇中だ。立役者の伊藤さんは副社長を経て社長に就任し、入社時は「こだわらなかった」年収は皮肉にも自己史上最高額に達している。
「でも、私自身は(自社)株を持っていませんよ。働いている目的はお金ではないのです。退職前に計算したら年収300万円あれば十分に生活できることがわかりました。私は日本を良くするために働きたい。クラウドもマイナンバーも行政の効率化に多大な貢献をします。様々な関係者に『あと5年、少なくとも3年は伊藤さんに働いてもらわないと困る』と言われています」
30歳と28歳の息子たちは「お父さん、いい加減に仕事を辞めたら」と呆れている。今年(2013年)は9月中旬時点で「正月から1日も休めていない」という父親の猛烈ぶりに驚いているのだろう。
前職より仕事を休めなくなったと苦笑いしながらも、伊藤さんは今日もアドレナリン全開で働いている。
大宮冬洋=文 伊藤千晴=撮影
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