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評価が急上昇!使える数字マジック25[基礎編-1]
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150613-00015413-president-bus_all
プレジデント 6月13日(土)12時15分配信
報告書の類いを書く際に思い浮かべるのが、上司の顔だけだとしたら要注意だ。あなたの上げた情報は、最後に社内で最も数字に強く、最も数字を欲しがる人物――社長や経営陣の手に渡るかもしれないのである。彼らが一目見て「こいつ、わかってる……」と唸るような“魔法の数字”とは何か? 書面に添えるべき数字の広いレパートリーと、その奥深さを探っていこう。
【STEP0】
物事を数字に置き換えるということは、究極の具体化である。だからこそ、常に具体性が求められるビジネスの場では数字が不可欠なのだ。私は様々な会議でいろいろな資料を見せてもらう機会があるが、数字が入っているということは非常に大切。数字がない資料など論外である。
ただ、数字の扱いはそう簡単ではない。その難しさには、いくつかの段階がある。
月々の売上高のような、単なる事実としての数字が大切なのは当然だ。しかし、事実には信憑性や確度の問題がついて回る。たとえば、営業報告書に記す来月の売り上げ予測でも、希望的観測で書かれた数字と、きちっと見積もられたそれとでは価値がまったく違う。数字の扱い方以前に、まず信憑性や確度を高めることを考えなくてはいけない。この売り上げ予測の場合なら、誰の情報が信用に足るかは、継続的に会議に出ていれば自然とわかるものだろう。
もう一つ、数字の丸め方も大切だ。売り上げ1000億円の会社なら、場合によっては100万円以下の単位は必要ない。一方、私が役員を務める従業員約9000人の企業では、一人当たりの1時間の生産性を計算しているが、5円違うと年間の利益の額が億単位で変わってしまう。ケースごとに丸め方を使い分けよう。
【STEP1】時系列の変化
こうした“ゼロ段階”を踏まえたうえで、改めて数字の扱いの基礎から述べていく。
まず経営陣が知りたいのは、過去からどう変化してきたかがわかる「時系列の推移」だ。その代表が、売り上げや利益の前月比、前年同月比、前年同期比だろう。多くのビジネスには季節要因があるので、このうちどれを使うかはケースバイケース。たとえば、蒲鉾は正月を控えた12月に売り上げが多く立つが、11月との対比ではなく、前年同月と比較して初めて意味がある。それとは別に、時にはすべての月の流れが必要な場合もある。過去12カ月の推移を、折れ線グラフや棒グラフで見せるとわかりやすい(図参照)。
目先の変化にとらわれぬ長期のトレンドの“転換点”を見るのに有用なツールとして、株式市場などで重用されている移動平均がある。たとえば12カ月間の移動平均は、過去12カ月の平均値を取り、翌月は13カ月前の数字を落として最新の数字を加え、その平均値を……という具合に継続して算出する。長期のトレンドがきれいに見えてくるので、事業戦略や事業環境の転換点を見るために使っている経営者もいる。
こういうちょっとした加工一つで、一段質の高い数字を提供できる。
【STEP2】他社との比較
さらに経営者が欲しがるのが「他社との比較」である。売り上げの比較と同様、戦略上大切なのがシェア。お客様の限られた予算を回していただくのが自社か他社かを知っておくことは非常に重要だし、一番とはいかぬまでも、ある程度のシェアを持たない“泡沫候補”では、マーケットをコントロールできなくなってしまう恐れがある。
シェアを計算する際、たとえばドコモ、au、ソフトバンクのように全国展開している企業であれば、全国シェアは当然必要だ。しかし、たとえば地域で争っているデパートなら、全国シェアは必要なかろう。
そういう場合は、地域内での同業他社との比較のほうに重きを置くべきだ。さらに大事なシェアが、重要なお客様の中でのシェアである。特に特殊な顧客の商品を扱っている場合、お客様の中で自社製品が何割占めているかは非常に大切な数字だ。たとえば、大手のA社に自社製品をお買い上げいただきながら、A社内のシェアが非常に小さければ、“経費○割削減”といったちょっとしたことでこちらが切られる可能性があるし、そうなった場合のダメージも大きい。
大口のお客様を大切にするのは当然だが、より重要なのは、お客様から見て自社がどれほどの存在なのかを冷静に把握しておくことだ。そこを戦略的に分析し、シェアの確保やリスクヘッジにつなげるためにも、こういう数字は必要である。
【STEP3】効率
さらに、経営者は「効率」を求める。ひと口に売り上げ・利益といっても、たとえば広域で飲食店を経営する人からすれば、部下が、一坪当たりの売上高(利益)もしくは、従業員一人当たりの売上高(利益)といった一歩踏み込んだ分析をしてくれると嬉しい。
たとえば、100坪で売り上げ1000万円の店と、10坪で同200万円の店とでは、売り上げだけ見れば前者が上だが、坪当たりの効率を見れば、10万円の前者よりも20万円の後者のほうが優秀な店舗であることがわかる。
要は、投下資本に対するリターンを経営者がきちっと把握できるような報告がありがたいのだ。もっといえば、社員はそういう具合に“報告したいと思う”感性を持っていないといけない。どの会社でも、報告書などのフォーマットはある程度決まっている。まずはそれをつくった人、さらにそれを見る人の立場や気持ちになって考えてみるといい。
「こんな数字を経営者に上げたら助かるんじゃないか、喜ぶんじゃないか」などと考えながら報告できる人は、将来経営者になれる人。経営者側も、実は部下のそういうところをよく見ているのだ。
繰り返すが、当てにならない予測を書いてくる人ははっきりいって論外。正確な数字が出せるか否かが第一段階で、数字が大きいほうがいいか、小さいほうがいいか、どこまで分析すればいいのか。経営者も、実はやたら分析ばかりされても、あるいは数字ばかりが出すぎても、かえって困るものである。
だから、キーとなる数字、経営者が知りたい数字をどこまで出せるかが勝負だ。
その関連でいえば、どの数字も絶対額と率の双方を押さえておくことが望ましい。たとえば、売上高は絶対額でしか見ないが、それを%で表した前年比もあると助かる。同じように、本業の収益である営業利益の金額と同時に、それを売上高で割った売上高営業利益率を算出して他社のそれと比較すれば、販売活動や管理活動が効率よく行われているか否かを判断する材料となる。
部門や会社全体の業績について多くの人が目安にしている数字といえば、売上高から仕入れ額を引いた売上総利益(粗利額)だが、同時に売上高総利益率(粗利率)を併せて知りたがるのが経営者の常であることをわきまえておくといい。
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小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶
1957年生まれ。京都大学法学部卒業、米ダートマス大学経営大学院でMBA取得。96年、小宮コンサルタンツ設立。著書多数。
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小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶 構成=西川修一
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