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TPPに逆風か、「交渉一任」法の成立めどつかず 米下院で採決も労働者支援部分を否決
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150613-00000500-biz_san-nb
SankeiBiz 2015/6/13 08:58
【ワシントン=小雲規生】米下院は12日、通商交渉の権限を大統領に委ねる貿易促進権限(TPA)法案を採決し、219対211の賛成多数で可決した。しかし自由貿易で不利益を被る労働者への支援策を定めた貿易調整支援法案は126対302の反対多数で否決。TPA法案と貿易調整支援法案は一体として扱うことになっているため、オバマ大統領の署名を経てTPA法が成立する見通しはつかない状態となった。
TPA法の成立は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされており、今回の投票結果はTPP交渉の逆風となる。またTPP推進のためにTPA法案可決を後押しし、12日の審議開始後に議会入りしてまで説得工作を続けてきたオバマ氏は「明確な拒絶を突きつけられた」(米紙ニューヨーク・タイムズ)かたちだ。
TPA法案を推進してきた共和党のベイナー下院議長は12日の採決直後、否決された貿易調整支援法案の再審議を求めた。オバマ氏も「下院は可及的すみやかに貿易調整支援法案を可決するよう求める」とする声明を発表した。米メディアによると、共和党内からは18日の再投票を目指す声が出ている。
共和党指導部やオバマ大統領は反対した議員の説得を続ける方針。しかし12日の投票では自由貿易に否定的な立場をとる民主党だけでなく、共和党からも全体の約3分の2にあたる158人が反対に回った。貿易調整支援法案が歳出拡大につながることや「反オバマ」の立場からの反対とみられ、再投票の行方は不透明だ。
貿易調整支援法案をめぐっては、民主党が財源を公的医療保険制度の縮小で補うとされていることに反発。共和党は内容を修正することを約束しているが、民主党からは「支援の対象に公務員が含まれていないことを懸念している」(ペロシ院内総務)といった新たな不満が出ていた。
12日の採決では貿易調整支援法案が投票で否決された後、共和党のマッカーシー院内総務が「世界が注目している」と述べて、TPA法案の採決を求めた。マッカーシー氏は当初、貿易調整支援法案が否決された場合はTPA法案を採決しない考えを発表していた。
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