財政について正論を語った新浪剛史サントリーホールディングス社長

【お金は知っている】財務省の“大嘘”を衝いた新浪氏　「再増税不可欠」の論拠吹き飛ばす
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150612/ecn1506121550001-n1.htm
2015.06.12　夕刊フジ

　「大きな嘘でも頻繁に繰り返せば真実になる」（ナチス・ドイツの宣伝相、ゲッベルス）。日本では、財務省が繰り返す「税収の弾性値１」なるものがそうだ。経済の名目成長率１に対して税収が何倍増えるかというのが弾性値で、１では、名目成長率と同じ伸び率でしか税収は増えない。たかが数字というなかれ、実は日本経済という巨船の航路を左右する羅針盤も同然である。

　財務省は弾性値１を、財政再建のためには緊縮財政が欠かせないという論拠とし、歴代の政権にデフレ下の緊縮財政を呑ませた。デフレの進行とともに税収が激減し、財政収支が悪化すると、消費税増税を仕掛け、アベノミクスで好転しかけた景気を再びマイナス成長に陥れた。

　財務省はこの２月に内閣府が発表した「中長期の経済財政に関する試算」でも弾性値１を基準とした。高めの経済成長率を維持しても消費税率を１０％超に引き上げない場合、財政収支均衡は困難という結論を導いている。性懲りもない日本自滅のシナリオである。

　弾性値１の根拠は薄弱きわまりない。景気が回復し始めた１３年度の弾性値は３・８に達する。岩田一政日本経済研究センター理事長を座長とする内閣府の研究会は１１年に０１〜０９年度の弾性値が平均で４を超えるという分析結果をまとめた。

　ところが、当時の民主党政権は報告書をお蔵入りにして、消費税増税へと突っ走った。財務官僚の「大嘘」に対しては、日経新聞など御用メディアや東大有名教授などが疑いもしない。政治家多数も鵜呑みにする。財務官僚が登場しなくても、仕組まれた嘘の情報が報道などを通じてそのまま国民に対して流されるので、「真実」となる。

　筆者は宍戸駿太郎筑波大学名誉教授などとともに、４、５年前から「狂った羅針盤」だと政府に是正を求めてきたが、メディアは同調せず、多勢に無勢だった。

　ところが、ここへきて初めて正論が安倍晋三首相の膝元で飛び出した。経済財政諮問会議メンバーの新浪剛史サントリーホールディングス社長が、６月１日の同会議で、「過去の税収弾性値をみても、経済安定成長期は少なくとも１・２から１・３程度を示している。今までの中長期見通しではこれを１・０と置いていた。これは保守的過ぎるため、弾性値を１・２から１・３程度にすることが妥当である」（同会議議事要旨から）と言い放ったのだ。

　上記の岩田氏らの弾性値に比べると、ずいぶん控えめな数値だが、絶対視されてきた財務省の弾性値を吹っ飛ばしたという点で、まずは画期的である。

　「１・３」の威力はかなりある。弾性値１・３を当てはめると、２０１７年度に予定している消費税率１０％に引き上げなくても、２３年度には消費税増税したケースよりも一般会計税収が上回る試算結果が出る。

　財務官僚がひた隠しにしてきた経済成長なくして財政健全化なしという、当たり前の真実がようやく明るみに出たのだ。　（産経新聞特別記者・田村秀男）

コメント
1. 2015年6月12日 18:36:31 : nJF6kGWndY >当時の民主党政権は報告書をお蔵入りにして、消費税増税へと突っ走った これも民主党の多くの負の遺産の一つだな 上げ潮派以外は、谷垣など自民党でも、多くの政治家は増税好きだ 財務省のせいというより、インフレが嫌いな日本人全般の影響かもしれないな >今までの中長期見通しではこれを１・０と置いていた。これは保守的過ぎるため、弾性値を１・２から１・３程度にすることが妥当 これは、これまでも多くの人が言い続けて来たことだが 弾性値が上ぶれるかどうかは、 今後、デフレから、しっかり脱却できるかどうか、 そして国内投資回帰が進み、産業の生産性が十分高まって企業利益と労働総報酬、そして消費の動向にかかっている 内需に関しては基本は少子高齢化で期待はできないから、輸出とインバウンド次第ということになり、 そうなると、やはり日銀頼みが続きそうではある http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_47.html#danseiti
2. 2015年6月12日 18:38:33 : AhbOEOSLHQ 「（安保法制で）やれ憲法がどうとかわけのわからん話にとられているから、話がおかしな方向になる」国を守る。家族を守る。そのためには抑止力は絶対に必要だ。それに対して抑止力があると逆に危ないと。攻められると。簡単に言えば流れは二つだ。と 麻生太郎・副総理が云ったそうだが・・・・・ その麻生太郎・副総理が兼務する財務省の財政債権問題では、資源や生産能力ではなく銀行（民間）が国家を含めた誰かの借り入れに際し、コンピュータの端末を操作して創造する財源（通貨）に対し予算編成で財源が無いとかこれ以上借金ができないとか議論するから話がややこしいおかしな方向になる。 財源と称される通貨は自国の生産能力や資源埋蔵量や他国の資源や生産力を利用し得る外貨の保有量によって決めた自国通貨をインフレにならぬよう、極端な格差がつかぬようそれぞれの働きに応じ、また人口に応じ、流通させ発行済み通貨インフレ抑制のため回収廃棄し必用な予算に対し新たに通貨を発行すればよいのである。 簡単に言えば財源と称さる通貨は、真の冨である自国資源の分配道具であるか、 資源を独占し支配するする道具であるかの二つだ。
3. 2015年6月12日 23:59:37 : DadlMiKxbM 寄生するための再増税なんて。 阿呆らしい。

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