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「まさか」が現実になる超円安1ドル=150円 まっ青になる会社と業界(週刊現代)
http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/619.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 12 日 11:16:05: igsppGRN/E9PQ
 

'02年12月以来の1ドル=124円台突入という歴史的な円安は、G7でも議論の対象に〔PHOTO〕gettyimages


「まさか」が現実になる超円安1ドル=150円 まっ青になる会社と業界
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43714
2015年06月12日(金) 週刊現代 :現代ビジネス


もう後戻りはできない。とどまることを知らない円売りの激流は、私たちの暮らしも企業のあり方も一変させる。日銀の異次元緩和によって生まれた「超円安」社会が、この国のすべてをなぎ倒す。

■どんどん国力が落ちる

「アメリカの利上げに加えて、日本銀行による異次元緩和。このままいけば、円安水準は1ドル=150円まで確実に進みます。そうなれば、この国はこれまで経験したこともないような二極化社会になるでしょう」

こう語るのは、『永久円安』の著者でもあるジャーナリストの山田順氏だ。

膠着し、溜まっていたエネルギーが一気に噴き出すように、日本が「超円安」社会へ動き出した。5月28日、東京外国為替市場の円相場が12年半ぶりに1j=124円台に突入したのだ。

「今回の円安水準は、FRB(米連邦準備制度理事会)議長のイエレン氏が、年内にもゼロ金利政策を終えて利上げを開始すると示唆したのが引き金になりました。アメリカは今年9月にも利上げ実施に踏み切るという観測が強まっている。そうなると、今後はさらにドル買いの動きが進み、円安に傾くことになります」(前出・山田氏)

これ以上の円安は、是か非か—。今、日本は後戻りのできない岐路に立たされている。

これまで日銀の黒田東彦総裁は、2%の物価上昇を達成するために円安のポジティブな面ばかりを喧伝し、「心配ない」と繰り返してきた。

確かに黒田総裁が主導する異次元緩和のもとで円安が進み、トヨタをはじめとした一部の大企業が恩恵を受けてきたのは事実だ。輸出するほど収益が上がる彼らにとって、円安は大歓迎だろう。

ただし、今までは原油安で物価上昇が抑えられ、円安の「負」の影響は最小限に留められていた。その原油安も底打ちし、徐々に価格が上がりはじめている。ここから円安が進行すれば、もろに物価上昇に直結してしまう。そうなれば、消費増税によるダメージからの回復途上にある日本国内の景気は、大きな打撃を受けることになる。

「通貨の実力を測る指標に、物価上昇率の違いや貿易構造の変化を加味して算出する『実質実効為替レート』というものがある。このレートで換算すれば、1ドル=120円台の現在ですら日本円は'73年時点と同じ水準でしかないんです」(東短リサーチ代表の加藤出氏)

つまり、今日本経済の力は'73年のレベルまで落ちているとも言える。円安が進めば、さらに国力は加速度的に急落する。

こんな状況の中で、果たして円安を喜んでいる場合なのだろうか。

円安の弊害は、国内企業数全体の9割以上を占める中小企業や内需型の企業で、すでにあらわれている。多くの会社が原料コスト高騰にあえぎ、真綿で首を絞められるように蝕まれているのだ。

■もう牛丼屋にも行けない

だが、今はまだ序章に過ぎない。これから円安が進み1ドル=150円台に突入すれば、日本社会は激震に見舞われることになる。

「円安が進んでメリットがあるのは、高い技術力を持ち、海外で売れる商品を作っていて、かつ国内に工場がある企業。当然ですが、そんな企業は日本に数えるほどしかありません。

さらに円安は海外からの観光客を呼び込むきっかけになりますが、中国人観光客による『爆買い』で潤うのは三越伊勢丹や免税店のラオックスなど、非常に限定的です」(経済ジャーナリストの植木靖男氏)

まず「超円安」社会では、外食産業が軒並み瀕死の状態に陥る。

たとえば、いまや当たり前のように浸透している牛丼チェーンは、さらなる値上げでも追いつかず消滅しかねない。

「『安くて早くて美味い』の代名詞だった吉野家などは、青息吐息でしょう。

吉野家は、これまで安く食材を輸入できたからこそ、280円という低価格で牛丼を提供できたし、出店数を増やすことができた。ところが1ドル=150円になると、牛丼の値段を大幅に上げざるをえなくなる。そうなると客の減少は避けられません。これは吉野家だけでなく、松屋や『すき家』を展開するゼンショーも同じことです」(コア・コンセプト研究所代表の大西宏氏)

窮地に立たされるのは、牛丼チェーンだけではない。親しみやすい存在だったファーストフードや居酒屋、ファミリーレストランからも客が遠のいていくだろう。

「マクドナルドやワタミなど、低価格を売りにしてきた会社もコスト高に苦しめられ、値上げに踏み切るしかない。ガストやジョナサン、ロイヤルホストなどのファミレスも気安く入れる場所ではなくなる。外食産業自体が存亡の危機を迎えます」(前出・大西氏)

さらに、国内を主なマーケットにしている「内需型」の企業も厳しい戦いを強いられる。飲料メーカーも、そのひとつだ。

5月中旬、アサヒビールは9月以降の輸入ワインの価格改定を発表。アメリカ産ワインは大幅に値上がりすることが明らかになった。これまでコンビニで数百円を出せば買えたワインやウィスキーの値段が上がるとなれば、飲料メーカーの輸入事業収益は悪化する。消費増税なども相まって、アサヒビールをはじめ、絶好調のサントリーですら国内売り上げの低迷は避けられない。

外食チェーン同様、デフレ社会のなかで成長してきた小売業界にも、目を覆いたくなるような状況が待っている。

「ユニクロを運営するファーストリテイリングは、中国で生産した商品を日本に輸入するビジネスモデルで儲けてきました。

ところが円安の影響を受け、同社は昨年から商品の値上げを断行しています。今年に入っても、秋冬モノ衣類が2割値上げされることが決まっている。これが1ドル=150円水準になると、商品の値段は今よりさらに高値になります。そうなれば客足は途絶え、売り上げが減るのは明らかです」(信州大学教授の真壁昭夫氏)

そのときは、ユニクロが本格的に日本を脱出するのも、現実味を帯びてくる。真壁氏が続ける。

「柳井正社長は、これまで以上にユニクロの海外脱出を加速させるでしょう。国内市場はだましだまし値上げをしながら切り抜け、その間に海外出店をさらに展開させる。最終的には円でいくら稼いでも意味がないと判断し、円を介さずに取引を開始するようになるかもしれません」

同じ小売業界でいえば、28期連続の増収増益を達成している家具大手・ニトリもファーストリテイリングと同じビジネスモデルだけに、苦境に陥る可能性がある。

■1円の円安で損失30億円

ファーストリテイリングやニトリなどの小売業界は、長い円高時代の中、日本を飛び出し海外に工場を作ることで収益を上げるビジネスモデルを確立してきた。だが、「超円安」社会では、そのすべてが裏目に出てしまうのだ。それとまったく同じことが、電機業界でも起きている。

「自動車業界とは違い、円高時代に海外に生産拠点を分散させた家電業界は、円安に振れるほど利益が圧迫される構造になっています。

たとえばソニーは、ドル円で1円円安に振れるだけでも、実に30億円もの損失が出ると言われています。現状の120円台よりさらに30円円安になれば、単純計算で900億円の損失を出してしまう。ソニーは長い業績不振を抜け出し、構造改革によってようやく今期黒字化の道筋が見えたばかり。ですが、それも水泡に帰すことになる」(前出・真壁氏)

苦境に立たされるのはソニーだけではない。パナソニックも不安を抱えている。あるパナソニック幹部はこう明かす。

「ウチの会社でも、輸出の多い家電分野は増益になるかもしれません。ですが、原材料を海外から購入して製品を作るような部門は、原材料のコスト高によって製品を作れば作るほど損が出てしまう。社員は『このままでは、社内ですら勝ち組と負け組が二極化する』と口にしています」

■強烈な格差社会が来る

これら製造業にとって、今後工場を国内回帰させるか否かは喫緊の問題だろう。実際、シャープの業績不振が取り沙汰された頃、海外の工場を国内に戻すといった話が出たのは記憶に新しい。

円安下では、国内で製品を生産し、国外に輸出したほうが収益は上がる。中国などアジア勢に対しても、製品の競争力が回復するだろう。だが、ことはそう単純には運ばない。

「問題は、円相場が短期間で急激に変動した場合。そうなると、企業はさまざまな前提の上で計画を立てているのですが、その前提条件が根本から崩れてしまいます。原材料をどこからいくらで調達するか、その原材料をもとにどこで生産するか、完成した製品をどこで販売するか。こうした一連の事業計画をすべて練り直さなければいけません。そのための時間とコストは、実は莫大で、日本経済全体で見ても大きなマイナス要因になりかねない。単に国内に工場を移せば問題が解決する、という話ではないのです」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部部長の鈴木明彦氏)

製造業以外で苦しいのは、エネルギーを供給する電力業界だ。和光大学経済経営学部教授の岩間剛一氏はこう解説する。

「原発が止まっている今、各電力会社は火力発電に力を入れています。ですが、円安で燃料調達コストが上がれば、経営は圧迫される。特に原発比率の高かった関西電力は現在でも赤字を出し続けているので、ダブルパンチに見舞われます」

電力会社には、エネルギー原価を電気代に上乗せできる「総括原価方式」という取り決めがある。そのため、発電コストが上がっても各社に影響はないという見方もできる。だが、来年4月にはじまる電力小売り自由化の影響で、新規参入業者との激しい価格競争にさらされることになるのだ。

「電力会社も安易に電気代を上げると、顧客が新しい業者に流れてしまう。さらに今、関西電力や中部電力は首都圏に火力発電所を建設しています。都内での発電競争が激化する中、東京電力も苦戦を強いられるでしょう」(前出・岩間氏)

衣食住にかかわる製品やインフラ関連の価格が高騰し、普通に暮らすことすら難しくなる社会。「超円安」になり、私たちを待ち受けているのは、そんな世の中だ。前出の山田氏がこう警鐘を鳴らす。

「たとえ物価が上がっても、サラリーマンの給料が上がればカバーできる。ですが、この国の大半を占める中小企業には、円安のメリットはありません。給料は上がらないのに、物価だけが上がり続ける。物価が上昇しても破綻しないような一部のおカネ持ちだけが悠々と暮らし、貧しい人はどんどん貧しくなる。強烈な格差社会を迎えることになります」

アベノミクスによってデフレのトンネルを抜けたと思ったら、「超円安」による格差社会という真っ暗なトンネルが待っていた。そんな悪夢が目前に迫っている。

「週刊現代」2015年6月13日号より

 

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コメント
 
1. 2015年6月13日 20:59:35 : RQpv2rjbfs
ジンバブエが自国通貨を廃止、17.5京ドルを5米ドルに交換 http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN

ギリシャがデフォルトするまで秒読みに入る、国内大方の読みは円高のようだが、それもいっときのこと、ギリシャの連想で円が売り込まれるのは時間の問題。

シカゴ筋のポジションは円ショートが一気に増えている。


2. ノロイコロスキー 2015年6月14日 06:08:26 : pmeXQAFg9becg : AbtgbSzjT6
石油の時も急騰したとき200ドルまで上がるなんて言われたけど、全く全然逆の方角に行ったよね。
そもそも有事の時に、円高になるっていうことを忘れてるんじゃないの。
なんだかんだ言っても、日本が曲がりなりにもキャッシュを持ってるっていうことを忘れてるよね。
今後は中国のバブル崩壊が遅かれ早かれ来るから、またその時に急激な円高が来るんじゃないの。金融緩和だっていつまでも続けられるものじゃないし。
のちには本当に国力が落ちるんだろうけど、今現在では150ドルっていうのはどうかと思う。

3. 2015年6月14日 08:19:02 : vQMSpUMkEg
東京都 千代田区は、詐欺師の集まりやね
 

4. 2015年6月14日 09:41:26 : ZNwXdX6svw
だから米債売れよと

5. 2015年6月14日 17:05:42 : LZQqGUA606
 1$200円だった頃の損益計算を参考にすればいいじゃん、
「必要は発明の母」という発想で、これまで予算の下りなかった
火力原子力以外の発電を実用化すればいいじゃん、という考えには
至らないのか?

 円安がさらに進行して一番困るのはどこの国か、という事を考えると、
この記事の出所もわかる、考えるまでも無い、と思うのだが。

 反論待ちます。


6. 2015年6月14日 23:17:14 : EAFD3niZmE
05さんの目の付け所は良いですね。
1ドル200円になれば、今でさえもうまくやれば採算に合うソーラー発電が、正にボロ儲けになってしまう。
そうすると、坪数万円以下とかの安い日当たりの良い土地は、十分に価値を持つようになるかもしれません。
バイオマスも同様だから農地や山林も価値が上がる。
ただドル円相場は魑魅魍魎の世界。
どちらに動くかはわからない。
1ドル50円もあれば1ドル300円もあると思う。
イエレン米FRB議長が利上げを示唆したからと言って、金融引き締めにするとは限らない。
利上げしながらも量的緩和をする事だってあるし、利上げでそのまま金融引き締めする事もある。
また日本も同時に金融緩和を止めてしまえば、ドル円と言う相対値はどうなるかわからない。

7. 2015年6月15日 01:51:04 : BQtEBv3C0U
日本は中国経済崩壊までに自国の株を国策で上げる途上。おそらく日経平均3万円。年金にも値上がり必須の日本株を買わせ、年金をたんまり増やす。さらに中国経済崩壊ダメージを抑えるため、東京五輪が用意されているではないか。6月に導入のコーポレートガバナンスコードの真の狙いは、政策保有株(持合い株)の解消。つまり、株を上げた段階で、相互に持ち合い株を売り換金することを奨励。企業が現預金を増やし、中国経済崩壊に備えるのだ。安保法制も中国有事(景気の悪化で対外戦争)に備えてのもの。日本は賢いから着々と中国経済崩壊リスクに手を打っている。

8. 2015年6月15日 04:25:55 : p9B89YgNYw
アベノミクスによる円安は金融機関を国債市場から締め出すことで可能になった。

日本の抱える問題
国内投資をどう実現させるかとは逆方向。

円安が進めば国内生産も可能になり投資も増えるだろう。

その時の投資は、日本勢が海外投資している分だけ外資からの投資が増えることになる。

日本が外国へ投資、
外国から日本へ投資。

なんでこんな複雑なことをしなければならないのだろう?

政府資金を使って国内経済を活性化させればなにも海外へ投資する必要もなくなる。


年次改革要求書の例にあるように、
外国資本による日本支配が進められている。
その先頭に立っているのが財務省。

日米構造協議の過程で、CIAにより国際金融機関の傘下に取り込まれたと見るべきだろう。

:::::

こういう記事にあるように
個々に損をしたり。やっていけなくなる場合もあるだろうが、
グローバル化の世界では日本人は総じて不幸になる。

アメリカ軍が未だに居座っている理由を皆さんはどう考えるんだろう?


9. 2015年6月15日 17:43:33 : Gv0EZhblR2
> ■強烈な格差社会が来る

小泉・竹中・安倍・・・  これらが、幅をきかせてきた。
現在、米国は戦争のためのカネがない、米兵の死者が出るのは困る。
こういうことで、戦争法案を安倍軍国政権にやらせ、自衛隊に
戦争に参加してもらうということ。
格差が大きくなれば、底辺の者を兵隊として雇いやすくなる。
ジャパンハンドラー・米軍の駐留が日本を蝕んでいると思う。

>>4
米国債は、東北が被災した時も売れないように指令があったのじゃないか


10. 2015年6月15日 17:55:05 : fpt8itpB5Q
直近の急な円安は黒田朝鮮人がハザールマフィアに金を流してるから
その大量の円売りドル買いが為替レートに反映したものだそうです
いい加減にせいよ黒田田布施朝鮮人

11. 2015年6月15日 20:34:30 : tfbfatCSR6
金融緩和を円安でタタクの常套手段ですか?

円安は金融緩和と無関係だといってますよ。


12. 2015年6月16日 17:36:51 : kFUL3rcfFY
150円?
どうってことない、
むしろ歓迎すべきでしょう。


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