http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/599.html
Tweet |
内閣府の経済指標
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52704935.html
2015年06月11日 在野のアナリスト
内閣府から発表された3日連続、発表された指標。まず5月消費者態度指数は、前月差0.1pt低下と、2ヶ月連続の下落を示します。暮らし向き、収入の増え方が増加するものの雇用が環境が悪化、耐久消費財の買い時判断、資産価値も悪化と、全体としてよくなる、よくなると喧伝されるものの、未だに国民実感がない、という結果が現れます。これは物価見通しからも導かれるのでしょう。2〜5%上昇と予想する人が40%と最大ですが、これが生活にどう影響するか、が分からない。収入も増えそうだけど物価においつくの? という心配が見え隠れします。
4月機械受注は船舶、電力を除く民需で3.8%増と、市場予想を覆してプラスでしたが、製造業は伸びるものの非製造業はマイナス、外需もマイナスです。一見、製造業は元気なようですが、上記のように耐久消費財の買い時判断に、消費者は厳しい部分があります。積極的な設備投資があっても、それが収益に結びつかないと、過剰設備や在庫を抱えることにもなります。
4-6月期の法人企業景気予測調査は、『貴社の景況』が、大企業は4-6月期に小幅に落ちこむものの、7-9月期には大幅回復、10-12月期も上昇傾向がつづく、とみます。しかし中小企業は4-6、7-9ともに悪化し、10-12月期も横ばいと、まったく見方が異なります。『国内の景況』もこの傾向は変わらず、大企業と中小企業の温度差が顕著です。また売上高、経常利益ともに前期は横ばいか悪化、下期に急回復する見込みであり、それを見こんでか、設備投資も上期に集中、全体では下期でマイナスとなります。ここから見えるのは、上期は多少我慢しても、下期の回復で全体としてみれば今年はいい、というのが企業の考え方の中心でもあるようです。
つまり個人と、企業の間ではまだ見方が別れている現状が、浮かび上がります。設備投資も今年度5.9%増は、市場期待からは大きく下ぶれています。どうやら、この乖離にはやはり円の動向が大きく影響しているのでしょう。円安は、大企業は好意的で、中小企業や個人は悲観的。対ドルで120円台が、中小企業や個人のマインドを下押しするなら、下期の回復というのはやや企業の先走り、思惑先行の期待といった面があるのかもしれません。
昨日の黒田日銀発言で、円と株は急落しましたが、今日になって株価は持ち直しました。明日のSQで、どうしても高く誘導したい主体がある、とみていたところ、どうやら国内勢だったようです。ロールオーバー中心の商いの中で、日系の一社が大きく買いポジションに傾けています。恐らく昨日も買っていたものの、今日改めて買い入れた、というのが真相なのでしょう。
気になるのは、英金融機関HSBCが世界的に人員削減をすすめている点です。中国でも独自に景況を発表するなど、世界規模で展開する同社が、人員削減をすすめる理由は何か? 5月のADP民間雇用統計で、米国では金融機関が人員を増やしている。どうも日米が期待する下期回復、成長加速というシナリオに、グローバル展開する企業の中でも見方が二分されているような印象をうけます。昨日、株式が急落したときより、今日の戻りの方が現物株への買いも少なかった。ごく少数の人々が、下期への期待を高めている状況も見えてくるのでしょう。ウソから出たマコト、という言葉もありますが、政府や日銀が口先介入、判断を上方修正することで、マインドを上向かせることが出来るのか? 今は日銀と政府の蜜月が『唇滅びて歯寒し』にならないことを祈るばかりなのでしょうね。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。