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日本経済に夜明けが訪れようとしているのか〔AFPBB News〕
社説:日本経済に自信を取り戻させる方法 一刻の猶予も許されないデフレ心理からの脱却
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44006
2015.6.11 Financial Times
(2015年6月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
経済史の重要な分岐点は、ごくたまにしかやってこない。優れた政治家が意を決して取り組めば、一国の経済が進む航路を若干変えることはできるかもしれないが、大きく変えられることは非常に少ない。ましてや、全く新しい方向に進ませることなど、まず無理だ。
新時代の到来を示唆する断絶の瞬間は、半世紀に1度ぐらいしか訪れない。
思えば、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が米国経済を不況から引っ張り上げたのは1930年代のことだ。
英国のマーガレット・サッチャー首相と米国のロナルド・レーガン大統領の下でインフレスパイラルが制御されたのはその50年後のことだった。
■安倍首相が手にした大きなチャンス
日本の安倍晋三首相は、このえり抜きの政治家のリストに名を連ねるチャンスを手にしている。
安倍氏が政権を握った時、市場は文字通り大喜びした。日本がデフレによる停滞から脱出するまで、制限を設けずに金融を緩和すると約束した「アベノミクス」への期待だけで株価は急騰した。2012年以降、日経225種平均株価は2倍以上に上昇しており、為替市場では米ドルが対円で50%も上昇している。
市場のこうした動きは、アベノミクスが到来を告げるはずの「またとない」レジームチェンジ(体制転換)の顕著な特徴だ。これに対し、実体経済の判断はまだそこまで明確ではない。
安倍政権の1年目には、物価上昇を伴う経済成長が少し回復したものの、2014年4月に消費税率が引き上げられた後は先細りになっていった。パチパチと音をたて始めていた物価回復の炎は、昨年秋の世界的に消されてしまった。
評決を下すのは、まだ早計だ。ルーズベルトもレーガンも、何年も成功を確信できなかった。
さらに、アベノミクスは20年も根を張ったデフレ心理の根絶を前提としている。
日銀の黒田東彦総裁は論旨をはっきりさせるために、ピーターパンの物語まで引き合いに出した。
自分が飛べると信じた時だけ空を飛んだ少年のように、経済は市民が起きると思っていることによって左右される。
日本の消費者と企業は何百兆円もの資金の活用について決断を下す。彼らが2%のインフレを見込むようにすれば、刺激の作業は終わったも同然だ。下落している通貨は、再び気軽に使われるようになる。
■希望がことごとく打ち砕かれてきた過去
日銀本店〔AFPBB News〕
残念なことに、日本の歴史は流れが逆転した例をふんだんに与えてくれる。
1989年の金融バブルの崩壊以降、日本が自律的な成長を信じる気があるように見えた時は決まって、その希望が打ち砕かれた。
有望な景気回復が消費税増税によって頓挫してしまった1997年が好例だ。
だが、それ以上にひどいのは、日銀自体が長期にわたり、鈍いインフレの味方のように見えたことだ。物価圧力が存在しないにもかかわらず、金融政策が引き締められることがままあった。日銀はそれよりも、幻のバブルと戦い、金利を「正常化」することに熱心なようだった。
金融の世界の外では、アベノミクスはたくさんの障害に直面する。「第3の矢」である構造改革は、安倍氏の時間と政治的資本の多くを奪いかねない。第2の矢の財政再建は、消費増税に対する予想以上に悪い経済の反応によって針路から逸れてしまった。
だが、そうしたミスが今後さらに起きなければ、日本経済は再び明るい局面に入りつつあるのかもしれない。
報道によれば、在庫の積み増しに助けられたとはいえ、経済成長は年率3.9%のペースに達した。失業率は低く、待望の賃金圧力の兆しが増え始めている。
■日本が再び「飛べる」と思う日
だが、もし過去20年間が日本に何かを教えたはずだとすれば、それは決して、1羽のツバメを完全な夏の再来と取り違えてはならない、ということだ。インフレ予想は昨年の後退局面で大きく低下し、若干回復しただけだ。
インフレ予想が2%超の水準に戻るまでは、黒田総裁が直面する唯一の金融ジレンマは、再び飛べるということを日本に確信させるために刺激策のペースをどれほど上げるか、ということだ。
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