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GDP改定値と景気ウォッチャー調査
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52704742.html
2015年06月08日 在野のアナリスト
内閣府から1-3月期GDP改定値が発表され、実質で前期比1.0%増に、速報値から0.4pt上方修正され、年率換算でも3.9%増と、速報値から1.5pt上方修正されました。上方修正の理由は設備投資が、速報値の0.4%増から2.7%増に大幅に増えたことです。また在庫投資の寄与度も0.5%から、0.6%に拡大したこともあります。速報値から出てきた経済指標で、設備投資が増えることは予想されましたが、これほど大きいとは考えていませんでした。在庫投資は減るとみられましたが、増えた点は奇妙です。その原因として挙げられるのはIoTです。各社、IoTへの対応を迫られ、設備投資ばかりでなく在庫を積んで、直接販売からインターネット販売へ転換しようとしている。そのため設備投資、在庫投資がここに来て一気に増えた。つまりIoTという言葉が独り歩きし、何となく企業経営者が目新しい言葉にとびついたことで大きな伸びになった、と言います。
しかし小売やサービス業は、すでにIoTに対応しているところは対応しています。今さら始めるところは後発です。どこまで伸びるか不明な中、設備投資、在庫投資を極端に増やすことが果たして業績に寄与するのか、不透明です。ホテルなども設備投資が伸びていますが、インバウンド消費を当て込んだにしても、設備投資より英会話などの、ソフト面が大事ではないか? 今回は二次速報であり、改定のときにどうなるか? 2014年度の実質GDPが0.9%減と、速報段階より0.1pt改善していますが、これが単に1.0%減は見栄えが悪いための見せ掛けでないことを祈ります。
例えば5月の米雇用統計が市場予想を大きく上回りましたが、米国では今、利上げにむけたガス抜き期間であるため、利上げ予想を強めたり、弱めたりするために指標を操作している、とされます。そうして市場に『利上げ』を慣れさせ、その上で実施する。その正誤については色々とありますが、戦略だけは感じます。しかし日本の経済指標、首を傾げるものは単に見栄えだったり、政府の心の安寧のためだったり、その手段である傾向が強い点はとても残念です。
5月景気ウォッチャー調査は、現状判断DIが53.3と0.3pt悪化、先行き判断DIが54.5と0.3pt改善です。しかし現状では企業関連が軒並み悪く、先行きでも改善見込みですが、今度は雇用が落ちる。数字以上に斑模様、という印象が強い者です。それは判断理由もそうで、株高や円安、円高などを都合よく判断するところと、都合が悪いと判断するところが混在しています。
日経平均は小幅下落ですが、実体は売買高が大きく減るなど、実体以上に悪い印象です。円安感応度が低下した、とも言われますが、今日はドル高ではあるもののユーロ安でもあって、欧州系の動きが強い今の市場では、素直に円安を好感できなかった事情もあります。しかしSQ週にも関わらず、また先物市場はロールオーバーが活発であるにも関わらず、現物株の売買が低下し、値動きもなかった点は、将来的には大きな変動を予期させるものとなります。
裁定買い残も高水準なのに、現物と先物の間に、意志の差があるのですから、どちらかの思惑が強まったとき、上にも下にも大きく振られてしまう恐れが高まっているのです。特に5月、外国人投資家は大きく買ってきた。この買いは2ヶ月とつづくものではありません。6月になって頭打ちとなってきた株式市場、『下げさせない相場』に安心して買ってきた外国人投資家が、それでも下がった場合、どういう行動をとるのか? 日本のGDPが、外国人投資家の追加緩和期待を冷ますためだったら良いのですが、見栄えを意識するあまりの粉飾だった(Governmental Dcorated Propaganda) 、となった場合の失望感は、相当なものになると覚悟した方がよいのでしょうね。
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