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Apple Watch(サイト「Apple Store」より)
アップルvs.グーグル、新たな覇権争い勃発 ウェアラブル端末市場、本格的競争へ突入
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150608-00010001-bjournal-bus_all
Business Journal 6月8日(月)6時0分配信
今年に入ってウェアラブル端末の開発が活発化している。米アップルが今春にリリースしたApple Watchがその牽引役となり、身体に装着できるデジタル機器への注目度はいよいよ高まりつつある。
これまでに製品化されたウェアラブル端末やプロトタイプを見れば明らかなように、スマートグラスはビジネスユース向けに、スマートウォッチはコンシューマユース向けにそれぞれ開発傾向が定まりつつある。スマートグラスは、米グーグルがグーグルグラスの開発を中止したことにより、コンシューマユース向けに開発するのは難しいことが浮き彫りとなった。
これにより、開発の軸足をビジネスユース向けに移した企業も多い。例えばセイコーエプソンは、当初コンシューマユース向けに動画視聴などができる眼鏡型端末としてMOVERIO(モべリオ)を開発したが、最近では医療分野などでの需要の取り込みに成功しつつある。
一方、早くからビジネスユース向けにスマートグラスを開発してきた企業もある。例えば、ブラザー工業は工場などの作業に使用する目的で、作業効率を高めるスマートグラスとしてAiRScouter(エアスカウター)の開発に成功している。
●OSをめぐる開発競争
こうしたウェアラブル端末の製品化に伴い、その要となるOSで激しい開発競争が繰り広げられている。
中でもグーグルはウェアラブル端末用にAndroid Wearを開発し、いち早くデファクトスタンダードの構築を図ろうとしている。実際、5月28日に開催された同社最大のイベント「グーグルI/O」でも、Android Wearの優位性をアピールしている。
グーグルが強調するAndroid Wearの特徴は、選択性と自由度にある。オープンソースであることを生かしてメーカーが仕様を選択できることは、個人の嗜好が反映されやすいウェアラブル市場では有利に作用するし、端末のハードウェアを十分に活用してアプリ開発が可能であることは、Android Wearの自由度の高さを示すものでもある。
このように、グーグルがAndroid Wearの選択性と自由度をことさら強調するのは、開発制限が多く、かつ顧客の選択が1機種に限られるApple Watch OS(Watch OS)への対抗心からくるものである。
Watch OSは、アップルがApple Watch向けに独自開発したウェアラブル端末用のOSであり、クローズドソースによりiPhoneとの連携が図られた仕様となっているのが大きな特徴でもある。
これら2社のOS開発競争を横目に、新たな展開を図るのが米インテルである。
インテルは今年、ボタン型のウェアラブル端末用モジュールとしてCurie(キュリー)を開発した。キュリーは、ソフトの情報を処理できる集積回路やフラッシュメモリー、6軸モーションセンサーなどウェアラブル端末の製品化に必要なあらゆる機能を内蔵しているため、これひとつでウェアラブル端末をつくることが可能となる。そのうえ、洋服のボタンほどの大きさであるため、眼鏡や時計、リストバンドなど、身に着けるものの形状を崩さずに組み込むことができるのも大きな利点である。
こうしたOSやモジュールの開発競争が後押しとなり、ウェアラブル端末の開発は今後さらに加速していくことであろう。ウェアラブル端末の方向性の摸索はまだまだ続く。
(文=雨宮寛二/世界平和研究所主任研究員)
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