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[ウォール街ラウンドアップ]バーナンキ氏「株割高」否定
3日のダウ工業株30種平均は前日比64ドル高と反発した。雇用の伸びを示す指標が発表になったほか、ギリシャの財政問題の協議進展への期待から買いが優勢になった。
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割高感が指摘されて久しい米国株相場に、米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ前議長が一石を投じた。自身のブログで米株相場について「正常な水準だ」との考えを披露したのだ。
IT(情報技術)バブル崩壊後の景気後退期が終盤を迎えた2001年から金融危機前の07年末にかけて、S&P500種株価指数が四半期ごとに1.2%の上昇を続けたとバーナンキ氏は指摘。このペースなら15年1〜3月には2123ポイントに届いたはずだという。
実際の米株相場は歴史的な上げ局面だ。とはいえ3月末のS&P500種は2067と同氏の計算より2%低い程度。「FRBの一連の(危機対応の)政策は株価を平均的な水準に戻した」とみる。
一方、現議長のイエレン氏は約1カ月前、米株相場は「かなり割高」と指摘した。PER(株価収益率)が過去からみれば高水準なのは確か。だが市場関係者は「他の資産と比べると割高ではない」(著名ストラテジストのボブ・ドール氏)と反論する。
例えば債券。イエレン氏も歴史的高値の債券に比べれば株式が割高でないことを認める。むしろ利上げを検討するなかで、債券相場が「買われ過ぎ」の状態にあることへの警戒感を示したかったのでは、との声もある。
その債券相場は3日、荒い展開となった。米10年物国債の利回りは一時、2.38%と15年の最高水準まで上昇(価格は下落)した。
主因は「市場はボラティリティー(変動率)の上昇に慣れるべきだ」という欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁の発言だ。「ECBは金融政策で金利の低位安定(債券相場の高値安定)を目指している」と考えていた市場参加者は虚を突かれ、高値圏にあるドイツ国債に売りが殺到。米国債も連れ安となった。
5月の米雇用統計公表を5日に控える米国市場では、利上げ機運が高まる可能性を見据え「ショート(売り)に動こうと構えていた米国債投資家も多かった」(米債券トレーダー)ことも、債券安に拍車をかけた。
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債券高の修正が続くと「債券に比べて割高ではない」という米株高を支える論拠も乏しくなる。ただ米景気はFRBによる早期利上げを確信させるほど力強くもない。改善傾向が続いていた米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数も、5月に予想以上に低下した。
債券投資を得意とするヘッジファンドのマネジャー、ガンドラック氏は3日も「FRBは年内は利上げしないだろう」との持論を米経済テレビで語った。米株の高値は続くのか、市場の思惑が交錯する不透明な環境は当面続きそうだ。
(ニューヨーク=山下晃)
[日経新聞6月4日夕刊P.4]
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