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米雇用統計が良好でも「9月利上げ」がヤバい理由!(写真=Thinkstock/Getty Images)
米雇用統計が良好でも「9月利上げ」がヤバい理由!
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20150607-00000012-zuuonline-nb
ZUU online 2015/6/7 18:00
5月米雇用統計を見ると、前月に続き冬場の不振から抜け出して拡大傾向が続いている。これを受けて利上げが前倒しされれば、金利上昇とドル高で内外需とも収縮する懸念が出てきて、労働市場にも悪影響を及ぼしかねない。
■引き続き良好な雇用環境
米労働省発表の5月雇用統計によると、景気動向を反映する非農業部門雇用者数は前月から28万人増加。市場予想の22.5万人も上回り、雇用回復の目安とされる20万人を2カ月連続で超えた。
鉱業は原油安の影響で1.8万人減少し、年明けから5カ月続けて押し下げられている。ただ悪化が目立つのはその程度で、全体的に幅広い業種で改善が見られた。特に冬場の悪天候で低迷していたレジャー・接客業を含め、サービス業が4月の18.5万人増から5月は25.6万人増と加速し、全体の底上げに寄与。
こうした非農業部門を含め就業者数全体でも、0.1%増から0.2%増へと上げ幅が拡大。一方で、失業者数は0.3%減から1.5%増へと伸びており、その結果失業率も5.4%から5.5%と4カ月ぶりに悪化に転じてはいる。
ただこれは、雇用情勢が後退したものとは言い難い。
平均時給が0.3%増と5カ月連続で伸びていて、労働参加率も62.9%と前月に続いて上昇している。つまり、企業が賃上げしてでも人材を確保したいと考えていて、そうした求人増を踏まえて求職活動を再開した人が増えており、その多くが調査時点で就職できていなかっただけであろう。現在の良好な雇用環境を考えると、その人たちが次回調査までに就職でき、来月は再び失業率が下がる可能性は十分ある。
■金融引締めが企業業績や市場に影を落とす
一般的には、雇用が増えれば多くの人々の生活が楽になり、消費や投資が伸びて企業の業績や株価が上向くことが期待される。ただその過程で金融引締めを行うと、消費や投資が控えられ、業績や株価が悪化することになる。
以下数値は各年度について、マネタリーベースとダウ平均株価が前年同月比、企業収益が前期比、非農業部門雇用者数は前月差、失業率は比率それぞれの平均。
14年度前半は量的緩和終了前だったため、マネタリーベースは22.6%とまだ増えており、ダウ平均株価も11.7%と2ケタの伸びを維持し、企業収益も5.8%と拡大。そのため非農業部門雇用者数も26.1万人増と堅調で、失業率も6.1%にまで改善。このように雇用環境が良好であれば、その後購買活動に結び付き、企業経営や市場には好影響となるはずである。
だが14年度後半は量的緩和を終了したため、マネタリーベースは5.4%と収縮し、ダウ平均も9.8%と1ケタ増に減速し、企業収益は-3.6%とマイナスに落ち込んだ。
つまり、多くの人の生活環境が改善されても、ベースマネーが減る方向になれば、消費マインドは後退し、企業業績や株価は後退していくということだ。
■利上げ以降の雇用縮小の恐れ
雇用情勢は現状では問題ないものの、FRBによる利上げ以降は後退する恐れも否定できない。14年度後半から15年4〜5月にかけて、非農業部門雇用者数は26.0万人増から25.1万人増と伸び幅が下がり、失業率も5.6%から5.5%とほぼ変わらず(数値は平均値)。労働市場は、現在は良好な水準にありながらも、改善ペースが落ちてきており、傾向としてはあまり好ましくないのだ。
これを反映してか、雇用に関するマインドにも懸念が見られる。ISM景況感指数の雇用項目を見ると、昨年10月から5月にかけて、製造業は55.2から51.7、非製造業は58.3から55.3へと低下している。たしかにいずれも、好不調の節目である50を依然超えてはいる。ただ量的緩和終了以降の悪化は避けられていない。
正常な金利状況に戻すために利上げ自体は必要だが、金利を引き上げると雇用はさらに収縮する方向になるだろう。利上げは9月から10月ともいわれるが、その時期とペース、及び労働市場に与える影響に注目しなければならない。(ZUU online 編集部)
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