http://www.asyura2.com/15/hasan97/msg/437.html
Tweet |
FRBのゼロ金利政策は格差助長=スティグリッツ氏
By PEDRO NICOLACI DA COSTA
原文(英語)
2015 年 6 月 5 日 15:01 JST
ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏 SIMON DAWSON/BLOOMBERG NEWS
ノーベル経済学賞受賞者で米コロンビア大学教授のジョセフ・スティグリッツ氏は、米連邦準備制度理事会(FRB)の長期に及ぶゼロ金利政策と債券購入策について、すでに大きかった国内の格差をさらに拡大したと主張している。
スティグリッツ氏は、全米経済研究所(NBER)が発行した4部作の論文の第4部で「低金利は債権者より債務者に有利であるため均衡を促す、という19世紀の仮説とは反対に、低金利は実際には不均衡を助長する可能性がある」と指摘した。
その理由は、富裕層には資産の多くを株式で保有する傾向があることだという。株式市場は、国債や住宅ローン担保証券(MBS)の購入を含む量的緩和(QE)策に不釣り合いな恩恵を受ける。
「資本家とライフサイクルに合わせて貯蓄する人では、保有資産の構成が異なる。このため、資本家が保有する資産へ特異的に恩恵を与える政策は、不均衡の拡大につながる。QEがそうだった」という。
また「(現在は)労働者も資本家も資産を所有しているが、その種類が異なる」と述べた。低・中所得層は主に確定利付資産に頼るが、高所得層は株式やリターンの高い高リスク資産に投資する傾向があるとしている。
その上で「金利の引き下げは株式所有者の助けとなる一方、国債保有者には痛みとなる。このモデルは近代経済をよりよく描写していると思われ、このモデルでは金利引き下げが紛れもなく不均衡拡大に寄与する」と結論づけた。
米金融政策の批判という点で、スティグリッツ氏は同じリベラル派経済学者と一線を画している。リベラル派の多くは、財政政策による景気刺激がない中でFRBが続ける緩和策に強い支持を表明している。
歴史的なリセッション(景気後退)や深刻な金融危機への対応として、FRBは2008年12月以降、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ近辺に据え置きとし、MBSと米国債を総額3兆ドル(373兆円)余り購入した。
米国の経済成長はリセッション以降緩やかとなっている。インフレ率はFRBが目標とする2%を一貫して下回り、賃金の伸びも抑制されたままだ。これとは対照的に、株式市場は最高値更新を繰り返している。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。