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【けいざい独談】韓国・現代自動車にトヨタをライバル視する資格なし?! 世界ブランドランキング100位内に選ばれず…
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150607/frn1506071130003-n1.htm
2015.06.07 夕刊フジ
現実はこんなものである。世界の自動車市場で5位に上り詰めた韓国の現代自動車グループだが、2015年の自動車ブランド順位ベスト10に現代自のブランドは1つも選ばれず、全産業100位内からも漏れるという結果に終わった。品質問題の影響もあってか、ブランド力は弱く、状況次第では一気に上位から滑り落ちる可能性も否定できない。
■自動車部門の1位は「トヨタ」
英調査会社ミルウォード・ブラウンが5月に発表した2015年版「最も価値あるグローバルブランド上位100」。世界200万人以上を対象に06年から公表されているブランド調査だが、この中で毎年、注目度が高いのが自動車メーカーのブランドだけを選出した「ベスト10」だ。
頂点に輝いたのはトヨタ自動車の「トヨタ」で、10位には「レクサス」もランクインした。また、日本勢ではホンダが4位、日産が6位となるなど、ベスト10に4ブランドが選ばれ、日本車のブランド力の高さが際立つ結果に。2位はBMW、3位はメルセデス・ベンツだった。
このランキングはブランド価値を対象にしているため、当然のことながら販売台数を比較した順位とは異なる。ブランド力の高さは収益性、企業の持続的成長につながるだけに、これらの指標を重視する経営トップは少なくない。
言い換えれば、販売シェアが高くてもブランド価値が低ければ、経営者は安穏としていられないのが本音だろう。その1社が韓国の自動車最大手、現代自動車だ。
■業界5位でもブランド価値は低い現代自
現代自は韓国政府の通貨安(ウォン安)政策を背景に、世界中で低価格のクルマを売りまくり、販売シェアを高めてきた。傘下の起亜自動車と合わせた2014年の販売台数は約770万台とみられ、世界5位を維持している。
しかし、英ミルウォード・ブラウンのブランド価値ランキングでは、自動車の上位10ブランドに現代自は1ブランドもなく、全産業を対象にした100位にも選出されていない。
ブランド価値調査は、世界中でさまざまな調査会社等が各々の計算式で算出しており、米誌フォーブスも2015年版を公表したばかり。英ミルウォードの調査では100位から漏れた現代自だが、米誌フォーブスがまとめた「世界で最も価値のあるブランドランキング」では60位台と、90位台に入った起亜とともに辛うじて100位内を維持した。それでも8位のトヨタに比べると、ブランド力は決して高くない。
■「無謀」な巨額投資の成否は…
現代自の前期(2014年1〜12月)決算は、ウォン高の影響などで最終利益が前年比14%減と2ケタのマイナス成長。売上高も2%増と微増にとどまっている。
ウォン高や米国での品質問題などを背景に収益力が低下する中、現代自は今年1月、今後4年間で8兆円超の投資計画を発表。自国でも輸入車の攻勢を浴びてシェアが低下しており、巻き返しを狙った投資計画ともいえるが、「自動車産業は他の産業に比べ研究開発費や設備投資は圧倒的に多いものの、それでも身の丈に合わない巨額投資」(業界関係者)との声は少なくない。
ブランドランキングは上位にランクインした企業の励みになるとともに、収益規模が大きいにもかかわらず、ブランド評価が低い企業にとっては経営に対する警鐘でもある。
低価格のクルマには未来がない−。そんな意味が込められているのかもしれない今回の結果を現代自は今後の経営にどう生かしていくのか…。
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