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自販機事業買収を発表したサントリー食品インターナショナルの鳥井信宏社長(左)、右は日本たばこ産業の大久保憲朗副社長
JT自販機事業買収のサントリー、本当の狙い 「桃の天然水」も
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150607/dms1506070830001-n1.htm
2015.06.07 大前研一のニュース時評 夕刊フジ
サントリー食品インターナショナルは先月25日、日本たばこ産業(JT)の飲料自動販売機事業を買収すると発表した。これにより、業界2位のサントリー食品の自販機は約63万台になり、圧倒的に強かった首位の日本コカ・コーラグループの約83万台に肉薄することになる。同時に3位のアサヒグループホールディングスの約27万台に2倍以上の大きな差をつけた。
国内の飲料売り上げのうち、自販機は3割強。コンビニやスーパーなどに「この商品を置いてください」と頼む手売り販路に比べ、値引き競争もない自販機は各メーカーの安定した収益源となっている。
ということで、この2月にJTが飲料事業からの撤退を表明して以降、大手飲料メーカー各社は自販機事業の買収交渉に乗り出していた。結局、サントリーが予想を大きく上回る約1500億円という高額を提示して、決着をつけた。
JTの自販機事業の中核会社ジャパンビバレッジホールディングスの純資産や営業利益の規模を考えると、サントリーは高い買い物をしたのではないかという声もある。
しかし、サントリーはそういう計算をして買収したわけではない。現在、飲料自販機は全国に約250万台あるが、設置場所は飽和状態で、新規開拓は難しい状況だ。それゆえ、コカ・コーラの圧倒的な首位がずっと続いていたわけだ。
JTの自販機はオフィスなど好立地への設置が多い。つまり、サントリーはその「地面」を確保したかったのだ。いわゆる「そこに居住している利権」というか「占有権」を買ったわけだ。
新たに自販機を置かせてもらって、電気ももらって…と、10万件以上も1つ1つ交渉するのは、大変な作業になる。そこで、いち早く地面を確保しようとした。JTの自販機事業買収交渉は、いわば花見の場所取り合戦のようなものだったのだ。
今回、サントリーはファンの多いJTの缶コーヒー「ルーツ」と清涼飲料水「桃の天然水」の2ブランドも取得した。すでにサントリー食品は「南アルプスの天然水」や缶コーヒー「BOSS」という販売量で勝るブランドを持っているので、買収するメリットは少ないともいわれる。
しかし、自販機というのは、小さいもので12種類の商品がセットできる「12セレクション」から、大きいものでは「42セレクション」まであり、商品の種類を増やす必要もある。
コカ・コーラグループは、スポーツ飲料の「アクエリアス」にしろ、コーヒーの「ジョージア」にしろ、「爽健美茶」にしろ、いつの間にか、シェアが高くなってしまう。これが80万台以上の自販機を抱えるパワーだ。その点から考えても、2020年に清涼飲料事業で売上高2兆円という目標を掲げるサントリーにとって、買収価格は決して高くないと思う。
■ビジネス・ブレークスルー(スカパー!557チャンネル)の番組「大前研一ライブ」から抜粋。
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