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「バブルをガッツリ起こすしかないですね」と確認しあったのだろうか・・(安倍首相と会談した日銀黒田総裁、写真:ロイター/アフロ)
もし日経平均が暴落したら、いくらで買うか バブルを止めるにはバブルを起こすしかない
http://toyokeizai.net/articles/-/72389
2015年06月07日 平野 憲一 :ケイ・アセット代表、マーケットアナリスト 東洋経済
注目の米雇用統計を受けた5日のNY株は、ダウが前日比56.12ドル安の1万7849.46ドルと下落したものの、ナスダックは同9.34ポイント高の5068.46ポイントと、まちまちの動きだった。NY証券取引所の出来高も7億8278万株と、特に大きく売り買いが交錯した感じはなかった。
5月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比28万人の増加で、市場予想の22万人増を大きく上回り、昨年12月以来5カ月ぶりの伸びとなった。
そのため利上げが早まるとして、ダウは売り先行となったものの、4日の170ドル安でネガティブ要因はかなり織り込んでいたため、反応は限定的だったといえる。ただそれでも欧米株は、利上げのタイミングに過敏な状態から、まだ抜け出せていないようだ。
■日本株は下げない相場でなく、下げさせない相場
対して日本株は、日経平均株価が12連騰で約1000円高となった後の4日間は、さすがに1勝3敗だった。だが下げ幅はわずか約100円で、3日連続安がないという「下げない相場」はまだ続いている。
外国人投資家に言わせると「下げない相場ではなく、下げさせない相場」であり、日銀を含む国家権力で株を下げさせないのだから、世界中でこんな美味しい相場、これほど買い安心感にあふれた相場はないということになる。
ここ2週の投資主体別売買動向を見ると、それが著実に現れている。良くあることだが外国人投資家は一筋縄にはいかず、現物買いの裏で先物を売っていたり、その逆だったりする。今回は、現物・先物とも仲良く大量買い越しになっている。
実は、6月4日の日銀金融研究所主催の国際コンファランス「金融政策:効果と実践」の冒頭あいさつで、日銀の黒田東彦総裁は驚くべき発言をしている。
その論旨は3つに集約される。第1の論点は、金融政策運営において供給サイドへの影響をどの程度考慮すべきなのかということだ。
第2の論点は、低い自然利子率のもとでの望ましい金融政策手段とは何か、ということである。黒田総裁は、仮に自然利子率が今後中長期にわたって過去と比べて相対的に低い水準にとどまる場合には、「出口の先」においても、現在行っている非伝統的金融政策の役割が重要だとした。
第3の論点は、望ましいポリシー・ミックスとは何か。低い自然利子率のもとで経済が中長期にわたって停滞する場合、望ましい政策対応として、金融政策、財政政策、構造改革をどのように組み合わせるべきか」というものである。
■「異次元の総裁」がいる限り、バブルは続く?
これらはアベノミクスそのものを説明しているようなもので、これこそが外国人投資家の寄りどころになる「下げさせない相場」の源だ。黒田総裁は、いわば「出口論のない金融政策」を持った、「歴代日銀総裁には居なかった異次元総裁」ということになる。
出口のない金融緩和が常態化すると、その先にはバブルが見えてくる。逆に言うと、この「常態」にストップをかけるのは、バブルしかないのではないか?
前回のコラム「日経平均が『バブル化』すればいくらになる?http://toyokeizai.net/articles/-/70763」では、現在と1989年のバブルピーク時の時価総額と上場銘柄数を比較(日経平均÷上場銘柄数)したうえで、もし1銘柄あたりの価値がバブル時に並んだら、日経平均は約6万円になるという計算を披露した。「おいおい」と言われるのを覚悟で比べてみたのだが、この計算も、このままだとあながち荒唐無稽とはいえないかもしれない。
実は、「明確な出口」を探しているはずのイエレンFRB議長も、出口の先のレールの幅は変わらないというようなことを盛んに言っている。よって、黒田総裁が突出した異次元総裁かというと、実は、「その差」はあまりないような気もするのである。だが、商品ファンドなどは、まさに「その彼我の差」でハンティングしようと、またぞろ動きだしたようだ。
再びマーケットで暗躍し始めたといわれる商品ファンドは、円安を前提に「株買い」で攻めている。先週末の欧米株こそ、利上げ懸念で神経質な動きとなったが、為替は一気に1ドル125円台半ばから後半をつけた。とすると、週明けの日本市場では、日経平均は、いよいよ2000年4月12日の2万0833円の高値を抜きに行くだろう。
■基本は上昇だが、5月とは「逆の展開」の可能性も?
読者も約1か月前だから覚えているだろうと思うが、5月8日のコラム「日経平均、調整終了で再び2万円台に回復?」では、「幻のSQ(特別生産指数)サイン」が現れたことによって、「アイランドリバーサル(離れ小島)が出て、上昇波動が形成された可能性を指摘した。
幸いこの予想は当たっていたが、今週末はSQ、しかも3カ月に1度の「メジャーSQ」(先物とオプション取引の両方の清算が行われる日)である。そして来週17日は、FOMC(米公開市場委員会)がある日だ。読者のみなさんは、「なにか波乱の予感」はしないだろうか?
もし今回のSQで、5月とは逆に、上値での「アイランドリバーサル」が出て、FOMCで「まさかの利上げ」となったら、商品ファンドは容赦なく売って来るだろう。
彼らのトレードには「水準」はない。あるのは「方向感」だけである。彼らは「高いところを買って、さらに高いところを売る、安いところを売って、さらに安いところを買い戻す」だけである。
と、思わず読者を脅かしてしまったが、このような展開になる確率は2割程度だろうか(筆者のいわゆる「ドタ勘」というやつである)。もし、マーケットが大きく下落したとしても、政府・日銀は日経平均2万円で抵抗するだろう。そうなったらなったで、またそれも面白い相場ではないか。
今週の日経平均の予想レンジは2万0200円~2万1000円としたい。
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