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雑感。米雇用統計とギリシャ問題
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52704553.html
2015年06月06日 在野のアナリスト
5月米雇用統計が、非農業部門雇用者数が28万人増、時間当たり賃金ものびるなど、良好な結果となりました。失業率は5.5%と、0.1pt増となり、就業を諦めていた人が就職活動をはじめた、と通り一遍の説明もされます。しかしFRBも注目するU-6失業率は横ばいなど、喧伝されるような状況はみられません。しかも、3月は上方修正、4月は小幅下方修正で、月平均で20万人増をキープするよう、誘導したような印象もうけます。ADP雇用統計でも、金融部門の就労がやけに伸びていますが、米国で何が起きているか、少し慎重にみておいた方がよいかもしれません。
6月5日が期限とされたギリシャの債務返済は、6月中に予定されていた4回の返済を月末に移すことで合意しています。しかしギリシャは国際債権団の支援条件を拒否しており、さらに債務減免の確約を求めるなど、変わらず強気の態度を貫いており、はっきり言えばよくこれで国際債権団が返済の先送りで合意した、というほどです。チプラス首相は「(国際債権団の要望を)踏まえている」としますが、ギリシャ側から提案した内容にこだわる姿勢は変わっていません。
一方で、ギリシャの国内世論は、債権団の提案に賛成が、反対を上回るという結果もでています。ユーロ離脱が現実味をおび、その可否に国民も揺れているのでしょう。チプラス首相が当初約束したことを、実行できていない点でも、信用を失いつつあります。ただし債権団の提案をうけいれれば、政治的には死に体です。そこで、ふたたび総選挙を行い、債権団の提案を受け入れる側と、受け入れない側に別れて争い、その決断に従うという案が出てきています。ただ、選挙にもお金がかかります。債務返済を先送りする国が、多額の予算をかけて何度も総選挙を行う。その大いなる矛盾の中で、ギリシャは残り一ヶ月を過ごすこととなるのでしょう。
米雇用統計をうけて、円が125円台をつけてきました。ギリシャ問題も一先ず先延ばしですが、そんな中、民間エコノミストの予想で、4-6月期GDPが実質で1.7%増と、5月調査の2.26%から0.56ptも急落しています。毎回、高い予想をだしては正式発表されると、その大きな乖離に面目を潰してきた数字ですから、今回もどうなるかは分かりません。これまでも指摘している通り、経済指標はあまりよくなく、本当に1-3月に在庫を積み上げていれば、4-6月にはその反動がでてくるでしょう。いずれにしろ、4-6月期GDPが景気回復を示さなければ、愈々安倍ノミクスの失敗が浮き彫りになってきます。
某証券会社が出している主要300社の経常利益が、2月の16.5%増から13.7%増に、下方修正されています。法人企業統計をみても売上げ、利益が急減しており、その辺りを反映しているのでしょう。景気見通し、企業収益の予想が軒並み引き下げられる中、株価だけが堅調に推移する。いずれ、その乖離を埋めていかなければいけないときがくるのでしょう。ギリシャがそうであるように、いずれ日本も国民に信を問う必要がでてくるのかもしれません。ギリシャの哲学者、アリストテレスは「人間は生まれつき政治的動物である」と述べています。日本人が政治に興味をなくす昨今、明日のギリシャにならないための選択が必要となってくるのでしょうね。
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