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輸出への懸念で現代自動車株が10%急落
円安とセダンへの依存が打撃、中国市場での販売も減少
2015.6.4(木) Financial Times
(2015年6月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
韓国の現代自動車の販売不振に投資家が懸念を募らせている(写真:Hyundai Motor America)
現代自動車の株価が10%急落した。円安と、セダンへの大きな依存が世界での自動車販売を圧迫し、同社のコーポレートガバナンス(企業統治)に対する投資家の懸念に追い討ちをかけた。
韓国最大の自動車メーカーである現代自動車の株価は2日、終値ベースで2010年9月以来の最安値を記録した。ベンチマークの韓国総合株価指数(KOSPI)の下げ幅が1.1%だったのに対し、現代自動車系列の起亜自動車は4.1%、部品メーカーの現代モービスは8.5%下落した。
株価急落は、現代自動車が5月の自動車販売台数が前年同月比で6.4%減少したと発表した翌日に起きた。販売不振は、円安――対ドルの円相場は過去12年以上なかった最安値をつけている――が海外における現代自動車の価格競争力を弱める恐れがあるとの投資家の懸念を強めた。
現代自動車は今年、業界の出遅れ組となっている。円安が日本のライバル企業に利益をもたらす一方で、同社が拡大するSUV(スポーツ用多目的車)需要に応えるのに苦労しているためだ。現代自動車は最近、SUV「ツーソン」の新型車を発売したが、依然セダン車に大きく依存している。
不利な為替環境と製品構成のミスマッチ
「不利な為替環境と会社の製品構成と市場の需要とのミスマッチを念頭に入れると、現代自動車の販売は今年いっぱい低迷する可能性が高い」。韓国投資証券(KIS)のアナリスト、キム・ジンウ氏はこう語る。
現代自動車の純利益は今年1〜3月期に5四半期連続で減少した。円とユーロの下落に加え、ロシアやブラジルといった新興国の通貨の急落が響いた。同社は車の85%以上を韓国外で販売している。
今年は現代自動車にとって最大の輸出市場である中国でも販売台数が減少した。SUVの需要が急増する中で中国の地元競合企業が市場シェアを拡大する一方、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独フォルクスワーゲン(VW)など外国のライバル企業が値下げ攻勢に出ているからだ。
韓国内では、現代自動車の販売台数は先月8.2%減少した。米国および欧州連合(EU)との貿易協定締結を受け、人気が高まっている輸入車に押された格好だ。
企業統治に対する投資家の懸念も
現代自動車の株価は過去1年間で37%以上下落した。同社は新本社の用地取得に100億ドル――評価額の3倍――を支払い、投資家の怒りを買った。
この土地購入は同族経営のコングロマリット(複合企業)での脆弱なコーポレートガバナンスの証拠と見なされ、投資家の多くは、現代自動車の取締役会は用地取得合意の前に購入価額を知らされていなかったと激怒した。
投資家の不安を和らげようと、同社は先月、株主利益を保護するための委員会の設置に合意した。
アナリストらによると、不利な経営環境は当分変わりそうにないため、現代自動車は年間販売目標を達成できないかもしれないという。同社は今年、505万台の販売を目指している。通年で1.8%増の目標で、これはほぼ10年ぶりの鈍い伸びだ。
「為替の変動には会社の力が及ばず、製品構成に対処するには長い時間がかかるため、状況を覆すために現代自動車にできることは大してない」とキム氏は言う。
By Song Jung-a in Seoul
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43947
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