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東京・内幸町の東京電力本店(写真中央、撮影:今井康一)
東電株人気過熱は新興株波乱を示唆!?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150602-00071689-shikiho-bus_all
会社四季報オンライン 6月2日(火)22時16分配信
日経平均株価が6月1日時点で12連騰を記録した。バブル崩壊前の1988年2月を最後に10連騰以上の連続上昇が途絶えていた。今の相場は27年ぶりの歴史的(珍事的)相場なわけで、将来きっと「あのときは良かったね」と語り継がれることだろう。
5月はそもそも“Sell in May(セル・イン・メイ)”を合言葉に売り時探しになるかと思われていた。それが結果論でいえば、5月相場18営業日のうち、下げた日数はわずか2営業日だけ。月間成績16勝2敗は、プロ野球でいえば貯金「14」である。
もし「日経平均」という球団がセリーグにあれば、絶好調の横浜DeNAベイスターズといえども首位を守ることは難しいだろう。そして、活躍した選手に与えられる月間MVPはきっと東京電力 <9501、以下:東電> だろう。
5月の東電株は大活躍で、月間上昇率は44.7%。これは、東証1部全銘柄のなかでも、ボルテージ <3639> の72.7%、極東貿易 <8093> の72.0%に次ぐ3番目の上昇率だった。プロ野球的にいえば、規定打席に達している選手で5月一番活躍した東電がMVPといえるだろう。
なぜ東電がこんなに上がったのか? そんな野暮なことは考えないでおきたい。5月は提携やら受注やらといった材料は多かったが、そんなことで買われる株ではない。3年前、政府の原子力損害賠償支援機構が発行済み株数の5割以上を握った株(=国有化されている)。業績に影響しそうなグッドニュースを材料に、例えば機関投資家が動くだろうか……普通に考えてありえない話である。
値動きを第一義として動く個人投資家の力で上がった、これを前提とした場合……東電株は上がりすぎて、こんな状態になっていることが忘れられている。終値と25日移動平均線との乖離率が5月28日に30%を超過。翌29日も、そして6月1日も30%を超えた状態を保った(28日32.18%、29日30.27%、1日32.77%)。
これ、忘れかけていた“あの条件”に東電株が当てはまる可能性が出てきたことを意味する(参照:2014年6月3日配信記事「ミクシィや日本通信が『信用規制』だって“少しも寒くないわ”」)。昨年の人気新興株に付きまとった最大のリスク「信用規制」である。
「3営業日連続して各営業日の株価と各営業日時点における25日移動平均株価との乖離が30%以上であり、かつ3営業日連続して信用取引の新規買付比率が40%以上である場合」が条件のため、信用の買付比率が40%以上となっているかどうか次第だが、過熱感が強まっており、規制がかかっておかしくない状態となっているのだ。快進撃を続ける東電株だが、これが相場の転換点になる可能性は無視できないだろう。
■ 信用規制が中国株急落の引き金に
前出の日経平均連騰の話に戻るが、1980年代には非常に多くの連騰記録が生まれていた。当時の相場をよく知るベテランの市場関係者に連騰が止まる時にどういう理由が多かったかたずねると、「信用規制くらいだった」と教えてもらった。
連騰記録の最後である1988年といえば、同年9月に「日経平均先物取引」スタートした。それ以降、裁定取引の発達などを通じて適正価格を探そうとする機能が日経平均に働き始めた。それが連騰しにくくなった背景とも考えられる。
今は信用規制がきっかけで日経平均の動きが止まるとは思えない。ただ、中国株からはいまだバブル崩壊前の日本株の名残が感じられる。先週28日、上海総合指数が突然6.5%もの急落に見舞われた。その一因となったのが、証券会社3社による信用規制だったとされている。個人投資家比率の高い上海株と、今の東電株の熱狂は相通じるものがあるのではないか。
先週5月26日に、順調に上げていたマザーズ指数だけが逆行安する動きがあった。これが起きた原因は、この時点で最も注目されていたマザーズのそーせいグループ(4565)に信用規制(委託保証金率引き上げ)がかかったためである(そーせい株は信用規制直後の26日に7.6%安、28日にも8.8%安)。個人投資家中心で動く銘柄の信用規制は市場全体に伝染しやすい。東電株にも信用規制がかかった場合、その負の影響が新興株市場に飛び火する可能性はある。
5月の月間MVPが、6月の新興株の成績悪化につながる可能性があるとなれば、とばっちりには注意しておきたい。日経平均12連騰の高揚に水を差してしまうが、優等生風にいえば「セル・イン・メイをバカにするのと、信用規制を軽視するのはよくないと思いますっ!!」。
(おしまい)
(毎週火曜日に掲載)
※株式コメンテーター・岡村友哉
株式市場の日々の動向を経済番組で解説。大手証券会社を経て、投資情報会社フィスコへ。その後独立し、現在に至る。フィスコではIPO・新興株市場担当として、IPO企業約400社のレポートを作成し、「初値予想」を投資家向けに提供していた。
※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。
岡村 友哉
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